REUTERS/Kevin Lamarque/File Photo
カーライルの共同創業者であり、プライベート・エクイティの億万長者であるデイビッド・ルーベンシュタインは、新著『How to Invest: Masters on the Craft』(未訳)を書き上げるために世界最高の投資家22人にインタビューした。彼はこの本を“オマハの賢人”ウォーレン・バフェットに捧げており、彼を「投資術の究極の達人」と呼んでいる。
ルーベンシュタインが取材した投資家たちのうち何人かも、自分の人生やキャリアに大きな影響を与えたロールモデルとしてバフェットの名前を挙げている。ルーベンシュタインは最近Insiderの取材に応じ、バフェットを偉大な投資家たらしめている12の特徴や習慣を紹介してくれた。
以下でその詳細を紹介しよう。
1. 献身
バフェットは、投資を技術として重視している。彼は純粋な投資家であり、それを生涯の天職としているのだ。
2. シンプリシティ
バフェットは大規模なチームを抱えてはいない。バフェット自身が分析し、決断し、非常に迅速に実行することができる。バフェットは自らの投資哲学から逸脱することなく、常に自身が決めた価格を守る。
3. 親しみやすさ
バフェットは、魅力的で庶民的な方法でコミュニケーションをとるという、ユニークな能力を持っている。とても話しやすく、アイデアを分かりやすくまとめるのが長けている。
4. 謙虚さ
バフェットは、自分がいかに賢いかを周りに言いふらしたりしない。気取ったところがなく、自分の偉大さをひけらかすようなまねはしない。
5. 知的好奇心
バフェットは大の読書家として知られ、膨大な量の情報を絶えず吸収している(バフェットは毎週500ページの年次報告書、規制当局への提出書類、その他の書類を読むと語っている)。
6. 反主流主義
偉大な投資家は従来の常識に逆らおうとするものだが、バフェットはまさにその好例だ。バフェットはドットコムバブルのときもコロナ禍のパンデミック時の株価の高騰にも巻き込まれることはなかった。
7. 規律
バフェットは買うに値するものが見つかるまで、大量の現金を持ち続けることをためらわない(そのおかげで、バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイの現金は2021年に1500億ドル近くまで膨れ上がった。その後バフェット率いるチームは2022年第1四半期に510億ドルもの資金を株につぎ込んでいる)。
8. 失敗から学ぶ
投資の世界は失敗がつきもの。すべての球を打ち返せる人などいない。偉大な投資家はみな失敗を恐れず、常に失敗から学ぼうとする。バフェットも自らの過ちを認め、そこから学びを得て前に進んでいる。
9. 新しいアイデアに対する寛容さ
バフェットのことをハイテク投資家だとか、新しいテクノロジーを最初に見出した人だと言う人はいないだろう。しかしバフェットは、アップルが巨大な消費財企業であり、忠実な信者、顧客、従業員からカルト的な支持を得ていることを見抜いていた。
バークシャーは2016年から2018年にかけてアップルに約360億ドルを投資しており、その保有株式の価値は約1300億ドルにまで膨れ上がっている。
10. バイ・アンド・ホールド
シーズ・キャンディにネブラスカ・ファニチャー・マート。これらの銘柄をバフェットは長期間保有している。バフェットいったん株を買ったら売らずに持ち続ける「バイ・アンド・ホールド」の投資スタイルを信条としている。
売却しないので取引コストは発生せず、キャピタルゲインにかかる税金を引かれることもない。より多くの資金を温存して、時間をかけて複利効果を味方につけて価値を高めることができるのだ。
また、バークシャー・ハサウェイの特徴である長期保有は、キャッシュアウトしても会社を経営したい経営者や、安定を望む経営者にとって魅力的だ。
11. 倹約
バフェットは、自らの富に舞い上がって自分を見失うようなことはない。彼は1960年代から同じ家に住み、最近まで自家用車を運転していた。有名なコレクターになろうと散財して美術品を買い集めることもしない。
12. Xファクター
バフェットは自分の頭脳だけで会社を築いてきた。60年以上にわたり投資をしてきた類い稀な人物だ。バフェットは世界史上最も成功したコングロマリットを築き上げた。しかもそれを、魅力と常識と庶民感覚を失うことなく成し遂げたのだ。