ジープのEVコンセプトカー、CJサージ。
Stellantis
- ジープのEVコンセプトカー「CJサージ」は、未来の電気自動車用DIYキットを予見させるものだ。
- ジープの親会社であるステランティスは、クラシックなジープをEV化したい愛好家たちのためにキットを作ろうとしている。
- CJサージは268馬力の四輪駆動車だ。
クラシックカーのEV化が一大ビジネスになりつつある。ジープ(Jeep)は今、その流れに乗りたいと考えている。
ジープの親会社のステランティス(Stellantis)は、ラスベガスで行われた自動車用品工業会主催の見本市、SEMAショー(Specialty Equipment Market Association Show)に、クラシックなジープCJのバッテリー駆動版を出展した。このCJサージ(CJ Surge)のコンセプトは、クラシカルなビジュアルを近代テクノロジーと融合させる、ビンテージ・ジープEV化の可能性を示している。
ジープのEVコンセプト、CJサージ。
Stellantis
ステランティスは10月31日の記者会見で、愛好家たちが「クラッシックカーや現代の車、トラックをゼロエミッション車にカスタム」できるEVモーター・キットの販売を考えていると述べた。同社のパーツ・アクセサリー部門であるモパー(Mopar)によるこのCJプロジェクトは、エンジニアやデザイナーに、このキットがどのようなもので、また、どのようにあるべきかをより理解してもらうことが目的だという。
ジープのEVコンセプト、CJサージ。
Stellantis
ジープの人気車種、ラングラー(Wrangler)の前身であるCJは1944年から1986年の間、生産されていた。コンセプトカーのCJサージはその4WDの名車を21世紀に蘇らせたものだ。
4輪を動かす200キロワット(268馬力)の電動モーターを搭載し、24個のリチウムイオン・バッテリー・モジュールはリアのカスタム・シェルに納められている。2段変速である点は、EVとしては珍しい。
ジープのEVコンセプト、CJサージ。
Stellantis
車内には、ロータリー式のギアセレクターとバッテリー残量を示すメーターが見られる。ステランティスは推定航続距離を明らかにしていない。
ジープのEVコンセプト、CJサージ。
Stellantis
何年も前から愛好家たちは、ビンテージカーを近代化するために汚れたガスエンジンは取り払われ、きれいで静かな電動のパワートレインを搭載してきた。彼らは主に、古くなったテスラ(Tesla)のモーターやバッテリーを使うことが多い。
今や世界中の自動車メーカーがラインナップのEV化に取り組んでおり、EVへの改造も収益源になると捉えている。2021年には、フォード(Ford)が、DIYでEV化するための電気モーター、エルミネーター(Eluminator)を発売している。ゼネラルモーターズ(General Motors)も自社ブランドのシボレー・パフォーマンス(Chevrolet Performance)向けに同様の製品を開発中だ。
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)