預貯金より投資を選びたくなる誘惑は、ファイナンシャルFOMOの一種です。
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- 来年のバケーションを計画するのであれ、30年後のリタイア生活を考えるのであれ、お金をどこに投入すべきかは常に悩ましい問題だ。
- 預貯金より投資を選びたくなる誘惑は、ファイナンシャルFOMOの一種と言っていい。
- 自分のファイナンシャルゴールに基づいて、投資に回すべきか、預貯金に回すべきかを判断する方法を紹介する。
限られた予算で生活している場合でも、将来のために貯金ができるのならそれに越したことはありません。
とはいえ、緊急用資金をつくろうとしているときでさえ、「そのお金を投資に回したほうがいいのでは?」という考えが頭をよぎってしまうもの。
来年のバケーションを計画するのであれ、30年後のリタイア生活を考えるのであれ、お金をどこに投入すべきかは常に悩ましい問題です。
今回は、自分のファイナンシャルゴールに基づいて、投資に回すべきか、預貯金に回すべきかを判断する方法を紹介します。
預貯金を優先させるべきケース
預貯金より投資を選びたくなる誘惑は、ファイナンシャルFOMO(FOMO:取り残されることへの恐れ)の一種と言っていいかもしれません。
とくに、株式市場の平均リターンが、「高利回り」と言われている預貯金よりもはるかに有利に見える場合はなおさらです。
しかし、預貯金よりも投資を選んでしまう前に、資金活用のタイムラインを慎重に検討する必要があります。
今後5年以内にお金が必要になることが想定される場合は、預貯金を優先してください。
たとえば、バケーションの費用や住宅の頭金にあてたり、緊急用資金を水増しする必要があるか、どうか考えてください(参考:基本的な緊急用資金としては、家賃の1カ月分に保険の免責額を加えた程度が目安です。そのうえで、高金利の借金を返済したと仮定して、6カ月以上持ちこたえられる緊急用資金があるのが理想)。
つまり、預貯金は投資よりもお金を引き出しやすく、リスクも低いことを理解すべきということです。
リスクが低いと「リターンも少ない」と思うかもしれませんが、もっと重要なことは、預貯金でお金を失うことはないということです(インフレによる損失の可能性を除けば)。
投資を優先するべきケース
すでに十分な緊急用資金がある場合は、預貯金と投資を並行で行なうのが理想です。
短期的な資金調達には預貯金が適していますが、老後の資金や子どもの大学進学資金など、長期的な目標の達成には投資も視野に入ります。
重要なのは、短期的なファイナンシャルFOMOのせいで、預貯金ではなく投資を選択してしまわないことです。
例えば、数カ月後に長期のバケーションを予定している場合、たとえ株式市場の冷え込みが底を打ったように見えたとしても、預貯金を投資に振り向けてはいけません。
最低でも5年は保有しないと意味がない成長株の購入に当てるなどはもってのほかです。
結論
たとえ預貯金の金利が低いときでも(現在は上昇中)、今後5年間に使う予定があるなら、そのお金を投資に回すべきではありません。
ファイナンシャルゴールを見直して、長期的な貯蓄手段に短期用の資金を投入するような間違いを犯さないようにしてください。
Source: Business Insider, Next Advisor
Meredith Dietz - Lifehacker US [原文]
訳:伊藤貴之
ライフハッカー・ジャパンより転載(2022年11月2日公開の記事)