フォルクスワーゲンは9月24日、パリで行われたイベントでコンセプトカー「Gen.Travel」を発表した。
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- フォルクスワーゲンは、完全自動運転機能を備えた電動コンセプトカー「Gen.Travel」を発表した。これは乗員がフラットなシートに横になれるよう設計されている。
- このコンセプトカーは、「レベル5」の自動化が乗員の移動体験をどのように変えられるのかテストすることなどを目的としている。
- フォルクスワーゲンの完全自動運転コンセプトカー「Gen.Travel」を見てみよう。
多くの自動車メーカーが完全自動運転車の開発を急ぐ中、フォルクスワーゲン・グループ(Volkswagen Group)は完全電動かつ完全自動運転のコンセプトカー「Gen.Travel」でさらに先の未来を見据えている
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このコンセプトカーの目的は、人間の介入なしに車が動作する「レベル5」の自動運転が、運転方法にどう影響するかのテストだけではない。この技術がより広く普及した際に、乗員にどのような機能を提供できるかといった検証も行うために設計されている
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Source: Volkswagen Group
フォルクスワーゲンによると、乗員は完全にフラットなシートで眠ることができ、将来的に航空機の短距離フライトの代替手段になる可能性があるという
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車内にハンドルやペダルがないため、空間のレイアウトに大きな可能性があると、フォルクスワーゲンのデザイン責任者であるクラウス・ビショフ(Klaus Bischoff)はInsiderに語っている
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「車内が広くなり、横になって眠れるようになるだけでなく、手入れもほとんどいらなくなることもメリットだと考えている」。この車は、乗員が何を望むかという想定に基づき「内側から」デザインされていると彼は付け加えた
フォルクスワーゲンのデザイン責任者、クラウス・ビショフ。
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ミニマルなモジュール式のインテリアは乗員のニーズに応じて配置できる
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夜間に走行する際には、2人乗りのシートを倒して長さ約2メートルの2つのベッドとして利用できる。安全のためにシートベルトとエアバッグがシートに内蔵されているという
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ビジネスで利用する場合は、中央のデスクを囲む4人掛けの「会議仕様」のモジュールを選択できる。また、家族向け仕様にすることもでき、子どもたちを楽しませるために拡張現実機能の搭載も可能だ
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また、気分や目的に応じて照明も調整できる
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車内での体験に重点を置かれているが、外装が車内での体験に与える影響についても十分に考慮されている。窓はどこに座ってもできるだけ外の景色が眺められるようにデザインされている
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横になっても外が見えるように、窓の縁は腰の高さまで下がっているとビショフは言う。「天井にも窓があるので、都会を走ると高層ビル群を見ることもできる」
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パノラマの景色が広がる窓は、歴史に基づくものでもある。1921年にベルリンで開催されたドイツ・モーターショーで発表された「ランプラー・ドロップ・カー」(上から見ると雨粒のような形状であることからそう名付けられた)にインスピレーションを得ている
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ビショフは、この車の航続距離や速度について多くの詳細を明らかにしていないが、最終的な航続距離はバッテリーのサイズに左右され、長距離を走るには100kWh以上のバッテリーでなければならないという
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Gen.Travelはコンセプトカーであるため、現在のデザインのままでは道路を走ることはないだろうとビショフは言う。しかし、将来の設計に影響を与える可能性のある調査や研究に使用される予定だ
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(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)