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ハッブル宇宙望遠鏡、110億年前の超新星爆発を観測

ハッブル宇宙望遠鏡は、地球を周回しながら宇宙の姿を詳細に捉えている。

ハッブル宇宙望遠鏡は、地球を周回しながら宇宙の姿を詳細に捉えている。

NASA

  • NASAのハッブル宇宙望遠鏡は、110億年前に爆発した超新星を捉えた。
  • この超新星の光は、巨大な銀河団の重力レンズ効果によってゆがめられ、3つの像に分裂している。
  • これらの3つの像は、超新星の異なる段階が色の違いに表れている。

アメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡は、遠くにある星が一生を終えて爆発した後、冷えていく3つの段階を詳細な画像で捉えている。

この星はビッグバンからおよそ28億年後、今から110億年以上前に超新星爆発を起こしており、そのときの激しい光がようやく地球に到達した。宇宙観測の歴史上、これほど古い超新星が詳細に観測されたのは初めてのことだ。

ハッブルは、星が崩壊して激しい爆発で起こって外層がはがれ、その後冷却していく様子を捉えた。超新星爆発の明るさと冷却の速さから、この星は太陽の500倍の質量があると計算された。この研究論文は、2022年11月9日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載されている。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えた超新星の3つの像。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えた超新星の3つの像。

NASA, ESA, STScI, Wenlei Chen (UMN), Patrick Kelly (UMN), Hubble Frontier Fields

研究を率いたミネソタ大学物理学・天文学科の助教、パトリック・ケリー(Patrick Kelly)は「大質量の星のコアが崩壊し、大爆発が起きて高温になり、1週間かけて冷えていく様子を見ることができる」とNASAのプレスリリースで述べている。

「これは、私が今までに見た中で最も驚くべきことの1つだと思う」

超新星の爆発と冷却は、ほんの数時間から数日の間に起こるので、観測できるのはまれなことだ。特に宇宙の初期に発生したとなるとなおさら珍しい。

ゆがんだ時空によって現れた色の異なる超新星

ハッブルが撮影した超新星のさまざまな画像。

ハッブルが撮影した超新星のさまざまな画像。

NASA, ESA, STScI, Wenlei Chen (UMN), Patrick Kelly (UMN), Hubble Frontier Fields

ハッブル望遠鏡は重力レンズ効果を通してこの超新星を発見した。重力レンズとは、銀河団などの巨大な質量によって時空が歪み、その背後にある遠方の天体からの光が曲げられてしまう現象を言う。それによって星の鏡像が我々のもとに届けられるのだ。

今回の超新星の場合、重力レンズ効果によって、同じ超新星の異なる時点における3つの像が撮影された。これは爆発の光が、くじら座の方向にあるAbell 370という巨大な銀河団の重力によって曲げられ、3つの異なる経路をたどっているからだ。それぞれの光は死にゆく星の3つの段階を映し出している。そのため3つの像の色はそれぞれ異なる。超新星の温度は1週間で急激に変わり、爆発直後の極めて高温の段階では青く見え、冷えると赤くなっている。

重力レンズ効果によって3つの像に分裂して現れた超新星。時間の経過とともに冷えるので、色が青から赤に変化している。

重力レンズ効果によって3つの像に分裂して現れた超新星。時間の経過とともに冷えるので、色が青から赤に変化している。

NASA, ESA, STScI, Wenlei Chen (UMN), Patrick Kelly (UMN), Hubble Frontier Fields

「超新星が初期の段階で検出されるのは非常にまれなことだ。その期間は本当に短いからだ」と論文の筆頭著者でミネソタ大学物理・天文学科の博士研究員であるウェンレイ・チェン(Wenlei Chen)はプレスリリースで述べている。

「数時間から数日しか続かないので、近くで起こったとしても簡単に見逃してしまう。しかも、我々は1枚の画像から、超新星のさまざまな面を示す一連のイメージを見ることができた」

[原文: NASA's Hubble Space Telescope watched a distant star die, explode, and fade away in rare, colorful detail

(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)

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