REUTERS/Dado Ruvic
- 最新の調査によると、SHEINで販売される服を作っている労働者は、1着につきわずか4セント(約6円)しか得ていないという。
- 彼らはしばしば1日18時間働き、休日は月に1日しかないとチャンネル4やThe i newspaperが報じた。
- 仕事終わった後に時間がないため、昼休みに洗髪する労働者もいるという。
ファストファッション企業のSHEINは非常に安い価格で洋服を販売しており、最新の潜入調査でそのビジネスモデルを維持するための人件費が明らかになった。
SHEINの服を作っている中国の工場の労働者は、1日に18時間働くことが頻繁にあり、週末はなく、休日は月にたった1日であることがイギリスのチャンネル4とThe i newspaperの潜入調査でわかった。
それによると、偽名を使った女性が2つの工場の仕事を得て、そこで働いて目にしたものを秘かに撮影した。「Inside the Shein Machine: UNTOLD(SHEINマシンの内部:語られない事実)」とタイトルがつけられた動画は、チャンネル4のオンデマンドチャンネルである「All4」で2022年10月17日に公開された。
「ここでは日曜日なんてものはない」と、一人の労働者が動画の中で語った。彼らは週7日間働いているという。
調査によると、1つ目の工場では月4000元(約556ドル:約8万2000円)の基本給をもらっている従業員は、1日少なくとも500着を作るが、初月の給料は保留にされたという。労働者の多くが、1着わずか0.14元(約2セント、約3円)の手間賃を稼ぐために苦労している。2つ目の工場では、労働者は基本給がなく、服1着を作るごとにわずか0.27元(約4セント:約6円)を受け取ることがわかった。
また、1つのミスをすると日給の3分の2の罰金が科せられるという。その工場では、女性従業員が仕事が終わった後には十分な時間がないからと、昼休みに髪を洗っていた。
SHEINにコメントを求めたところ、彼らは潜入調査の動画の内容を「非常に懸念している」と述べ、「すべてのSHEINのサプライヤーの同意を得た行動規範に違反している」と語った。
同社は、サプライヤーの行動規範は労働習慣や労働条件を含めて、国際労働機関の条約、地域の法律と規制にもとづいたものであり、サプライヤー施設の抜き打ち審査もあると述べた。
「この規範に適合しない場合は迅速に対処し、我々の基準を満たさない提携企業との契約を終了する」と、同社は述べた。
「我々は調査ができるように、チャンネル4に情報提供を求めた」
SHEINはファストファッションの巨大企業に成長しており、2022年4月には評価額が1000億ドルに達し、H&MとZARAを合わせたよりも多くなっている。同ブランドの服は破壊的に安価で、時には数ドルのものもあるが、商品がすぐに壊れるという利用客もいて、デザイナーはSHEINが彼らのスタイルを真似して安く売り、彼らからビジネスを盗んでいると主張している。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)