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- ブルームバーグ・エコノミクスは、アメリカ経済が1年以内にリセッション(景気後退)に入る可能性が100%だと発表した。
- 金融引き締め政策、インフレ、地政学的緊張の高まりが経済を圧迫していることが理由だ。
- バイデン政権は、11月に行われる中間選挙を前にして、高まる警告を軽視している。
ブルームバーグ・エコノミクス(Bloomberg Economics)の統計分析によると、アメリカ経済が12カ月以内に景気後退に転じる確率は100%であることがわかった。
2023年10月までに、持続的で深刻な景気後退がアメリカを襲うことは、ほぼ確実だという。前回の分析では同時期に景気後退が起こる確率は65%で、圧力が高まっていることを示している。
この予測は、40年来の高水準にあるインフレ、大幅な利上げ、地政学的緊張の高まりが相まって、経済が圧迫されていることを意味している。
ビル・アックマン(Bill Ackman)などの有力投資家は、金利上昇が住宅ローンに与える影響などを指摘し、2023年の景気後退に警鐘を鳴らしている(ただし、確実に後退すると言う人物はいない)。
しかし、バイデン政権は11月に行われる重要な中間選挙に向けて、暗い警告を控えめにし、明るいトーンを打ち出そうとしている。ジョー・バイデン大統領は、経済がうまく回っていることを示してアメリカ人に安心させたいと考えているようだ。
バイデン大統領は週末の選挙戦で「アメリカ経済は非常に強い(The economy is strong as hell)」と述べたとメディアは報じている。
投資家は、高騰するインフレを抑えるために連邦準備制度理事会(FRB)が行っている一連の積極的な利上げが経済に大きな打撃を与えないかを注視している。FRBは基準金利を3%から3.25%の範囲に引き上げ、さらなる利上げを示唆している。
13のマクロ経済・金融指標を使用したブルームバーグの景気後退確率モデルによると、景気後退が短期間で発生する確率が高まっている。11カ月以内に景気後退が起こる確率は73%、10カ月以内では25%だ。
[原文:The US has a 100% chance of tipping into recession within 12 months, a statistical model shows]
(翻訳・編集:Toshihiko Inoue)