Mary Meisenzahl/Insider
- スターバックスの招待で、筆者はアメリカのワシントン州シアトルの本社にあるカッピングルームを訪れた。
- 「カッピング」は専門家たちがコーヒーの品質を確認する業界の慣行だ。
- カッピングは驚くほど厳密に行われていて、筆者はコーヒーエキスパートの素早い動きに感心した。
スターバックスの「インベスター・デー」に出席するため、ワシントン州シアトルを訪れていた筆者は同社の本社に招待され、コーヒーエキスパートたちがコーヒーの品質をどのようにチェックしているか見せてもらえることになった。
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本社にある「カッピングルーム」では、特別な訓練を受けたスターバックスのスタッフたちが高い品質を維持するために、毎日何百杯ものコーヒーをテイスティングしている。
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わたしたちはまず、地理の授業から始まった。スターバックスではアフリカ、ラテンアメリカ、アジア太平洋の3つの主要なコーヒー栽培地域の全てからコーヒー豆を入手しているからだ。
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ブラジル、ベトナム、コロンビアが世界最大のコーヒー生産国だと、スターバックス・コーヒー・トレーディング・カンパニーの責任者ティム・シャーラー(Tim Scharrer)氏はInsiderに語った。
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異なる地域で栽培されたコーヒーには、それぞれ独特の風味があるという。
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カッピングを担当する「カッパー」のこの部屋での仕事は、それぞれのコーヒーのベースフレーバーがきちんとあるべきものになっているか、スターバックスで提供するドリンクに使用できるか確認することだと、同社のコーヒーや紅茶の品質責任者アンドリュー・リンネマン(Andrew Linnemann)氏は語った。
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これらの情報を頭に置いて、筆者はカッピングに挑戦するため、グリーンのエプロンを身に付けた。
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まずは届いた全ての生豆の質、香り、硬さをチェックする。わたしたちが食料品店で野菜や果物をチェックするのと似ていると、リンネマン氏は言う。
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チェックが済んだら、隣の部屋で少量ずつ焙煎する。
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コーヒー豆のサンプルは全て同じ方法で扱わなければならない。正しく比較するためだ。
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焙煎の担当者は温度とタイミングを注意深く見ておかなければならない。
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ここで筆者にもサンプルが手渡された。3つの地域からそれぞれ1つずつ選んだものだという。
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入れたてのコーヒーは、表面にクラストができる。
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スプーンを使ってクラストを「破る」と、香りが広がる。
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それぞれ香りが異なるので、他のサンプルと混ざらないようにスプーンを毎回すすぐことが大切だ。
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厄介なプロセスだ。「コーヒーが鼻につかなければ、やり方が間違っているということです」とスターバックスのグローバル・コーヒー・クオリティ・アンド・オペレーションのシニアマネジャー、ボニー・ホール(Bonnie Hall)氏は筆者に教えてくれた。
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焙煎プロセスも味に影響することが分かった。「パンのような」焼けた匂いを残すこともある。
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自分よりも知識のある人に教わって、突然これまで感じたことのない風味に気付くワインのテイスティングみたいだった。
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例えばエチオピアのコーヒーはそのフルーティーな香りで際立っていたし、スマトラのコーヒーはチョコレートのような香りだった。
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コーヒーを実際に口にする前に、スプーンを使って出し殻を取り除く。
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いよいよエキスパートの指示の下でテイスティング開始。
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ワインテイスティング同様、コーヒー・カッパーも伝統的に専用の容器にサンプルを吐き出す。
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口にしたコーヒーを吐き出すのは抵抗感があった。人前で巨大なバケツに吐くというのは、わたしの本能に反していたからだ。
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テイスティングにはスプーンを使う。スプーンでコーヒーをすくって、すするのだ。
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テイスティングも意外と難しい。コーヒーは吸引しなければならないので、基本的にかなり大きな音を立ててすすることになる。
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そうすることで、鼻に香りを取り入れることができる。香りはテイスティングのカギだ。
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コーヒーをこぼさないように、繊細な香りを見逃さないようにとわたしの動きがゆっくりな一方で、プロの動きは衝撃的な速さだった。
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カッパーたちは両手にスプーンを持ち、コーヒーをすくい上げ、大きな音を立ててすすって吐き出し、次のカップへと移って行く。
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スターバックスのスタッフは、店で提供される1杯のドリンクを作るのにこの部屋がいかに重要な役割を果たしているか説明した。
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全てのコーヒーは「ホット」で、こうしたカッピング方法を用いてテストされている。
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それぞれの品種のフレーバープロファイルをまとめることで、スターバックスのコーヒーエキスパートはブレンド、エスプレッソ、コールドブリューにそれぞれ何が最適か、さまざまな組み合わせを試すことができる。
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コールドブリューの開発時には、20時間という抽出時間の基準に至るまで、コーヒーエキスパートたちは同じブレンドをさまざまな条件下で試した。
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スターバックスが現在販売するドリンクの約70%は冷たいドリンクだが、温かいコーヒーをカッピングするのが冷たいドリンクの質を保証し、新しいドリンクを開発するカギだという。
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数十億規模のビジネスであるスターバックスコーヒーの品質は最終的に、毎週1000杯近いコーヒーをテイスティングするわずか数人のエキスパートの手に委ねられているのだ。
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(翻訳、編集:山口佳美)