Azure Printed Homes
- 3Dプリンターの住宅建築のスタートアップ企業、アジュール(Azure)は、不動産開発会社レインハビット(Reinhabit)と共同で10軒の住宅を建設する予定だ。
- 10棟の建売住宅は、南カリフォルニアの3カ所に建てられる。
- ロサンゼルスに本社のあるこの建設会社は、再生プラスチックを使用し、住宅を3Dプリントで作っている。
涼しくなってきた南カリフォルニアで賃貸物件を探している?
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あなたが次に借りる物件は、3Dプリントで建てられた家になるかもしれない
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3Dプリント住宅を専門とするロサンゼルスのスタートアップ、アジュール(Azure)は、不動産開発会社のレインハビット(Reinhabit)に指名され、南カリフォルニアの3つの場所で10棟の賃貸住宅を建てることになった
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これは、昔ながらの不動産市場が、3Dプリンターによる建設技術に関心を高めていることを示している
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レインハビットが、3Dプリントのスタートアップ企業と協力すると決めたのは、この技術を最大に支持する人たちの気持ちを反映している
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従来の建築では時間がかかることは否めない。「カリフォルニア州も多くの州と同様、建築にかける時間を短縮するため、もっと革新的な方法を見つける必要がある」とレインハビットの共同設立者のルディ・ドヴォラック(Rudy Dvorak)とキム・ドヴォラック(Kim Dvorak)はプレスリリースで述べている
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そこで登場したのが、従来の建築が抱えていた問題を解決する3Dプリンターの家だった
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このニッチではあるが成長中の技術に特化したスタートアップ企業は、3Dプリンターを使えば、廃棄物や材料、時間、そしていつの日かお金を節約しながらより効率的に家を建てられると考えている
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住宅の床、屋根、壁を工場内でプリントすることで、従来の建築と比較すると70%早く、30%安く住宅を建てることができるという
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このロサンゼルスのスタートアップ企業は、建設のプロセスをさらに合理化するため、それぞれ1日でプリントできる、接続可能なプレハブ式モジュールを使用している
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3Dプリンターを使う住宅施工会社の多くは、効率的な施工のプロセスを約束している
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アジュールは、純コンクリートか独自の混合物を使用する多くの一般的なスタートアップ企業とは異なる
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アジュールが3Dプリントで使う材料の60%は、ペットボトルや食品包装に多く含まれる再生プラスチックポリマーでできており、環境面の利点を高めるものだ
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Source: Insider
今のところ、プリントの材料にする混合物は、ポスト・インダストリアル・プラスチック(産業廃棄物として発生するプラスチック)に頼っているのが現状だ
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しかし将来的には、ポスト・コンシューマー・プラスチック(消費者から発生する使用済みプラスチック)への移行を目指している
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アジュールの共同創業者であるロス・マグワイア(Ross Maguire)は、「我々のサプライチェーンは、我々が生きている間に足りなくなってはならない」と2022年8月にInsiderに語っている
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Source: Insider
カリフォルニアに建設される10棟の住宅は、アジュールの現行モデルを組み合わせたものとなる。180平方フィート(約5坪)の広さに、小さなキッチン、リビングルーム、ベッドルーム、バスルームがあり、価格は4万3900ドル(約653万円)からだ
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Source: Azure
最も高額な20万4900ドル(約3047万円)の2ベッドルームの家には、フルキッチン、リビングルーム、ランドリールーム、バスルームが完備している
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1ベッドルームの住宅も2種用意していて、そのうち一つはリビングとベッドルームを広げたものだ
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しかし、南カリフォルニアの不動産市場で、この10棟の地球に優しい3Dプリンターの家を簡単に手に入れられるとは思わないでほしい
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この家は賃貸用であり、レインハビットによると、このロサンゼルスのスタートアップ企業の作る住宅は、金利が上昇する中でも「賃貸収入源として非常に素晴らしい投資収益率を迅速に生み出す」という
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南カリフォルニアへの移住に興味がなくても、2023年に納品されるスタートアップのユニット住宅を予約することは可能だ
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もちろん、アジュールの数カ月間分ある予約注文に埋もれない場合の話ではあるが
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Source: Insider
一番小さいワンルームは、すでに3カ月待ちだと、2022年6月に地元紙が報じている
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Source: Spectrum News 1
今回のアジュールとレインハビットのコラボレーションは、最近多くなっている3Dプリントのスタートアップ企業と不動産開発業者の提携の1つに過ぎない
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テキサス州、カリフォルニア州、バージニア州の企業が、3Dプリンターの家の建設を発表しており、建設技術の普及が差し迫っていることを示唆している
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Source: Insider
「3Dプリントは、より効率的な建築方法であり、そのプロセス、技術、材料の開発が進んでいけば、さらによいものになっていく」とマグワイアは話す。「今後、建設業界において、ますます注目されるようになることは目に見えている」
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(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)