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無印良品が衣服で苦戦、社長が全面テコ入れ「ジェンダーレスが押し付けになっていた」

無印良品、良品計画

良品計画の決算では利益率の低さが話題になった。一因が低迷する「ファッション」売上だ。

出典:「無印良品」ブランドサイト画像より編集部作成

無印良品を展開する良品計画が10月13日に発表した2022年8月期通期決算は、純利益245億円(前期比72.4%)の黒字決算ながら、経営陣の「課題」を感じさせるものだった。

決算会見で堂前宣夫社長が反省と今後の課題として繰り返し語ったのが、「利益率の低さ」だ。売上高にあたる営業収益4961億円に対し、粗利率にあたる営業総利益率は47.2%と、前年に対して1.8ポイント低下した。

衣服などの販売が低迷したのに加え、円安や輸送費の上昇に伴う調達コストがかかったことが背景にあるという。

「この1年は原価の高騰や為替の影響もあり、営業総利益率が非常に低かった

23年は営業総利益49%を目指す。小手先の取り組みではうまくいかないので、全面的に改革していく」

そう語った堂前社長。営業総利益率49%は前年21年8月期の数字だ。

ジェンダーレスは「自己満だった」

良品計画、無印良品、

良品計画の決算に登壇した堂前宣夫社長(左)。

良品計画の決算会見にて。オンラインにて開催。

一体何をどう変えていくのか。

まずは店舗とオンラインを合わせた通期の売上が前年割れ(93.1%)で、全カテゴリーの中で最も苦戦している衣服・雑貨だ。無印良品は2021年から「ジェンダーレスファッション」に注力し、2022年には衣服の半分を男女兼用にすると報道されていた(日経MJ・2021年7月2日)。

「ジェンダーレスな服、ダボっとした服を着なさいという押し付けになっていたと思う。ジェンダーレスがダメというわけではなく、我々の力が不足していた。これからは今の実力の中できちんと受け入れてもらえる商品を作っていきたい。自己満足になってはいけないと反省した」(堂前氏)

良品計画、無印良品

出典:良品計画2022年8月期決算資料

この秋から商品構成を抜本的に変更し、売り上げは復調しつつあるという。

「ちゃんと着られる形のものを、しっかりした素材で作った。“ど真ん中”に近いものを準備したと思う。社内では“オーセンティック”なもの、本物をきちんと作ろうと話している」

大規模店舗の正解を模索

無印良品、良品計画

「無印良品500」のラインナップ。

出典:「無印良品」ブランドサイト

商品改革に加えて、店舗構造にもテコ入れする。

今期の国内の新規出店は45店。2021年に発表した「600坪規模の店舗」を「全国のスーパーマーケットの隣」を狙って出店する戦略に沿って進めてきたが、

「地方に展開している600坪店舗は家賃が安いこともあり収益性がいいが、月坪売り上げが10万円程度と売上効率は悪い。

今まで200〜300坪でやってきたので、600坪の運営のやり方の答えをまだ誰も持っていない」(堂前氏)

と振り返った。

今後は坪効率を上げるため、衣服の陳列を「エモーショナルに」(堂前氏)し、先日発表した500円以下の日用品や消耗品で構成する新業態「無印良品500」をコーナー展開していく計画だ。

消耗品に続き、服や化粧品の専門店も

無印良品、良品計画

出典:「無印良品」ブランドサイト

注目の「無印良品500」は、9月に1店舗目として東京・三鷹市にオープンした。売上は順調だという。

「これまで販売していたけど気づいてもらえなかった生活小物や消耗品も、特化して出店したことでお客様に伝わり、売上が伸びている。商品を絞ることでアピールできると分かった」(堂前氏)

この結果を活かし、今後は「衣服」だけ、「スキンケア・ヘアケア」だけの専門店を設ける予定だ。

堂前氏の社長就任から1年。経営トップとして見る課題は山積している。

(文・竹下郁子

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