スペースXとテスラの元エンジニアが作った、オフグリッドの小さな宿泊施設

• スタートアップのJupeは、3万ドルのオフグリッドの小さな住宅型ホテルを製造、設置している。
• そのユニットは平らに梱包ができ、トラックに平積みしてアメリカ全土に配送することができるという。
• 現在、Jupeは全米に70棟のユニットを設置しており、2023年には2つの大きな事業展開を予定している。

あなたがサイバートラック（Cybertruck）を待ちわびているのなら、少し変わったものでニーズを満たしてはどうだろうか。例えばテスラ（Tesla）のサイバートラックに携わった人物が設計した小さな家で、オフグリッドのキャンプをするとか

オフグリッド・グランピング（｢グラマラス｣と｢キャンピング｣を組み合わせた言葉）のスタートアップであるJupeは、2019年、小さな家のような可動式ハイテク・ホテルの建設を始めた

現在同社のユニットは全米で予約可能で、都会に住む人々に自然の中でくつろぐ機会を提供している

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オーストラリアの海岸に立つ、オフグリッドのキャビンは1泊約4万円

この小さな家はJupeのチームによって設計された。そのチームにはスペースX（SpaceX）やテスラにいたエンジニアもいる

その中には以前テスラのサイバートラックやサイバートラックATVの開発に携わっていたエンジニアも含まれている

JupeのCEOで共同創設者、チーフデザイナーであるジェフ・ウィルソン（Jeff Wilson）は、｢この家とサイバートラックにはいくつかの類似点がある。この住宅はほとんど『サイバーテント』だ｣とInsiderに話している

ウィルソンは以前、モジュール式住宅のスタートアップの経営に失敗し、その後、IBMのプロジェクトマネージャーを務めていたという

Source: Jupe, Insider

この小さな家は集成材とアルミニウムの構造体、耐候性のあるキャンバス地でできている

このような材料でできているため家の寿命は約10年で、キャンバス地の交換はもっと頻繁に必要だ

111平方フィート（約10.3平方メートル）の小さな家の中は、天井が高く、クイーンサイズのベッド、収納、コンセントなどの設備がある

Source: Insider

ウィルソンによると、照明、エアコン、ヒーターなどの設備はアプリを使ってコントロールできるという

だが同社では、いつの日か、衛星インターネットの｢スターリンク（Starlink）｣をユニットに統合し、この家の機能をリモートで制御したいと考えている

最高3万ドル（約418万円）のJupeの組み立てや配送は簡単だ

テキサス州にあるJupeの製造拠点から全米各地に配送される

追加で基礎や土台は必要ない。このポータブルホテルの部屋にはすでに土台が組み込まれている

この土台は土地に恒久的で深刻なダメージを残さない

グランピングの分野ではキャンバス地のテントを使うは新しいことではない

ウィルソンによると、この小さな家の土台とフラット・パック機能は、他社の競合品とJupeが一線を画すポイントなのだという

またこの家の土台は、家本体を梱包し、季節ごとに最適な場所に移動する際の収納箱としても機能するという

ユニットの組み立てには約4時間かかり、2人での作業が必要だという。｢移動するために作られた丈夫なイケア製品｣のような組み立て工程だとウィルソンは話している

｢アップル（Apple）、テスラ、ウィーワーク（WeWork）のような企業から人が集まってくるのは、彼らが、我々が作る製品の真の拡張性を理解しているからだ｣とウィルソンは話している

同社のチームはすでに約175棟分を製造し、現在は1日2棟を製造している

将来的には、キッチンやコミュニティルーム、さらには｢ズーム（Zoom）用の部屋｣などの追加設備を展開したいと考えていて…

…ウィルソンが言うところの｢トラックに乗ったリモートワーク・ビレッジ｣を作る予定だ

だが、Jupeはアメリカ国内に自社のグランピングサイトを持っているわけではない

代わりに、土地所有者やホスピタリティ企業と連携し、新たな拠点を創設している

現在、カリフォルニア州からウェストバージニア州の15カ所に約70棟のJupeの小さな家が点在している

Source: Jupe

ウィルソンによると、2023年早々にはメキシコと、カリフォルニア州のジョシュアツリーに、大規模なJupeのグランピング施設を展開する予定だという

バスルームなどのアメニティのあるサイトは、エアビーアンドビー（Airbnb）から、あるいは直接Jupeから予約できる

宿泊料金は、最も安価なオレゴン州モララで1泊85ドル（約1万1840円）で…

最も高額なのはレッドウッド国立公園近くに位置するカリフォルニア州ダベンポートの6つのJupiの家で、1泊1500ドル（約20万9000円）だ

Source: Jupe

ウィルソンによると、ダベンポートの施設は宿泊料金は高いが、バーなどのアメニティも追加されており、稼働率はおよそ50％と最も人気のある場所なのだという

Source: Jupe

これらのJupeはエアビーアンドビーを席巻する他の｢ユニークな宿泊先｣と調和しているかもしれないが、旅行者に宿泊場所を提供することは同社の主要な使命ではない

同社は世界中の家のない人たちにシェルターを提供するという高い目標を掲げている

さらにウィルソンによると、｢災害救援を行う最大級の組織｣と話し合いを進めているという。

ただ、Jupeが小さな家を非常用に展開し始めるのは何年も先になる可能性がある

そのため、Jupeは人気も高く、ますます浸透してきた短期レンタル業に引き続き注力していく予定だ

｢自然の奥深くにいながらも、自宅や高級ホテルで過ごすような快適さがあるのは、何か魔法のような感じがする。それは、Jupeのビジョンだ｣とウィルソンは話している

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［原文：https://www.businessinsider.com/futuristic-tiny-home-hotels-designed-former-spacex-tesla-engineers-2022-11］

（翻訳：大場真由子、編集：Toshihiko Inoue）