予備役の準備状況を視察するロシアのプーチン大統領。2022年10月20日、ロシア・リャザン州で撮影。
Russian Defence Ministry/Handout via REUTERS
- ロシアは動員された兵士への報酬の支払いに苦慮しており、抗議行動につながっている。
- ロシアの独立系ニュースサイト「ザ・インサイダー」が報じたところによると、100人以上がロシアのウリヤノフスク州の訓練センターでストライキを行ったという。
- 兵士たちは、約束された報酬が支払われるまで、前線に行くことを拒否しているという。
複数の報道によると、ロシアの訓練センターで、100人以上の兵士たちが約束の報酬が支払われていないことを理由にストライキに入ったという。
ロシアの独立系ニュースサイト「ザ・インサイダー(The Insider)」が2022年11月2日に報じたところによると、ロシア南部のウリヤノフスク州に駐留している招集兵たちは、約束の19万5000ルーブル(約46万5900円)を受け取るまでウクライナで戦うことを拒否しているという。
「我々は、ロシアの安全と平和な生活のために自らの命を危険にさらし、死んでいる!」と兵士たちが声明に書いているとザ・インサイダーは報じている。
彼らは「我々は特別軍事作戦への参加を拒否し、ロシアの大統領が率いる政府が約束した金が支払われるまで、正義を求め続ける!」と付け加えている。
※「ザ・インサイダー」はロシアの報道機関であり、Insiderとは関係はない。
また徴兵された人々の一部は訓練への参加を拒否し、訓練センターは武器庫を閉鎖したと「モスクワ・タイムズ(The Moscow Times)」と、ロシアの独立系ニュースメディア「ソタ(Sota)」は2022年11月2日に報じている。
「ザ・インサイダー」と「モスクワ・タイムズ」がテレグラム(Telegram)で公開したビデオには、「一人は皆のために、皆は一人のために!」 と男たちが叫びながら抗議する様子が映っている。
Insiderはこれらの報道をすべて独自に確認することはできなかった。
ワシントンにあるシンクタンク、戦争研究所(The Institute for the Study of War)の2022年11月2日の発表によると、ロシア当局は志願兵や動員された男性に、全国平均の2倍以上の給与を約束しているという。
ある金融の専門家は、動員された男性への支払いで、ロシア政府は今後6カ月間で9000億ルーブルから3兆ルーブル(約2兆1283億円から7兆945億円)ほど負担が大きくなる可能があるとロイター(Reuters)に対して語っている。
しかし、ヨーロッパやアメリカの制裁や、動員費用でますます厳しい予算に直面するロシア政府にとって、これは厳しい金額だとロイターは報じている。
BBCロシア(BBC Russia)によると、ロシア当局は2022年6月には兵士の給与を月額24万7700ルーブル(約58万5770円)に引き上げ、飛行機や戦車を破壊した場合のボーナスも加えたという。
(翻訳:大場真由子、編集:)