メルカードが、メルカリアプリ内で発行受付を開始した。
出典:メルペイ
メルカリのスマホ決済サービス・メルペイが、予告していた新しいクレジットカード「メルカード」の提供開始を11月8日、発表した。
メルペイCPOの成澤真由美氏。
出典:メルペイ
クレジットカードの国際ブランドはJCBに対応し、年会費は無料。本日よりメルカリアプリ内で申し込みが可能になる。
また、8日の発表会に登壇したメルカリの執行役員 CEO Fintechを務める山本真人氏は「2023年春にメルカリアプリ内でビットコインを購入できるようにする」とも話した。
通常1%、メルカリでは最大4%。毎月8日は+8%還元
メルカードの特徴。
出典:メルペイ
メルカードの特徴は、「メルカリ」サービスと密接に連携している点にある。
特典はメルカリ内のポイントとして通常の買い物では原則1%、メルカリでの買い物の場合は1〜4%の還元。さらに、毎月8日は+8%還元額が増量される(増量分は最大300ポイント)。
この還元率の設定は、既存の「メルペイスマート払い」での利用でも適用される。
支払いも通常のクレジットカードのように登録している銀行口座からの自動引き落としではなく、メルカリの売上金やチャージした残高、取得したポイント、コンビニやATMで支払いが可能だ。
なお、ユーザーは20歳以上で銀行口座を登録し、eKYC(本人確認)済み、規定の審査を通過する必要がある。
また、翌月にまとめて払ういわゆる「一括払い」では手数料はかからないが、月々決めた金額だけ支払ういわゆる「リボ払い」では手数料が年率15%発生する。
メルカリでの活動を中心とした新クレカの狙い
還元や限度額の決定以外にも、さまざまな機能がメルカリアプリ内で実行できる設計。
出典:メルペイ
メルカリとの連携を強く感じるのは、還元率の幅と利用限度額がメルペイおよびメルカリの利用実績によって決定される点だろう。
すでにメルペイはメルペイスマート払いなどの上限額を、独自の与信審査等で決定しているが、今回はそれをクレジットカードに応用した形となる。
どのような行動が直接、限度額のアップなどに影響するかは公表されていないが、メルカードの利用限度額は最大50万円(メルペイスマート払いと合算)。
例えば、既存のクレジットカードだとあまり実用的ではない限度額しか使えない人でも、メルカリ・メルペイの行動・審査結果次第では、利用できる幅が広がる可能性がある。
逆に言えば、普段からメルカリ・メルペイを使用しないユーザーにとってはあまり特筆すべき特典はないように思える。
ただ、年会費無料で1%還元を受けられ、そのポイントも支払いに当てられる(ポイント付与のタイミングは利用翌月の精算時)ことを考えると「シンプルな常時実質1%引きになるカード」としての価値はある。
また、メルカリにとっては付与したポイントの利用や付随する機能の活用によって、メルカリアプリのアクティブユーザーを増やす狙いがある。
(文・小林優多郎)