アップルのティム・クックCEO。
Jerod Harris/Getty Images for Vox Media
- アップルが金融の世界にさらに踏み込んできた。
- アップルカードのユーザーはキャッシュバックの特典を高利回りの普通預金口座に自動的に入金することができるようになる。
- Appleのクレジットカードと同様に、この口座はゴールドマン・サックスとの提携により運営される。
アップル(Apple)は銀行や金融の世界にさらに踏み込むことで、テクノロジー企業であることの意味を再考し続けているようだ。
2022年10月13日、アップルはアメリカで発行しているアップルカード(Apple Card)のユーザーが、Daily Cashと呼ばれるキャッシュバックを、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs )の高利回り貯蓄口座に自動的に入金できるようにすることを発表した。
アップルのジェニファー・ベイリー(Jennifer Bailey)はこの貯蓄商品を発表した声明の中で「アップルカードのユーザーは日々Daily Cashの報酬を増やし、将来のためにすることができるようになる」と述べている。
アップルはこの口座には、維持手数料、最低入金額、最低残高の要件はないと述べている。
アップルは2019年3月、ゴールドマン・サックスと提携したクレジットカードを発表し、ゴールドマン・サックスがカードの開発に約3億ドルを費やしたとされるにもかかわらず、「銀行ではなく、アップルが作った」と宣伝した。
このカードが発表されたとき、専門家はこの提携はアップルにとって有利なものだと指摘している。
「このカードの運用リスクと信用リスクはゴールドマン・サックスがすべて負担しているので、これによる収益はアップルにとってほぼ純粋な利益となるはずだ」とバーンスタインは述べている。
この貯蓄商品は、アップルがクレジットカードの分野でより大きなシェアを獲得しようとしていることを示している。2021年の最新の推計では、アップルのカードを利用している人は640万人で、クレジットカード大手のマスターカード(MasterCard)やビザ(VISA)よりかなり少ない。マスターカードは2022年6月の時点で30億枚のカードを発行しているという。
[原文:Apple is even more of a bank now — if you have an Apple Card]
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)