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SHEINが原宿にリアル店舗。店内には「ヘクトコーン企業」が抱える課題がみえた

SHEIN

労働問題などで揺れるファストファッションの「SHEIN」。原宿のリアル店舗を取材した。

撮影:竹下郁子

ファッションECの「SHEIN(シーイン)」が東京・原宿に日本初となるリアル店舗を11月13日、オープンした。

10月に3カ月限定で開店した大阪・心斎橋の店舗同様「売らない店」だが、こちらは期間限定ではなく「常設」だ。

評価額1000億ドルを超える「ヘクトコーン」企業であり、2024年にアメリカでの上場も噂される同社。

しかしガラス張り2階建ての店内を覗くと、課題も見えてきた。

店内の様子などを動画でもチェック。

撮影:渡慶次法子

プラスサイズやワンちゃんの洋服まで350点

SHEIN

オープン初日の様子。大阪・心斎橋に比べると静かなスタートになったようだ。

撮影:伊藤有

SHEINは11月13日、原宿・キャットストリートにリアル店舗「SHEIN TOKYO」をオープンした。

午前11時のオープンに集まった客は目視で100人ほど。大阪・心斎橋の期間限定店に400-500人の行列が出来たという報道と比べると、穏やかなスタートになった。

それでも先頭に並んでいた若い男性グループが歓声をあげながら入店し、中国の国営放送CCTVのレポーターも駆けつけるなど、幅広い層からの注目の高さが伺えた。

ガラス張りの2階建て201平米の店内には、350点の商品が並ぶ。

SHEIN

撮影:竹下郁子

同社のメインターゲットとされるZ世代の女性向けアパレル以外にも、キッズ服、メンズ服、ペット用品からコスメまで幅広い。

SHEIN

SHEINのキッズ服。季節にあわせて秋冬物の展開になっている。

撮影:竹下郁子

SHEIN

多くはないが、メンズ服のエリアもある。

撮影:竹下郁子

SHEIN5-

SHEINのペット用品。

撮影:竹下郁子

SHEIN

オリジナルのコスメも。

撮影:竹下郁子

もちろん、プラスサイズ向けのコーナーもある。

SHEIN

撮影:竹下郁子

商品は「買えない」、でも「宣伝しやすい」店

SHEIN

フォトブースを囲むようにバッグなど小物コーナーが設けられている。

撮影:竹下郁子

店内で商品の販売はせず、タグに掲載されたQRコードをスマホで読み込み、SHEINのウェブサイトやアプリで購入する仕組みだ。

SHEIN

フォトブース。某高級ブランドのギフトボックスを彷彿とさせる。

撮影:竹下郁子

SNSやインフルエンサーを通じて人気に火がついたSHEINらしく、バッグを手に取って撮影できるフォトブースや、洋服を試着して撮影することを前提に設計されたフィッティングルームなど、「映える」、言い方を変えれば「お客に宣伝してもらう」仕組みが満載だ。

SHEIN

SNS映えする試着室。

撮影:竹下郁子

Z世代に刺さる「格安アパレル」の背後にあるもの

SHEIN

トップス1枚836円。

撮影:竹下郁子

中国発のアパレルEC「SHEIN」はアメリカやヨーロッパを中心に150以上の国と地域で展開している。

2022年1〜6月の流通取引総額(GMV)はZARAやH&Mを抜く160億ドルに達しており、評価額は1000億ドル超。2024年にはアメリカでの上場を計画しているという報道もある。

SHEIN

ハイブランド風の商品から、アウトドアブランド風の商品まで、展開は幅広い。

撮影:竹下郁子

大躍進中の同社だが、一方で、商標権や著作権などで複数のアーティストやブランドから訴訟を起こされてもいる

また服を作る中国の工場では「1日18時間働き」「報酬は1着わずか6円」「1つのミスをすると日給の3分の2の罰金が科せられる」などの過酷な労働環境にあることが報じられた。

SHEINにこれらの労働問題について問い合わせると、「調査を開始したが、まだ結果は出ていない」という回答だった。 これまでも製造サプライヤーに対して監査を実施し、劣悪な労働環境などの問題が是正されない場合は取引をやめるなど、迅速な対応をしてきたとする。

「SHEINは商品を製造している従業員を尊重し、大切に思っています。彼らなしには私たちのビジネスは成り立ちません。彼らが公正かつ敬意を持って扱われるよう、引き続き努力することを約束します」(SHEIN)

とコメントした。サプライヤーの労働者の賃金については、近日中にサイトで公表するという。

店内には1着632円のトップスや、1つ71円のネックレス、89円のピアスもあった。見比べると、縫製に“コストダウン”を感じる商品も。

今回SHEINが実店舗を構えたのは、「購入前にリアルに商品を触る機会が欲しい」という客のニーズに答えるためだという。

低価格の裏には何があるのか。目で見て、触って、想像して。消費者としての責任を考え続けたい。

(文・竹下郁子

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