※本記事は、2022年7月19日に掲載した記事の再掲です
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- 筆者は30歳で確定拠出年金を開始したが、他に従来とは異なる引退の選択肢があるのではないかと思った。
- そこで、筆者はファイナンシャルプランナーに、彼らの富裕層のクライアントが、どのように節約したかを尋ねた。FPたちは4つの戦略を共有してくれた。
- 債務を回避し、現金から資産を再投資し、受動的な収入源を開発し、経費を削減する。
20代の頃の私は、確定拠出年金やIRA(個人年金口座)が話題に上がると、呆れ顔をして退職後の備えなんて自分には必要ないと言い切っていた。それどころか、稼いだお金はすぐに使いたくて、家賃や毎月のクレジットカードの支払いなどにばかり充てていた。
そして、30歳を目前にしてようやく、そろそろ将来のための計画を立て始めなければ、一生退職できなくなると気づいた。
こんな考えが何度も浮かんだことから、やがて私は家計をきちんと管理することにしてSEP IRA(簡易従業員年金口座)を開設した。今は喜んで退職後に向けた貯金をしているが、一般的な年金の積み立てをせずとも快適なリタイアができるものだろうか、という思いはやはりある。
そこで、金融の専門家たちに、富豪の顧客のなかで普通の個人年金口座を利用することなく退職する人の特徴を聞いてみた。彼らの話を以下に紹介する。
1. 借金をしない
年金口座にしっかり貯蓄をしなくとも富裕層になることは可能なようだ。しかし、ファイナンシャルプランナーのRJ・ワイス(RJ Weiss)氏によると、そのためには借金を背負わないようにしなければならない。
「確定拠出年金やIRAを利用せずに100万ドル以上の純資産(総資産から負債を除いた資産)を築いた人たちは、現役時代も退職後もほとんど借金を負っていない」とワイス氏は言う。
「これは重要なことで、軽く考えてはいけない。生涯を通じて継続的な借金の返済がない人は、ポートフォリオ全体でより多くのリスクを取ることができ、その結果として、一般的な年金口座に貯蓄しないことにつながっているかもしれないからだ」
2. 収入を生み出す資産を持っている
普通のやり方で退職金の積み立てをしないとしても、フルタイムで働くのをやめると決めた後にどうやって収入を得るか計画を立てておくのは賢い戦略だ。だからこそ、リッチにリタイアする人は退職後も安定して収益をもたらし続ける資産のポートフォリオ構築に時間をかけるのだと、ワイス氏は言う。
「その中には、自分が人生をかけて築き上げ、現在は家族が経営している小さな事業なども含まれる。それに、経営者がフルタイムで働くのをやめても給与は支払われる。あるいは、長年かけて一つひとつ築いてきたさまざまな不動産資産があり、それらを賃貸して毎月の収入を得ているケースもある」
3. 収入の半分で生活する
ファイナンシャルプランナーのロニット・ロゴシンスキー(Ronit Rogoszinski)氏が目にした効果的かつ興味深い方法は、収入の半分のみを使って生活するというものだ。
ロゴシンスキー氏の顧客の1人は、退職後の蓄えを十分に確保するために収入を下回る予算で生活しているという。
「つつましい生活をしているからといって、彼女が楽しみにお金を使わないわけではない。最もお得な商品を探しているというだけで、切り詰めた予算内で生活しつつも、私たちが経験できる贅沢はどれもできる限りの安いコストでちゃんと手に入れている」とロゴシンスキー氏は言う。「彼女は60歳になったら仕事の時間を減らすつもりで、退職することもできるが、仕事自体はとても好きだからできるだけ続けたいと思っているそうだ」
4. 資産から得た現金を再投資する
ハリソン・ウォレス・フィナンシャル・グループ(Harrison Wallace Financial Group)の創設者でCEOであるファイナンシャルプランナーのファロン・ダーグス(Faron Daugs)氏は、年金口座を持たないつもりなら、資産から得た収入や分配金は再投資すべきだという。 「重要なのは、再投資を継続すること。賃貸などの事業活動から生まれるキャッシュフローを、成功している事業や不動産プロジェクト、株式市場関連の投資にきちんと回すことだ」
(翻訳・長尾莉紗/LIBER、編集・長田真)