結婚・同棲をするなら…パートナーと話し合っておきたい、お金に関する4つのコト

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お金に関してパートナーと認識を一致させる唯一の方法は、話し合うこと(画像はイメージ)。

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  • お金に関する考え方をパートナーと話し合うことを、認定セラピストのパトリス・ダグラス氏は勧めている。
  • 借金、出費、生活費の分担、銀行口座については必ず話しておこう。
  • お金の問題が今後の2人の関係を左右する要因になるのかどうか、自分自身に正直に。

現在のパートナーとの関係を次の段階に進めたいと考えているならば、お金の話をすることは非常に重要だ。実際、お金に関する話は1度で済むものでないかもしれないが、どこかの時点で話しておかなければならない大切な問題だ。

ロマンティックには聞こえないかもしれないが、お金について話すことは、避けて通るわけにはいかない重要なステップ。結婚や家族の問題を専門とする認定セラピストのパトリス・N・ダグラス心理学博士(Patrice N. Douglas, PsyD)に話を聞いた。パートナーと話すべきお金のことで、最も重要な4つの問題とは何か、そしてそれに対して、どのようなアプローチがあるかを紹介しよう。

1. 借金の有無は? ある場合はその理由は?

結婚前からパートナーに借金があったとしても、あなたが責任を追うことにはならないだろう。

しかし、パートナーがクレジットカードによる借金など、高利の借金を蓄積させてしまうようなお金の使い方をする人ならば、お金に関して将来どのような行動をとり続けるかが見えてくるとも言える。

何かしらの結論を出す前に、何の借金があるのか、どうしてそのような借金を背負ってしまったのかをパートナーと話すことをダグラス氏は勧める。

「すべての借金が悪い訳ではない」。例えば、学生ローンは良い借金と見なされる。教育を受けることは純資産を増やす可能性につながるため、所得に対して比較的少ない返済額であれば、危険信号にはならないだろう。

一方で、分不相応の高級車を買ったり、ショッピングで爆買いしたり、贅沢過ぎる旅行に行くことは悪い借金と見なされる。このような借金は、だいたい高利のクレジットカードや、いずれ価値の下がる物やサービスを購入する際に使われるプライベートローンの場合が多い。

何年前からの借金なのかも必ず聞くことも重要だ。もし長い間返済を続けている古い借金であれば、何か学んでいるかもしれない。しかし、まだ返済額が減っていないようであれば、何らかの対応を考える必要が出てくる。

そのような場合、ダグラス氏は金融リテラシーの講座を受講したり、ファイナンシャルプランナーに相談して返済プランなどのアドバイスをもらうことを勧める。もし自分にも借金があれば参考になるし、貯蓄や投資のことを学ぶ良い機会にもなる。

2. それぞれの出費の優先順位は?

物事に対する2人の価値観は同じではないかもしれない。あなたは上質の洋服を買うのが好きかもしれないが、パートナーは旅行のために節約したいと思っているかもしれない。

そのため、相手が何に価値をおいているかを知っておいた方が良いとダグラス氏は言う。相手が何を優先しているのかが分かれば、パートナーとして2人が望み、共に楽しめる人生を、お金をツールにして一緒に作っていくにはどうしたらいいか話し合うことができるだろう。

相手にとって、なぜそれが大事なのかを知ると、妥協点も見つけやすくなる。例えば、通勤時間が長い相手にとっては快適で耐久性に優れた高級車が不可欠かもしれない。

しかし、あなたが家にいる時間が長い人であれば、あなたのパートナーはもっと予算に見合った家が見つかる地域への引っ越しを考えてくれるかもしれない。

3. 銀行口座は別々のままで良い?

口座を1つにして2人のお金を完全にまとめて管理するカップルもいるが、2人の間で収入に差がある場合は別々に口座を持っていた方が関係の悪化を避けることができるとダグラス氏は言う。お互いがどちらを望むか話し合うことで不安を解消し、2人に合った解決策を見出すことができる。

生活費の支払い用に共同名義の口座を作るのも選択肢の1つだ。2人ともその口座に入金すれば、共に支払いに貢献できる。それぞれ自分の口座は維持し、個人的な買い物はそちらの口座から支払えばいい。

もう1つの選択肢は、口座は別々にして生活費に関してはどちらが何の支払いを担当するかを決めた上で折半するという方法だ。例えば、家のローンはパートナーの口座から引き落とされるようにし、自分の口座からは光熱費などの生活費を支払うという形だ。ダグラス氏は「経済的なことで2人の関係を悪化させないための健全な方法」だと説明する。

4. お金の問題に関する許容範囲は?

ダグラス氏は、この質問はまず自分自身に問うべきだと話す。パートナーとお金の話を始める前に、お金に関する相手のどのような行動が、現在または将来的に自分の中の許容範囲を越えるのかを考えておかなければならない。

何が良くて何がダメなのか、具体的に答えを出しておこう。ギャンブルは許せるか? 自分の知らない口座を持っていても気にならないか? 自分に相談なしに高額な買い物をしても許せるか? 高額な買い物はいくらまでが許容範囲か? などだ。

自分の過去を振り返ることも忘れてはならない。お金に関してトラウマ的な経験がある場合は、反省する必要があるかもしれない。ダグラス氏は、自分自身のトラウマ的な過去と向き合い、解決しなければ、今の相手との関係を壊してしまうかもしれないと指摘する。

「居心地の悪い関係に陥ってしまう人もいるが、相手を愛しているため失望させたくないのだ。だが、問題は解決されていないので、結局腹立たしくなって関係がギクシャクしてしまう」

お金の問題に関して自分の中の許容範囲が明確になったら、それをパートナーと共有しよう。相手にも自分にも正直でいれば、お金のことに気を取られたり心配したりすることなく、一緒にいる時間をもっと楽しめるようになるだろう。

[原文:4 conversations to have about money before taking your relationship to the next level

(翻訳・小森谷美江子、編集・長田真)

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