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投資初心者なら知っておきたい、「オルタナティブ投資」の魅力とリスク。5つの主要分野とそれぞれの特徴とは?

アンティーク家具のイメージ画像

アンティーク家具、収集品、近代建築物、農産物、さらには天然資源にいたるまで、一般的な金融資産に含まれない投資対象のすべてがオルタナティブ投資とみなされる。

Andreas von Einsiedel/Getty Images

  • オルタナティブ投資とは、従来の公開取引資産(株式、債券、現金)以外の金融資産のことである。
  • 最も一般的なオルタナティブ投資には、不動産、収集品、コモディティ(商品)、未公開株式、デリバティブ(金融派生商品)が数えられる。
  • オルタナティブ投資を通じてポートフォリオを多様化することで、株式への依存を是正できるが、多くのオルタナティブ投資には「流動性が低い」「規制がない」「価格が明確ではない」という側面もある。

幅広い投資を行い、資産をまんべんなく振り分けたいと考えるなら、4つの受け皿が必要になる。現金、株式、債券、そして「その他すべて」の4つだ。この4つ目の受け皿を総じて「オルタナティブ投資」と呼ぶことができる。その内容には少し不透明な部分もあるが、オルタナティブ投資は賢明な投資家にとっても有益な点が多い。

始める際の資金的な壁は高いが、オルタナティブ投資はほかのどの投資形態よりもポートフォリオを多様化してくれる。不動産、商品市場、アート市場などといった分野はどれも、株や債券などの金融市場が低迷している際のヘッジとして機能する。

しかし、オルタナティブ投資の大部分は規制されていないため、事前にリスクと利益についてよく知っておくことが重要だ。

オルタナティブ投資オプションの比較

オルタナティブ投資とは?

オルタナティブ投資という用語はとても包括的であるため、それが何を意味しているかよりも、そこに何が含まれて「いない」かを定義するほうが手っ取り早い。

このグループには、上記の現金、株式、債券、それらを保有する投資信託証券や上場投資証券(ETF)、つまり一般に伝統的投資と呼ばれる従来型の投資形態に当てはまらないものがすべて含まれる。

貴重なワイン、アート作品、オフィスビルなど、有形の物品である場合もあるし、、あるいは未公開事業の所有権などといった無形の資産である場合もある。

従来の投資にはなくて、オルタナティブ投資のほとんどに共通する項目として、米国証券取引委員会(SEC)の規制を受けていないという点を挙げることができる。

従来の投資が厳格な開示義務や詐欺行為に対する保護策を通じて規制されている一方で、オルタナティブ投資では投資家自身が責任を負うことになる。アート作品を購入したあとになって、それが偽物だとわかった場合、販売者を探し当てられなければ、買った本人の損失となる。

そうした難点があることや、多くの場合に共通する最低投資額の高さから、これまでのところ、オルタナティブ投資を行うのは資金と収入に富み、しかも複雑な金融資産を扱うことに長けた投資家と相場が決まっていた。

しかし最近では、おもに投資信託を通じて、オルタナティブ投資は平均的な投資家にも手が届くようになりつつある。したがって、オルタナティブ投資の主要分野とそれらの特徴を最低限理解しておくことの重要度が増してきた。

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オルタナティブ投資は、株式や債券などの伝統的な「紙」の資産や現金とは対照的なものである。

Yuqing Liu/Business Insider

ポートフォリオを多様化する5種類のオルタナティブ投資

1.コモディティ

何:コモディティ(商品)とは市場で取引される素材および天然資源である。穀物、石油、金、牛肉、天然ガスなどのことで、それらを直接所有することも、株の形で保有することもできる。

仕組み:紙資産(株式と債券市場)が上昇か下降を示すと、通常コモディティはその逆方向へ動くため、インフレに対するヘッジとして人気が高い。たとえば、ポートフォリオの5~10%を金に投資するよう勧める専門家は少なくない。市場が低迷すると、金相場が急騰し、損失に対するクッションになるからだ。

特定コモディティの株に投資した場合は、価格の上昇時に配当金を得ることになる。自分で直接所有している場合は——これを純粋な投資とみなす人もいる——販売を通じてのみ利益が得られる。

知っておくべきこと:コモディティ価格は需要と供給によって決まるため、非常に変動しやすい。経験豊かなトレーダーはコモディティ自体の株に投資するのではなく、先物契約(指定した期間内において特定の価格で売りか買いを行う契約)を売買することが多い。基本的に、価格が上がるか下がるかを予想し、その予想が当たったときに利益が生じる。投資初心者が参入するのはとても難しい。

コモディティ取引を直接始めるのではなく、興味のあるコモディティを追跡あるいは反映する株を探すのが賢明だろう。たとえば、金そのものよりも、金採掘業者の株を買うほうが簡単だ。ただし、その価格は金相場と並行して上下することが多い。

2. 収集品

何:収集品と定義できる対象の数は、事実上無限だ。人は、あらゆるものを大切だと感じ、探し求め、蓄える。しかし一般的には個人が所有できる有形物が対象となり、人は集める行為を楽しむのではあるが、同時にそれらの価値が時間とともに上がることも望む。

アンティークの宝石から縞模様の布まで、あらゆるものが収集品になる。最も一般的な例は、芸術作品や(ジュエリーも含む)装飾品、硬貨や切手、ビンテージ・カーなどの乗り物、貴重な本、すばらしいワインなどだろう。

仕組み:古さと希少性、コレクションの完全さ、オリジナルに近い保存状態のよさなどが、収集品の価値を決める。しかし、対象物が何であれ、あるいはその状態がどうであれ、基本的には売る以外に——それを担保にして借金をすることは可能かもしれないが——換金する方法はない。

どれほどの利益が得られるかは、対象物に対して所有者と同じぐらい高い価値を見いだしている人物を探し出せるかどうかにかかっている。それは簡単なことではない。

知っておくべきこと:収集品は公開取引所で売買されないため、価格は不透明で、市場価値を決める公的な仕組みも存在しない。実際のところ、オークション結果を除けば、価格が公表されることはない。ディーラーの多くは価格を秘密にしている。

つまり、あるアイテムが時間とともに価値を上げるのか、あるいは下げるのかを、データをもとに判断することはできない。収集品にも流行廃りがある。したがって、ブームに乗らないように心がけよう。ブームが長続きすることはめったにない。その最たる例はビーニーベイビー(Beanie Babies)だろう。

また、テレビ番組『アンティーク・ロードショー(Antiques Roadshow)』を見れば、何かを集めるときには専門家に意見を求めることが重要だとわかるだろう。所有物があなたにとってどれほど貴重でも、その心情的価値が金銭的な価値に直結する保証はない。自分が何を持っているのかをしっかりと確認し、それを証明する文書を手に入れよう。買い手を見つけるとき、専門家の意見と証明書が役に立つはずだ。

3. 不動産

何:おそらく最もよく知られているオルタナティブ投資の形が不動産だろう。利益目的で所有する土地や建物のことだ。アパートメントも、ショッピングセンターも、農地も、都市部の土地区画も、不動産に含まれる。

建物は転売や賃貸のように、純粋に利益目的の場合もあるが、必ずしもそうでなければならないわけではない。持ち家があり、あるいはある家屋を借りた上で、その一部を又貸ししている場合でも、自分で気づいているかどうかは別として、あなたはすでに不動産投資家なのである。

仕組み:不動産投資には利益を生む方法が3つある。賃貸収入、資産価値の上昇、そして最も珍しいのが、所有する土地で見つかった何か(鉱物や石油)に対してロイヤリティーを得ることだ。

知っておくべきこと:3つの収益化方法で最も信頼でき、容易なのが賃貸だ。不動産を売って利益を上げる方法もよく用いられるが、価格上昇から多くの利益を得るには、不動産市場の動向を慎重に見極める必要がある。

建物の価値は周辺の開発、所有者による手入れ、場所の人気の高まりなどにより上昇する。しかし、トレンドが逆を向けば、価値はあっさりと下がり、不動産は市場で低迷し、場合によっては損益につながるだろう。多くの場合——2008年の住宅危機からも明らかなように——適切なタイミングで適切な場所にいることが重要になる。

不動産投資を広げすぎないように注意すること。住宅ローンを組んだり、地主になったりせずにポートフォリオを多様にすることが目的なら、不動産を直接所有する必要はない。その場合は、不動産投資信託(REIT)が適している。REITを利用すれば、公開取引の形で——したがって、より流動的に——不動産投資に携わることができる。

4. 未公開株式投資(プライベート・エクイティ)

何:未公開株式投資とは、非公開の企業や合資事業に対して、その将来性を買うために、あるいは組織再編戦術の一環としてその会社に変更を促したのちに転売して利益を得るために、資本を投じることを指す。

仕組み:どの会社も、現金の注入が有益である場面に何度も遭遇する。そんな場面に関与するのがプライベート・エクイティ会社の目的だ。

まだ高リスクな初期段階にある会社の一部を購入する(エンジェル投資)、拡大やリストラを支援する(ベンチャーキャピタル)、成熟した会社を買い上げる、などの形がある。所有権を得たプライベート・エクイティ会社は、自らの専門知識を用いて対象企業またはその部門の再構築や再建を行ったのち、株式転売または上場を通じて、投資の回収を目指す。

知っておくべきこと:膨大な資本が必要になるため、通常は普通の投資家にこのような投資を行う機会は巡ってこない。プライベート・エクイティ企業の最低投資額は、例外的に25万ドル(約3720万円)程度の低さであるケースもあるが、通常は2500万ドル(約37.2億円)である。

そのため——最近ではファンド・オブ・ファンズ(ヘッジファンドや投資信託会社に投資するプール型ファンド)や非公開で取引される会社を追跡するEFTなどのような、一般人にも手が出せるオプションも存在するとは言え——ほとんどの個人には手が届かない。ファンド・オブ・ファンズやEFTの場合、最低投資額ははるかに低くなる。クラウドファンディングの世界もまた、非公開取引における最低投資額を引き下げた。

5. デリバティブ(金融派生商品)

何:特定資産の価値変動に関する予想にもとづいて2者もしくはそれ以上の当事者間で取り交わされる契約のことをデリバティブと呼ぶ。最も一般的な例として「オプション取引」を挙げることができる。リスク管理、純粋な投機、あるいはレバレッジの目的で、デリバティブが利用される。

仕組み:基本的に、価格を固定し、その両サイドに各当事者を配置する方法と定義できる。もし価格設定であなたのサイドが勝てば、あなたが利益を得る。たとえば、今が4月で、農業を営むあなたは10月に小麦を売りたいと願っていると想定してみよう。この場合、あなたは1ブッシェル(約36リットル)5ドルの価格で小麦を売る、いわゆる先物契約を買うことができる。もし、10月に小麦価格が7ドルに上がったら、その契約が失効するのを待ち、新しい価格で売るほうが賢明だ。しかし、逆に4ドルに下がったら、契約どおりに取引するか、4ドルで売るかのどちらかになる。

知っておくべきこと:上の描写は、デリバティブの根本的な考え方を示しているだけで、実際の資産の売買がそのとおりに機能することはめったにない。現実では、より投機的な取引が行われる。生産者が収入を確保するために穀物の収穫量を保証するのではなく、トレーダーが自らのポートフォリオをヘッジするためにデリバティブを利用するようになった。

この距離感により、デリバティブは市場の動向に敏感に反応するようになり、結果として、資産そのものの実勢価格とは無関係な変動を見せるようになった。したがって、あなたが買おうとするデリバティブの価格が急騰することや、売ろうとするものの価格が急落することがあるため、結果として流動性が驚くほど低くなる場合がある。

まとめ

オルタナティブ投資には魅力的な利点——ポートフォリオの多様化、従来型金融資産に対する偏りの改善——があるが、同時に欠点もある。資金的には手の届くところにあるとしても、流動性と透明性の低さがリスクとなる。

上記投資方法のいずれかを実行することは、規制も、価格設定のルールもない不明瞭な領域に足を踏み入れることを意味する。熟練した投資家にとっては、そのような環境で多大な利益を上げるのは可能だろう。しかしオルタナティブ投資が引き起こすやっかいな問題の数々に対処するには、鋭い感覚と、屈強な胃と、尽きることのない忍耐力が欠かせない。

それがなければ、そして山ほどの幸運がなければ、オルタナティブ投資は投資初心者にとってはあまりにリスクが高いだろう。(オルタナティブ投資に対する)オルタナティブ(代替)として、個別株や、あるいはオルタナティブ資産クラスに投資するファンドなど、公的に取引されている投資方法を検討するのがいい。

そうすることで、あなたは片足を伝統的な投資という陸地に置くことができ、多くの場合で、それほど多くの資金を費やす必要もない。すべてうまくいけば、もっと直接的にオルタナティブ投資に携わる時間ができるだろう。

[原文:5 alternative investments that can diversify your portfolio beyond stocks, bonds, and cash

(翻訳・長谷川圭/LIBER、編集・長田真)

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