- NASAの探査機「ルーシー」のカメラが地球と月を同時にとらえた。これはとても珍しい写真だ。
- 写真は、地球と月の間にある広大な空間を示している。地球が30個分も入るほどの距離だ。
- 月は暗く小さいが、見えるだろうか。見つけるためのヒントも紹介しよう。
この写真には、地球と月が写っている。地球は右端にはっきりと見えるが、月はやや見つけにくい。見えるだろうか。
これはうそではなく、月は写っている。木星近くの小惑星を探索するミッションを与えられたNASAの探査機「ルーシー(Lucy)」は、10月13日にこの写真を撮影した。地球と月をこのような視点でとらえる探査機はあまりない。
月と地球の距離は変化するが、平均で38万4400kmだ。宇宙空間の中では、それほど遠くはないが、その間には地球が30個入る。そのため、アポロの宇宙飛行士は月にたどり着くまで3日もかかった。NASAの新しい月探査ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」は25日かけて、月まで行き、Uターンして戻ってくる予定だ。つまり、かなり遠いということだ。
下の写真で、月が見えるだろうか。写真の左側にある。
The Atlanticの宇宙担当記者のマリーナ・コリア(Marina Koren)も、月を探すのに苦労した。
「見えたと思うたび、画面のほこりを拭いている。どこにあるのだろうか」と、彼女はツイッターに投稿した。
月はここにある。
NASA/Goddard/SwRI
まだ見えないのなら、明るさを上げてみよう。
NASA/Goddard/SwRI
月がいかに遠いということだ。
探査機ルーシーは木星に速度を得るために地球でスイングバイし、太陽系の外側に向けて飛び出していった。ルーシーが約143万km離れたところからこれらの写真を撮ったのは、カメラなどの機器を調整するためだった。
[原文:A mind-boggling photo from NASA's Lucy probe shows how far the moon is from Earth. Can you spot it?]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)