「お買い物投資コレカブ」は、アプリ「Myセブン銀行」から利用できる。
撮影:長田真
- セブン銀行は11月8日、専用アプリ「Myセブン銀行」で利用できる、新サービス「お買い物投資コレカブ」の提供を開始した。
- このサービスはゲーミフィケーションされたさまざまな仕掛けによって、初心者が感じる投資への障壁を解消できる。
- ただし、あまりにシームレスに個別銘柄を購入できてしまうため、逆に注意しなくてはならない部分もありそうだ。
多くの日本人が抱えている「投資への苦手意識」を効率的に解消してくれそうだ。
セブン銀行は11月8日、同行口座保有者向けの株式取引サービス「お買い物投資コレカブ」の提供を開始。このサービスでは、ゲーミフィケーションされたさまざまな仕掛けによって、投資初心者が「お買い物感覚」で資産運用を行えるようになっている。
セブン銀行の口座保有者は、専用アプリ「Myセブン銀行」上で、誰でもシームレスに「お買い物投資コレカブ」を利用可能。なお、2022年10月末現在、セブン銀行の口座数は264万口座(預金残高5633億円)、また「Myセブン銀行」のダウンロード数は190万件に上っている。
「始める、続ける、貯める」ができる
本サービスの最大の特徴は、具体的に以下6つだ。
- 馴染みの銀行アプリから操作できる簡便性
- 1株数百円から売買できる少額取引
- 商品バーコードから関連銘柄を発見できる「バーコード検索」
- ミッションクリアでクーポンをもらえる「コレカブミッション」
- 後日入金で、まずは注文できる即時性
- 銀行口座と証券口座のシームレスな接続
セブン銀行で執行役員を務める西井健二朗氏は、「初心者が投資に感じる壁は3つある。それは、『始める』『続ける』『貯める』だ」と、同日に開催された記者発表会で語った。
「『お買い物投資コレカブ』は、初心者には敷居が高いように感じる株式取引を、お買い物ライクに行えるよう設計してある」
セブン銀行の西井健二朗氏(左)とFinatextホールディングスの林良太氏(右)。
撮影:長田真
買い物した商品のバーコードから投資へ
なかでも、「お買い物感覚」を象徴しているのが「バーコード検索」だ。これは、日々の買い物で入手した製品のバーコードから、そのメーカーの企業情報を知ることができる機能。発見した銘柄は、そのままアプリ内の図鑑にコレクションもできる——つまり、株のコレクション「コレカブ」だ。この図鑑から、そのまま実際の株を購入することもできる。
また、「コレカブミッション」では、『任意の銘柄をつみたて設定し、初めて約定する』『特定の商品のバーコードを読取る』など、サービス利用の理解を深める各種ミッションを用意。それらをクリアしていくことで、実際の株式取引に利用可能なクーポンを獲得できるという。
これらのゲーミフィケーションされた仕掛けに日々触れていくことで、投資初心者は、自然と株式取引のノウハウを身につけることができるという。
「Myセブン銀行」アプリ内における「お買い物投資コレカブ」のTOP画面
提供:株式会社スマートプラス(Finatextグループ)
最初は身銭を切らずともOK
なお「お買い物投資コレカブ」は、アプリ「Myセブン銀行」に組み込まれたサービスだが、実際の証券取引を行っているのは、本プロジェクトにおけるセブン銀行のパートナー企業、スマートプラスだ。同社はB2Bの証券ビジネスプラットフォームを提供しているフィンテック企業である。
そのためセブン銀行の口座保有者であっても、「お買い物投資コレカブ」の利用を開始するには、スマートプラスの証券口座を開設しなくてはならない。それも「Myセブン銀行」経由で行うことは可能だが、審査には通常1〜2営業日を要する。
しかし、現在この口座開設で最大5000円相当の株式購入代金がプレゼントされるキャンペーン(終了日は未定)も実施中だ。これにより、最初は身銭を切らなくても初めての投資を気軽に行うことができる。
パートナーにFinatextグループ
スマートプラスの親会社は、「金融を“サービス”として再発明する」というミッションを掲げるFinatext(フィナテキスト)グループだ。金融サービスのあるべき姿をユーザー視点から見直し、パートナー事業者とともに新しい金融サービスを開発している。
「現状、日常に寄り添った新しいサービスを提供することは、とても難しくなっている。特にアプリの業界では、新規参入が厳しい」と、Finatextホールディングスの共同創業者兼代表取締役社長CEOの林良太氏は語る。「だから、すでに190万ダウンロードの実績があるセブン銀行のアプリにコレカブを組み込んだ」
なお、「お買い物投資コレカブ」では、スマートプラス証券口座の開設さえ完了してしまえば、まさにほんの数タップで、個別銘柄の株を購入できてしまう。それぞれのチャートを確認する間もないくらいだ(チャートの閲覧機能は実装済みだが、一段深い階層に存在)。
そのため、投資の初心者であることを自認しているユーザーは、「コレカブミッション」をはじめとするアプリ内ガイダンスをしっかり読み込んで、投資の学習を進めていったほうが良いだろう。
(文・長田真)