イーロン・マスクはTwitterで数千人の従業員を解雇した。
Susan Walsh/AP
イーロン・マスクは11月9日、Twitter Spacesで配信されたライブにおいて、Twitterのクリエイターが有料コンテンツで獲得した収益を預ける、高利回りなマネーマーケット口座(MMA:米連邦政府の保険付き預金口座)を提供する可能性を示唆した。
報道によるとTwitterは、クリエイターがコンテンツを有料化できる「課金動画(Paywalled Video)」 機能を開発しているという。インスタグラムのリール(Reels)やTikTok、YouTubeショート(Shorts)などの動画プラットフォームとの競争を睨んでのことだ。この機能を使えば、クリエイターは有料コンテンツへのアクセス料を1ドルから徴収でき、さらにTwitterアカウントへ現金残高を保持できる。
メリットの多い高利回りの貯蓄口座
高利回りのマネーマーケット口座は、高利回りの貯蓄口座と同様に、通常よりもはるかに高い金利を支払う貯蓄口座の一種だ。一般的な普通預金は1%以下の金利だが、高利回りの普通預金は3%以上の金利が得られる。
例えば、3%の利息が付いた高利回りの普通預金口座に1万ドル(便宜上100万円)を預け、5年間毎日複利で運用した場合、指一本触れずに約1618ドル(便宜上16万1800円)の利息が得られる。金利は経済によって変わるかもしれないが、全体的に見ると、お金を増やしたいのであれば、高利回りの普通預金口座に預け入れておくほうがよい。
流動性が高くアクセスしやすいため、生活防衛資金を高利回りの貯蓄口座に保管することを、ファイナンシャルプランナーは推奨している。マスクは、Twitterのコンテンツ課金が確立されれば、そこに現金を預ける予定のTwitterユーザーに高利回りの貯蓄口座を提供することを計画しているようだ。
スーパーアプリ化を目指している?
Twitterの認証料として月額7.99ドル(約1136円)を徴収し、従業員を一時的に解雇するというマスクの決定は、対立を招き、長年のTwitterユーザーから批判を受けている。MITテクノロジーレビュー(MIT Technology Review)の報道によると、マスクのCEO就任以降、130万人のユーザーがTwitterを去ったという。有料コンテンツ、新しい決済システム、高利回りの貯蓄口座を追加実装するというテスラCEOの計画は、さらなる反発を招く可能性がある。
決済機能と高利回りの貯蓄口座の追加は、氷山の一角かもしれない。あるフィンテック企業の幹部によると、マスクはTwitterに配車サービスやフードデリバリーなどの機能を組み込んで、スーパーアプリ 化できると考えているという。
(翻訳・編集:長田真)