アメリカのレゴショップで販売されているミニフィギュアとブロック。
Colton Kidd
- 2022年3月にレゴがロシアから撤退した後、その元代理店が「ワールド・オブ・キューブス」という代わりとなる店舗を展開している。
- レゴによるとロシアへの輸出を止めたとのことだが、商品はまだロシアのサイトで購入できる。
- レゴは、ロシアのウクライナ侵攻後にロシアから撤退した多くの国際的ブランドのひとつだ。
ロイターによると、ロシアのウクライナ侵攻を理由に多くのグローバルブランドがロシアから撤退した。デンマークのおもちゃブランドのレゴ(Lego)もそのひとつだったが、それに代わって「ワールド・オブ・キューブス(World of Cubes)」というチェーンがロシアで展開されているという。
レゴはかつて、ロシアのInventive Retail Group(IRG)と組んで、ロシアでフランチャイズ展開をしていた。
ロイターの報道によると、IRGは現在、ロシアの20都市に65店舗の「ワールド・オブ・キューブ」をオープンする計画だと述べており、この新たなチェーンは「レゴの認定販売店の代わりに登場」し、レゴの商品を販売するという。
レゴは2022年7月にウクライナ侵攻を理由にロシアでの事業を停止し、IRGとの協力関係も解消しているにもかかわらず、このような事態になっている。
レゴがロイターに語ったところによると、ロシアには3月以降出荷していないという。
しかし10月3日の時点で「ワールド・オブ・キューブス」のウェブサイトでは、人気の高いハリー・ポッターやスター・ウォーズのシリーズをはじめ、幅広いレゴ製品の在庫があると宣伝している。
商標権者の許可なく商品を輸入する「並行輸入」は5月にロシアで合法化された。この政策はロシアへの輸出から撤退しようとする多くの企業の動きを封じ込んでいる。
アップルの最新のiPhone14も、9月中旬の時点でロシアで販売されていたとInsiderが報じている。
レゴは声明で、ロシア国外からの転売を取り締まると述べている。
「我々は小売業者の契約に追加条項などを追加し、ロシア国外の既存の顧客による潜在的な(ロシアへの)転売行為を可視化し、管理性を高めるための措置を講じた」
ロシアでの代替店
ロシアではすでに850店舗のマクドナルド・フランチャイズが、模倣チェーン「Vkusno & tochka(Tasty and That's It)」に置き換えられている。「ワールド・オブ・キューブス」の店舗は、ロシア人の日常生活にまた新たなメジャーブランドの代替店が現れたことを表している。
これまでにSpotify、イケア(IKEA)、ディズニー(Disney)、プラダ(Prada)、リーバイス(Levi's)など多くのブランドがロシアから撤退している。
[原文:Russia is replacing Lego with 'World of Cubes' after the toymaker refused to do business there]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)