イーロン・マスク
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- イーロン・マスクがツイッターのカフェテリアで提供されていた無料の食事を廃止して、従業員に代金を支払わせることを検討しているとニューヨーク・タイムズが報じた。
- マスクはランチ1回あたりのコストは推定400ドル以上だとツイートした。
- 元ツイッター社員はそれに異議を申し立て、食事は1人1日当たり20ドルから25ドルだと主張した。
ツイッター(Twitter)の新CEOとなったイーロン・マスク(Elon Musk)は、就任直後から従業員の半数を削減し、リモートワークの方針を転換した。そして今度はサンフランシスコの本社でこれまで無料で提供されていた食事を有料にするというもう1つのコスト削減策を考えているようだ。
ツイッター本社の無料の食事をめぐる話題が注目されるようになったのは、2022年11月11日にニューヨーク・タイムズが、ツイッターのカフェテリアでの食事代を従業員に負担させるというマスクの計画を報じたことから始まる。
11月13日にはマスクが、サンフランシスコのツイッター本社で過去12カ月間に提供されたランチ1回あたりの推定コストは400ドルを超え、年間のフードサービスコストは推定1300万ドル(約18億円)だとツイートし、新たな議論を巻き起こした。
「ほとんど誰もオフィスに来なかったことを考えると、本当におかしなことだ」とマスクはツイートした。
ほとんど誰もオフィスに来なかったことを考えると、本当におかしなことだ。過去12カ月に提供された昼食1回あたりの見積もり費用は400ドルだ。
彼の極端な発言は、本社で無料ランチプログラムを運営していたという元社員からの反発を招いた。ツイッターのワーク・トランスフォーメーション担当バイスプレジデントだったトレイシー・ホーキンス(Tracy Hawkins)は、1人1日当たりの食費は約20ドルから25ドルだったと述べ、マスクに反撃した。
間違い。 ツイッターはサンフランシスコ本社のフードサービスに年間1300万ドルを費やしている。記録によると、ピーク稼働率は 25% で、平均稼働率は10%を下回っている。
朝食を食べるより、朝食を準備する人の方が多い。
彼らは夕食を提供しない。建物には誰もいないからだ。
マスクとホーキンスは本社オフィスの稼働率をめぐっても議論を交わしている。マスクはピーク時の稼働率が25%で、1日の平均では10%を下回っていると述べた。ホーキンスはこれに異議を唱え、稼働率は20%から50%だと主張した。両者ともそれぞれの数値の証拠となるデータは示さなかったが、マスクは出社記録が自分の主張を立証していると述べた。
マスクとホーキンスが応酬する中、ツイッターユーザーもこの話題に言及するようになった。マスクはツイッターの企業カルチャーを破壊しているという人や、ツイッターの無料ランチプログラムを批判し、これらの食事は権利ではなく、特権であると言う人もいた。
マスクはすでにリモートワークを廃止し、従業員に週40時間以上オフィスに出勤することを義務付けており、食事の無料提供という特典の廃止もまもなく実施される可能性がある。マスクは10月27日にツイッターを440億ドルで買収して以来、このような特典廃止の他にも多くのコスト削減策を検討または実施している。
ツイッター買収から1週間以内に、マスクは同社の従業員の50%を解雇した。11月12日からは契約社員の解雇にも踏み切ったが、解雇が迫っていることを適切に通知されなかったと訴える元社員もいる。
Insiderはホーキンスとツイッターにコメントを求めたが回答は得られていない。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)