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調査:働き手の「燃え尽き症候群」がグローバル調査で40%に…労働環境の変化が関係か

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英語版のグラフをもとに、編集部で日本語化加工しています。

出所:Future Forum

パンデミック後の労働環境は、働き手の意欲にどのような影響を与えているのか?

このほど、調査で燃え尽き症候群に陥っている労働者が全世界で40%に達し、5月から8%上昇したことがわかった。レポートでは、「燃え尽き症候群は、従業員の経験の低下、つながりの欠如、離職率の上昇と密接に関連している」と言及。パンデミック後の労働環境の変化が、こうした燃え尽き症候群の増加に影響している可能性がある。

最も顕著なのはアメリカで、デスクワーカーの43%が燃え尽きを感じている。

Slackが支援するコンソーシアム「Future Forum」が発表した「リモートでの従業員体験レポート」(2022年10月20日)によると、経営層に関しては、過去1年間で仕事上のストレスや不安が40%増加するなど、体験スコアが過去最低になった。また、経営層のワークライフバランスは2021年比で20%、仕事に対する満足度は15%低下した。

調査対象:アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、オーストラリアのナレッジワーカー(知識労働者)10,000 人以上。

調査期間:2022年8月

出所:Future Forum

「燃え尽き症候群」で生産性はどう悪化するか

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女性は男性より32%多く燃え尽き症候群であると回答している

出所:Shutterstock

「燃え尽き」は労働者の生産性にどんな影響を与えるのか。

調査では、燃え尽き症候群の従業員は、そうでない従業員に比べ、仕事上のストレスや不安が22倍になっているとレポートしている。また、燃え尽き症候群の従業員は生産性が32%低下し、集中力が60%低下しているとする。

女性と若年労働者はより高いリスクを抱えているとも、レポートでは指摘している。女性は男性より32%多く「燃え尽き症候群である」と回答し、18歳から29歳の半数近く(49%)が燃え尽きを感じているとも。

一方で、テレワークワーク(リモートワーク)など柔軟性のある環境で働く労働者は生産性が高いことも明らかになった。リモートやハイブリッド環境で働く柔軟性の高い回答者は、オフィス勤務者よりも生産性スコアが4%高い。

また、スケジュールを自由に変更できる従業員は、スケジュールを自由に変更できない労働者よりも生産性が29%高い。働く時間や場所に柔軟性を持つ、このような「フレキシブルワーカー」は、オフィス勤務者と比較して、過去2年間で企業文化が向上したと回答する確率が52%高くなった。

テレワークのメリットを政府も発表

テレワークが労働者の幸福度を上げることは、日本政府の統計でも表れている。

政府は10月21日、「令和4年版 過労死等防止対策白書」を公表。白書では、コロナ禍で広まったテレワークに関する調査結果を報告。テレワークの頻度が高いほど睡眠時間が長く、出社との適度な組み合わせで幸福感が得られるとの分析を示した。

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テレワークと出社との組み合わせが最も幸福度が高い

出所:厚生労働省「令和4年版 過労死等防止対策白書」

1万人を対象にした調査で、「1日平均の睡眠時間が6時間以上」と答えた割合は、テレワークを毎日行っている人が66%で最多だった。テレワークの実施頻度別に1日の平均的な睡眠時間をみると、テレワークの頻度が高くなるにつれて睡眠時間が6時間未満の者の割合は減少する傾向がみられた。

また、テレワークの実施頻度が高くなるにつれてうつ傾向・不安のない者の割合がおおむね増加する傾向があったという。

自分が幸せだと感じる「主観的幸福感」は、テレワークを「週2~3日程度」「週1日程度」の頻度で行う方が、「一度もしていない」「毎日」より得られるとの結果も示された。

(文・杉本健太郎)

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