ウクライナの首都キーウで、イラン製の「シャヘド136」と見られる無人機に攻撃された住宅で作業する消防士。2022年10月17日。
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- ロシアがウクライナのキーウを無人機で攻撃し、少なくとも3人が死亡した。
- 複数のウクライナ政府関係者によると、ロシアは10月17日の朝、イラン製の無人機を使って攻撃した。
- キーウ上空を飛ぶ特徴的な形のドローンが撮影されている。
ウクライナ当局は、2022年10月17日の朝に首都キーウを襲ったロシアの攻撃ではイラン製の自爆ドローンが使われたと述べた。
特徴的なデルタ翼のシャヘド136(Shahed-136)ドローンがウクライナの首都を飛行している姿も捉えられている。
ウクライナ非常事態庁のセルヒー・クルク(Sergiy Kruk)長官は、この攻撃で3人が死亡したと述べた。キーウのビタリ・クリチコ(Vitaliy Klitschko)市長によると、28機のドローンが同市に飛来したという。
クリチコ市長、ヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領らウクライナ政府関係者は、ロシアが衝撃で爆発する自爆ドローンを使用したと述べた。
複数のウクライナ政府関係者は、この無人機がイラン製のものであることを確認し、ウクライナの戦場で見られることが多くなっているとしている。
下の写真は、10月17日にキエフ上空で見られたシャヘド136と見られるドローンだ。
2022年10月17日、キーウの上空に飛来したドローン。
AP Photo/Roman Hrytsyna
専門家によると、無人機は比較的安価で使いやすいので、ロシアは数多く使用することができるという。これは、ロシアがドローンでウクライナ軍を圧倒する可能性があることを意味している。ウクライナは、ドローンの速度が遅く、低空飛行であることで撃墜が比較的容易であるという利点を失うかもしれない。
しかし、今回の攻撃では、キーウのクリチコ市長とウクライナ空軍は、飛行速度の遅さとサイズが大きいことを利用して、それらのほとんどを撃墜できたと述べた。
ドローンに向けて発砲するウクライナの警察官。2022年10月17日。
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無人偵察機の射程は約2000kmで、ロシアは自国の軍隊が到達できなかったウクライナの領土を攻撃することができる。
イギリス国防省は10月初め、シャヘド136 は「爆薬の量が少ない」ため、「深部」への攻撃が可能な無人機を求めるロシアの要望を満たす可能性は低いと述べていた。
イランは、ウクライナでの使用の証拠があるにもかかわらず、ロシアへの武器供与を否定している。ロイターによると、イラン外務省のスポークスマンは10月17日にも否定することを繰り返した。
EUの外交政策責任者は10月17日、EU加盟国の外相が会合を開いてイランが戦争に加担している「具体的な証拠を探す」と述べ、その関与が証明されればイランに制裁を加える可能性があると警告した。
アメリカの情報当局がワシントン・ポストに語ったところによると、イランはロシアに地対地ミサイルやさらなる無人機などの武器を供与することに同意したという。
ロシアはウクライナ東部でウクライナ軍に敗れて撤退したため、かなりの兵器を失っている。ウクライナ軍は現在、この兵器の一部をロシア軍に対して使用している。
Insiderは10月15日、軍事専門家がロシアは巡航ミサイルの供給量の多くを使い果たしたと述べたことを報じた。
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)