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クリエイター会議「Adobe MAX」が3年ぶりにリアル開催、PhotoshopやIllustratorのレビュー機能などが追加

LACC

3年ぶりにロサンゼルスの現地会場でも開催される「Adobe MAX 2022」。会期は10月18日〜20日まで。

撮影:小林優多郎

Photoshopなどクリエイティブツールを展開するAdobe(アドビ)のクリエイター向け年次イベント「Adobe MAX 2022」が18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開幕した。

毎年、Adobe MAXでは多数のクリエイター向け製品のアップデートや、開発中の技術のプレビューが披露される。

2022年のテーマは「速さ、使いやすさ&スーパーパワー」「協業的なクリエイティビティ」「3Dと没入型体験の制作」の3本柱が主軸になる模様だ。

非デザイナーとのコラボ機能をPhotoshopとイラストレーターにも

レビュー用に共有

クリエイターがPhotoshopとIllustratorファイルを他者に確認してもらう方法が、非常にカンタンになる。

出典:アドビ

なかでも注目は「協業的なクリエイティビティ」と称される、各種コラボレーションの新機能だ。具体的には大きく2つのトピックに分けられる。

1点目が写真編集の「Photoshop」と、デザイナー向けツール「Illustrator」に追加される機能「レビュー用に共有(ベータ版)」だ。

例えば、PhotoshopやIllustratorが絡むデザインの現場において、古典的な方法では「PSD」や「AI」ファイルなどを何らかの方法で送付したり、職場内や社外の取引先などと共有して、作成中のデザインのプレビューをしている。

直近では、Adobeアカウントを持つ別のユーザーに対して、クラウド上の各ファイルを共同編集できる機能があるが、主流は前述のような「実ファイルをやり取りする」方法だろう。

URLの確認

URLはメールやチャットツールなどで送付し、受け取った人はブラウザーでデザインを確認・コメントなどができる。

出典:アドビ

これに対し「レビュー用に共有(ベータ版)」は、PhotoshopやIllustratorを普段使い慣れていない、それどころかアプリを使っていないユーザーにも「レビュー」を依頼できる機能だ(組版ソフトの「InDesign」では先行導入されていた)。

具体的には、クリエイターは専用のURLを取得し、レビューしてもらう相手にそのURLを送付する。

前述の共同編集機能はアドビの「クラウドドキュメント」として保存する必要があったが、「レビュー用に共有」は手元の実ファイルのレビュー用バージョンを作成する形になる。

コメントの確認

クリエイター側からは、コメントがアプリ上で確認できるため、スムーズに修正やブラッシュアップができる。

出典:アドビ

受け取った相手は、ブラウザーにそのURLを入力すれば、デザインを確認できる。コメントや範囲の指定も可能で、クリエイターはアプリ上のそのコメント等を確認できるので、スムーズに修正作業を進められる。

こうした「デザイナーと非デザイナー」との垣根を超える取り組みは、アドビがここ数年でも進めてきたことだ。

Camera to Cloud

撮影したクリップを即座にクラウドにあげて、チームで共有する「Camera to Cloud」に富士フイルムとRED Digital Cinemaのカメラが追加される。

出典:アドビ

2つ目のトピックは2021年8月に買収を発表した動画編集のコラボサービス「Frame.io(フレーム・アイオー)」に関連するものだ

今回、Frame.ioもアップデートされ、撮影現場からリアルタイムにメディアファイルをクラウド上に自動転送する「Camera to Cloud」機能を強化する。

既に2021年にスマホ向けカメラアプリ「FiLMiC Pro」などと連携し、既に200以上のカメラで同機能を実装している。

今回はさらに、カメラメーカーの富士フイルムとRED Digital Cinemaとの協業を発表した。

アドビはCamera to Cloudを「今後10年以内に標準化」していき、映画撮影などプロの現場でのコラボレーション作業を促進していく方針だ。

個別アプリも機能強化、日本語フォントも多数追加

Photoshopには、最もよく使われる機能である範囲選択をAI技術「Adobe Sensei」で強化し、より被写体を簡単に選べる機能などが追加されている。

出典:アドビ、動画編集:小林優多郎

その他は主に個別のプロダクトの細かなアップデートだ。いずれも既存の機能の向上やPhotoshopなどの「iPad版」の機能追加が多い印象がある。

また、日本向けにはフォントサービスの「Adobe Fonts」の21のフォントの追加も発表されている(累計で日本語フォントは600以上になった)。

代表的な新機能や機能強化は以下の通り。アップデートは「Creative Cloud」アプリを通して順次配信される。

Adobe Substance 3D Modeler

2021年に発表されたVR機器で3Dモデルを直感的に制作する「Adobe Substance 3D Modeler」がベータが外れて、正式版としてリリースされた。

出典:アドビ

Illustrator

Illustratorでは、「クロスと重なり」機能により前後関係が複雑なデザインがつくりやすくなる。

出典:アドビ

Lightroom

写真現像アプリのLightroomでは、Photoshopと同じ人物の選択や「コンテンツに応じた削除」が利用できるようになり、不要な人や物を隠しやすくなる。

出典:アドビ

アドビ40周年でリアルイベントがゆっくりと復活

LACCの中

2022年12月にアドビは設立40年を迎える。

撮影:小林優多郎

2022年はアドビ40周年の節目にあたる。また、2020年と2021年はパンデミックの影響でMAXは「完全オンライン開催」になっていた。

今回は同社初のハイブリット開催となり、会場になるロサンゼルスコンベンションセンターと近隣の「Microsoft Theater」「Crypto.com Arena」に人が集まっている。

とはいえ、全盛期とは異なり人数はかなり絞られている。そんな中では特に「コラボレーション機能の強化」は、クリエイターとその周りで働く人々にとって必要性に迫られた機能に感じる。

(文・小林優多郎、取材協力・アドビ )

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