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「非常事態は必ず起こる」。生活防衛資金で、困難に立ち向かおう

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生活費の3カ月分から6カ月分ほどを生活防衛資金として貯めておくべきだと多くの専門家は言う。だが、実際はもっと多くを貯金しておくべき人もいる。

metamorworks/Shutterstock

  • 生活防衛資金は予想外の高額な出費を賄うために役に立ち、失業した場合にあなたを守ってくれる。
  • 生活費の3カ月分から6カ月分を生活防衛資金として貯めておくべきだと多くの専門家は推奨するが、もっと多くを必要とする人もいる。
  • 生活防衛資金を用意していないと、高額なローンを組んだり、クレジットカードで借金したりせざるを得なくなる。

生活防衛資金として現金を用意しておくことは非常に重要だ。生活防衛資金がなければ、突然の医療費や失業、あるいはその他予想外の変化が起きた場合に、家計が打撃を受けてしまう。何とか暮らしていくために、高額なローンを組んだり、クレジットカードで借金したりせざるを得なくなるかもしれない。

残念ながら、そういう状況に陥ることは意外とよくある。連邦準備制度によると、予期せぬ出費として400ドル(約5万9000円)を現金で負担できるのは、アメリカ人の約3分の2にすぎない。

あなたは嵐をうまく切り抜けるための十分な生活防衛資金を用意しているだろうか? 用意していないのなら、知っておくべきことを以下に紹介しよう。

生活防衛資金とは何か

生活防衛資金とは、予想外の出費(例えば家の修繕や医療費など)に備えて用意しておく貯金のことだ。

「文字どおり、緊急時に利用できるように用意しておく予備のお金のことだ」とジェームス・インベストメント・リサーチ(James Investment Research)のCFP®プロフェッショナルであるアシュリー・ワルトン氏は言う。

「自動車や給湯器の修理のような予期せぬ出費や、突然の失業や病気・ケガといった緊急時の支払いのために、ほかのお金が利用できなければ、こうした生活防衛資金を充てることができる」

予期せぬ出費が生じた場合、生活防衛資金があれば金銭的なストレスは和らぐ。また、借金をしたり、悲惨な場合には支払いがまったく不可能になったりといった望ましくない結果を避けるためにも、予備費は役に立つ。

生活防衛資金を用意していなければ、「借金のために高額な手数料を支払ったり、支払いができずに自宅や自動車などの資産を失う可能性だってある」と、ワルトン氏は説明する。

生活防衛資金を何のために利用するか

生活防衛資金は、支払わなければいけない予定外の出費のために利用するべきだ。例えば、住宅ローンや自動車の支払い、あるいはそれらと同じくらい重要な出費がこれに当たる。生活防衛資金に手をつけるのは、失業したときや何らかの原因で収入が途絶えたときのように、どうしても必要な場合だけに留めなければならない。

「欲求のためではなく、必要のためだけに生活防衛資金を利用すべきだ」とミシシッピ州を拠点とする登録投資顧問会社リブ・ラーン・プラン(Live, Learn, Plan)の創設者であり、CFP®プロフェッショナルのジェイ・ジグモント氏は言う。

「必要というのは、支払わなければいけない、やらなければいけないということを意味する。自宅の屋根の修理などがそれに当たるだろう。一方、キッチンのリフォームは、必要ではなく欲求だ。自動車のタイヤがすり減ったので新しいタイヤを購入するのは必要だが、新しい自動車は欲求といえる」

十分な生活防衛資金を持つことは経済の先行きが不透明な時期にも重要だと、ジグモント氏は言う。近頃は、インフレにパンデミック、それに仕事上のさまざまな経済的要因が重なり、現金の用意がいつ役に立つとも限らない。

「過去2年間の状況から言えるのは、非常事態は必ず起こるということだ」とジグモント氏は言う。

「非常事態は多くの場合、私たちがコントロールできるものではなく、単に職を失うだけでもない。重要なのは、日常生活の中で困難に襲われた場合に対する備えを持つことだ」

生活防衛資金としていくら用意するべきか

一般に、資金管理の専門家の多くは、生活費の少なくとも3〜6カ月分を生活防衛資金として用意しておくべきだと推奨する。これぐらいあれば、失業したり、働く能力に影響を与えるような健康状態の変化に突然見舞われたり、あるいは資金繰りに悪影響を及ぼすその他不測の事態に陥った場合にも、2〜3カ月の間は必要最低限の出費を賄うことができる。

だが、生活費の3〜6カ月分というのは、全員が守るべきルールというわけではない。それ以上の金額を用意するべき人もいる。あなたが実際いくら貯金しておくべきかを決めるためには、住宅ローンや家賃、保険料、それに水道光熱費や食費や保育料といった重要な支出を含めて、1カ月のすべての生活費を計算する必要があるだろう。

状況に応じて、特にあなたの収入が変動する場合や一つの収入源に頼っている場合は、3〜6カ月分より多い金額を貯金しておく必要があるかもしれない。近いうちに家の修繕が必要になりそうな場合や健康上の問題を抱えている場合、あるいは転職するのが特に難しい仕事の場合は、さらに追加の貯金が求められる可能性もある。

「個人の好み、雇用の安定性、短期的に多額の出費が見込まれるかによる」とストーン・ウェルス・マネジメント(Stone Wealth Management)のCFP®プロフェッショナル兼資産マネージャーであるアントニオ・トーヴァー氏は言う。

「勤続20年の公務員と比べると、歩合制で働く不動産業者は、もっと多額の現金を用意しておいたほうが安心と感じるかもしれない。給湯器の交換を予定している場合も、普通より少し多めの現金を持っていたほうがいい」

まだ生活防衛資金を用意していないのなら、まずは少額から始めて徐々に増やしていくべきだ、と家計指導員のエイミー・マリガ氏は言う。

「多くのアメリカ人は予想外の出費に400ドルを支払うことができない。だから、生活防衛資金をゼロから用意し始める場合は、当初の貯金目標を500ドル(約7万3000円)として頑張ってみるといい」とマリガ氏は言う。

「それだけあれば、自動車の修理といった多くの一般的な緊急費用がカバーできる。この目標を達成したら、それを維持し、そこから支払うたびに支払った金額を補充するのだ。貯金を早く増やしたければ、賞与や残業代、現金の贈り物、副業から得た収入も貯金に加えればいいだろう」

ヒント:生活防衛資金を貯めるためには、給料が支払われるたびに一定額を普通預金口座に送金する口座振込の設定を検討しよう。毎月、当座預金口座からの自動振替を設定したり、手動での送金を思い出せるようにカレンダーアプリでアラートを設定したりすることも有効だ。

生活防衛資金をどこに貯蓄するべきか

生活防衛資金は流動資金でなければならない。つまり、簡単にアクセスできるべきであり、現金化が難しく時間のかかるような不動産などの投資と結びつけるべきではないという意味だ。現金で保有するという選択肢もあるものの、現金には誘惑がつきものなのでお勧めはできない。

専門家によると、最も良いのは普通預金口座だ。現金を預金している間に利息がつくものが理想的だという。

「現金と高利回りの普通預金口座の組み合わせをお勧めする」と、ジグモント氏は言う。

「緊急事態を乗り切るために、1000ドル(約14万7000円)は現金で手元に用意しておきたい」

高利回りの普通預金口座を選択する際は、普段取引している銀行とは別の銀行を選んだほうがいいと、ジグモント氏は提案する。「預金が視界に入りにくいようにして、使い込まないように小さなバリアを築くのが狙いだ」

普通預金口座の利率は銀行によって異なるため、口座を開設する前にいくつか比較・検討しよう。米国の場合、マネー・マーケット・アカウント(米国連邦政府の保険付き預金口座)が役立つ場合もある。

「マネー・マーケット・アカウントは普通預金口座よりもわずかに利率が高く、アクセスしやすい口座のため、検討してもよいだろう」とトーヴァー氏は言う。

「ただし、譲渡性預金(CD)や米国財務省証券のような短期貯蓄商品に現金を預金するのは注意してほしい。資金が必要な場合は、違約金を支払うか資金の引き出しができないかのどちらかとなり、そうすると苦境に陥るか受取金が減ることになるかもしれない。結局のところ、この手元資金は成長を期待できる口座としてみなすべきではなく、単に非常時のための資金なのだ」

ヒント:高利回りの普通預金口座を比較・検討する際には、必ず手数料やその他の要素も検討しよう。口座によっては、最低残高が必要なものがあり、また定期的に口座維持手数料や取引手数料などの費用が生じる場合もある。

生活防衛資金をいつ利用するべきか

生活防衛資金はやむを得ない場合にのみ利用するべきで、なくても支障のないもの(休暇や洋服や外食など)のために利用してはならない。

生活防衛資金の利用を迷うのなら、今は利用するべき適切な時期ではないということだろう」とワルトン氏は言う。

「ほかに妥当な選択肢がない場合にこそ、生活防衛資金を利用するべきなのだ」

[原文:An emergency fund is your first line of defense against unexpected costs and provides peace of mind

(翻訳・道本美穂/LIBER、編集・長田真)

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