Sputnik/Ilya Pitalev/Pool via REUTERS
- ロシアは、ウクライナの4つの地域の併合を記念して式典を開催すると発表した。
- ロシアはこれらの地域で、ロシアの一部になることについて見せかけの住民投票を行った。
- ロイターによると、これらの地域はウクライナの領土の約15%を占めている。
ロシアは、ウクライナ東部の4つの地域を併合するための協定に正式に署名すると発表した。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は2022年9月29日、モスクワ時間の9月30日午後3時に調印式を行うと発表した。ロイターによると、この式典は「新しい領土のロシア連邦への加盟に関する合意に関するもの」だという。
ロシアが式典をもって4地域を正式にロシアの一部とみなすのか、それともプロセスの始まりなのかは不明だ。
国営通信社のRIAノーヴォスチは、ペスコフ報道官が記者団に対して、ロシアが任命した当局者と「条約」に署名する式典を行い、その席上でプーチン大統領が「重要な演説」を行うと述べたと報じている。
ロイターによると、ドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポリージャの4州は、ウクライナの領土の約15%を占めるという。
ロシアに支援された当局者は今週、これらの地域で住民投票を実施し、その結果は人々がロシアへの併合を望んでいることが示すものだったと述べた。
しかし、ウクライナと西側諸国は、国民投票は見せかけであり、認められないとしている。
テレグラフ紙は、武装した兵士が一軒一軒から投票用紙を集め、投票に参加しないウクライナ人は射殺すると脅していたと報じた。
北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、国民投票は「見せかけ」で、「プーチンの戦争がさらにエスカレートしている」と非難した。
そして、アメリカのアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は、アメリカは「ロシアによるウクライナの領土の併合を決して認めない」と述べた。
彼は、今回のロシアの発表の前に、「我々は準備ができている。併合を進めるロシアに対して、さらなる厳しい代償を支払わせるだろう」と述べている。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は、ロシアが併合した地域のウクライナ人男性をロシア軍に参加させる可能性があると警告した。
ロシアは2014年にも、クリミア併合を正当化するために住民投票を利用した。ロシアは現在も同地域を支配している。
ウクライナは4つの地域の支配権を取り戻すために今も戦っている。
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)