お菓子であふれるジャック・オー・ランタンのバケツ。
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- ハロウィンのお菓子には、長い歴史を持つ魅力的なものがたくさんある。
- その中には、サーカス・ピーナッツとキャンディ・コーンのように1世紀以上前までさかのぼることができるものもある。
- インフレの影響で、2022年のハロウィン・シーズンは、お菓子の値段が高くなる可能性があるという。
ハロウィンは、アメリカで「トリック・オア・トリート(いたずらかお菓子か)」の季節として知られている。毎年10月の最終日に、アメリカ中の子どもたちがお化けや魔女などの仮装をし、一軒一軒、近所の家を回ってお菓子を集める風習が有名だ。
だが、2022年、ザ・ハーシー・カンパニー(The Hershey Company)などの菓子メーカーは、供給と労働の問題から菓子不足の可能性に警鐘を鳴らしている。さらにインフレの影響で砂糖菓子類の値段も跳ね上がるとNPRは報じている。しかし、それでも子どもたちは楽しい「トリック・オア・トリート」の欲求を抑えることはできないだろう。
では、このホリデーシーズンに人気のお菓子の数々はどのように生まれたのだろうか。Insiderはハロウィンにちなんだ定番のお菓子の起源を調べてみた。
キャンディ・コーン(Candy corn)
キャンディ・コーン。
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もともとキャンディ・コーンは、20世紀初頭に「チキン・フィード(Chicken Feed)」という名で通年販売されているお菓子だった。
キャンディ・コーンは長く存在しているにもかかわらず、アメリカでは意見が分かれるお菓子でもある。2017年のマッシャブル(Mashable)の調査によると、このお菓子はアメリカの21の州で「最も嫌われているお菓子」であることが判明している。しかしこの結果に反対する人も多いかもしれない。全米菓子協会(The National Confectioners Association)によると、キャンディ・コーンはチョコレートに次いで2番目に人気の高いハロウィンのお菓子で、グミよりも人気があるという。
サーカス・ピーナッツ(Circus peanuts)
サーカス・ピーナッツ。
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サーカス・ピーナッツは落花生の形をしたマシュマロキャンディで、本物のピーナッツを使ったお菓子ではない。1941年からサーカス・ピーナッツを製造するスパングラー・キャンディ・カンパニー(Spangler Candy Company)では、おなじみのバナナのほか、バニラ、チェリー、レモンのフレーバーのサーカス・ピーナッツを販売している。
サーカス・ピーナッツの起源は、キャンディ・コーンや炭酸飲料のボトルのキャップをモチーフにしたボトル・キャップス(Bottle Caps)と同じく、1800年代に登場したレトロな量り売りキャンディのひとつだとイーター(Eater)は報じている。
戦時中にも使われており、「砂糖が配給制だった第二次世界大戦中に、サーカス・ピーナッツのスラリー(ドロっとした液体状のもの)が瓶に詰められて砂糖の代用品として販売されたほどすごいものだった」と製造元のスパングラー・キャンディ・カンパニーのウェブサイトに書かれている。
ポップコーン・ボール(Popcorn balls)
ポップコーン・ボール。
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ポップコーン。ボールもハロウィンにちなんだ昔ながらのお菓子だ。
その起源は遠く1861年までさかのぼると言われている。ポップコーン業界サイトの「Popcorn.org」によると、ポップコーン・ボールは19世紀後半から20世紀初頭にかけてのハロウィンで「最も人気のある菓子のひとつで、贈り物としてよく使われていた」といい、ハロウィンだけでなく、クリスマスやイースターなど他のホリデーシーズンでも人気のお菓子だったという。
同サイトには「ポップコーンは安価なので、クリスマスの飾り付けや料理、贈り物に最適だった」と書かれている。
リーセス・ピーナッツ・バター・カップ(Reese's Peanut Butter Cups)
リーセス・ピーナッツ・バター・カップ。
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キャンディストア・ドットコム(Candystore.com)のランキングによると、リーセス・ピーナッツ・バター・カップは、2022年にアメリカで最も人気のあるハロウィンのお菓子になりそうだという。リーセス・ピーナッツ・バター・カップはチョコレートとピーナッツバターのお菓子で、その歴史は約100年前に遡る。
リーセスのウェブサイトによると、1920年代、ザ・ハーシー・カンパニーにH.B.リース(H.B. Reese)という男性が働いていたという。リースは暇さえあれば新しいお菓子を考え、試作していた。1928年、彼は自分の名前をつけたピーナッツ・バター・カップを考案し、このお菓子は瞬く間に大ヒットとなった。リースは自分の会社を立ち上げ、チョコレートを提供してくれるハーシーと一緒に仕事を続けた。数十年後の1963年、彼の息子たちは元の雇い主であるザ・ハーシー・カンパニーに事業を売却した。
キャンディ・アップル(Candy apples)
キャンディ・アップル。
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フードアンドワイン(Food&Wine)誌のサイトによると、ハロウィンや移動アミューズメント・パークの定番のお菓子であるキャンディ・アップル(りんご飴)は偶然の産物なのだという。ウィリアム・W・コルブ(William W. Kolb)というキャンディ職人が、1908年にシナモン風味の赤いキャンディを売り込むため、数個のリンゴにキャンディ(飴)をかけたのが始まりだ。しかしある時、リンゴだけを売ってしまったところ、それ自体でも人気があることに気付き、キャンディだけに労力を投じるのではなく、キャンディをかけた甘いリンゴにこだわるようになったのだという。
[原文:Inside the history of 5 classic Halloween treats]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)