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アメリカ人の貯蓄が早いペースで減少中…大手小売企業はセールを前倒しで実施

2021年7月14日、カリフォルニア州サンフランシスコにあるウェルズ・ファーゴ銀行でATMを利用する人たち。

2021年7月14日、カリフォルニア州サンフランシスコにあるウェルズ・ファーゴ銀行でATMを利用する人たち。

Justin Sullivan/Getty Images

  • 最新のデータによると、アメリカ人はすでに貯蓄の3分の1を使い果たしているという。
  • これは、以前考えられていたよりも3倍近く多く、消費がまもなく鈍ることを示している。
  • 小売業者は消費の低迷に対応している。しかしこのデータは景気後退の可能性が高まっていることを示唆している。

高騰するインフレからアメリカ人を守る経済的な余裕である貯蓄が、以前考えられていたよりも少なくなっている。アメリカ人の貯蓄が減少するにつれて、深刻な景気後退の可能性は高まっていく。

アメリカ人の家計は憂慮すべきほど悪化している。新型コロナウイルスのパンデミックの初期には、これまでにない景気刺激策と個人消費の低迷によってアメリカ人の貯蓄が急増した。2021年半ばにこの傾向はピークを迎え、経済が再び回り始めると消費が回復してきた。そしてインフレによって、多くの人が貯蓄を切り崩してまで生活に必要な物を買うようになった。物価の高騰が続く中で、人々の貯蓄は減少の一途をたどっている。

これまで考えられていたよりも状況はさらに悪化しているようだ。商務省経済分析局(Bureau of Economic Analysis)によると、2022年8月のデータは、アメリカの家庭が2021年2月には2兆4000億ドル(約346兆円)あった貯蓄のうち、約2700億ドル(約39兆円)を使ったことを示している。2021年に貯蓄残高が減り始めてから、その約11%が使われたことになる。

そして最近の報告ではさらに厳しい様相を示している。2022年9月30日に新たに更新された統計によると、貯蓄は2021年8月には2兆1000億ドル(約303兆円)だったが、その31%にあたる約6300億ドル(約91兆円)がすでに使われているのだ。

出典: パンテオン・マクロエコノミクス

出典: パンテオン・マクロエコノミクス

Pantheon Macroeconomics

パンテオン・マクロエコノミクス(Pantheon Macroeconomics)のチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン(Ian Shepherdson)は、「景気後退のリスクは以前我々が考えていたよりも高くなっている」と2022年10月5日のノートで述べている。

家計の支出を減らし始め、少なくなった貯蓄を補うようになると、経済成長の原動力が失われる可能性があるという。

「人々は、消費を増加させ続けるのに十分なほど、貯蓄を切り崩すことはできないだろう」

すでにいくつかの大手小売業者は、景気の減速が現実のものとなると予想している。ウォルマート(Walmart)とターゲット(Target)は2022年9月、価格高騰で消費を敬遠する買い物客を取り込むため、ホリデーシーズンの商戦を2022年10月初めから開始すると発表した。一方、アマゾン(Amazon)は、実店舗を構える競合他社に対抗するため、2022年10月にアマゾンプライムの会員を対象にした独自のセールを実施すると発表した。

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