映画『ハリー・ポッター』シリーズでは、イヴァナ・リンチがルーナ・ラブグッドを演じた。
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- ルーナ・ラブグッドは、『ハリー・ポッター』シリーズの中でも忘れられないキャラクターの1人だ。
- その名前には隠れた意味がある。
- ホグワーツ卒業後は魔法生物学者になった。
ルーナは『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』から登場する
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で守護霊(パトローナス)を出現させるルーナ。
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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』に登場して以来、ルーナ・ラブグッドはハリーの良き友であり、シリーズの主要人物の1人だった。
作者のJ・K・ローリングはこれまでツイッターやインタビュー、公式サイトなどを通じて、『ハリー・ポッター』の世界を7冊の本を超えて拡大させてきた。
これらの情報と原作を踏まえ、『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンでも知らないかもしれないルーナ・ラブグッドに関する事実をいくつか見ていこう。
途中で名前が変わった
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Pottermore(現在のWizarding World)の2015年のエッセーでローリングは、ルーナの名前はもともと"リリー・ムーン"になるはずだったと明かしている。『ハリー・ポッター』シリーズのために作者が考えた40人目の名前だった。
中には、ハリーのホグワーツ初日に、組み分け帽子が「ムーン」という名前を呼んだのを覚えているファンもいるかもしれない。ただ、それ以上の言及はなかった。
リリー・ムーンという名前をローリングが思いついたのは、ハリーの母親の名前をリリーに決める前のことだ。ローリングは、この名前が実際に使われることはなかったが、「風変わりな空想家の少女」のイメージを与えてくれ、最終的にルーナに落ち着いたとしている。
名前は彼女の性格を表してもいる
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『ハリー・ポッター』シリーズに出てくる多くの名前同様、ルーナの名前にもローマ神話にさかのぼる特別な意味がある。
「Luna(ルーナ)」はローマ神話に登場する月の女神の名前で、月は狂気を呼ぶと複数の文明で信じてられていたことから「lunatic(ルナティック)」という言葉にもつながっている。
同じくルーナのエキセントリックな性格も、しばしば他の登場人物たちから誤解されていた。
イヴァナ・リンチはルーナ役に決まる前からローリングとつながりがあった
イヴァナ・リンチとJ・K・ローリング。2013年のイベントで。
David M. Benett/Getty Images for Lumos
リンチは、映画『ハリー・ポッター』シリーズに出演するずっと前からシリーズの大ファンだった。
リンチは2018年のリアリティ番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』で、摂食障害の治療施設に入っていた時、ローリングと文通友達になったと語っている。
2人は交流を深め、それがきっかけでリンチはルーナ役のオーディションを受けてみることにしたという。
ただ、ルーナ役を狙っていたのはリンチだけではなかった
シアーシャ・ローナン。
Steve Granitz/WireImage
映画『ハリー・ポッター』シリーズにウィーズリー家の双子役で出ていたジェームズ・フェルプスとオリバー・フェルプスのポッドキャスト『Normal Not Normal』の2021年のエピソードで、リンチは自分にとって初めての『ハリー・ポッター』オーディションは、数千人が参加したロンドンでの公開オーディションだったと語った。
その上、アカデミー賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンもルーナ役を狙っていた。
ローナンは2011年、「子どもだったわ。でもあの頃は『ハリー・ポッターに出たい!』と思ったの。世界一の仕事だと思っていたわ」と人気ブログ『Oh No They Didn't』に語っている。
ローリングは『ハリー・ポッター』の執筆当時から、ルーナには特別なビジョンを持っていた
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ルーナはさまざまな面で、ハーマイオニーの引き立て役または対照的な役だった。
Wizarding Worldによると、ローリングはルーナが「ハーマイオニーの正反対」だと明かしている。
「ハーマイオニーはいろいろな面でものすごく論理的で融通が利かない一方、ルーナは朝食前に不可能と思えるようなことを10個でも信じるようなキャラクターです」とローリングは説明している。
見た目は原作と映画で少し違う
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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の10章で初めて登場した時、ルーナは「ぼさぼさの腰まであるくすんだ金髪」「淡い眉」「常に驚いているような飛び出した目」の持ち主だと描写されていた。
そして、その目は「銀灰色」とある。
ところが映画では、ルーナの髪色はプラチナまたはホワイトブロンドに近く、眉は髪色よりも濃く、目は明るい青色だ。
ルーナのアクセサリーの中にはリンチが作ったものも
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リンチは原作シリーズの大ファンで、ルーナ役を演じる前は『ハリー・ポッター』の二次創作をかじるほどだったが、彼女の情熱はそこで終わりではなかった。
『Normal Not Normal』の2021年の同じエピソードでリンチは、公開オーディションにはルーナを真似て、自作のラディッシュのイヤリングを着けていったと語った。製作陣がこれを気に入り、リンチは映画の多くのシーンでこのイヤリングを着けていたと話している。
ルーナが着用した大きなグリフィンドールのライオンの被り物のデザインも手伝ったという。
ホグワーツ卒業後は、魔法生物学者に
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ルーナと父親のゼノフィリウスは、2人ともナーグルといった知名度が低く、他の人々が信じていないような魔法生物の存在を信じていた。2人はしわしわ角スノーカックを探す旅に出たこともある。
ドキュメンタリー番組『J.K. Rowling: A Year in the Life』によると、ルーナはそうした信念を捨てなかった。ローリングによると、ルーナはホグワーツを卒業した後、魔法生物学者になり、たくさんの新種を発見した。
そして、魔法界で最も有名な魔法生物学者ニュート・スキャマンダーの孫ロルフ・スキャマンダーと結婚する。
その後、双子のママになったようだ
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『J.K. Rowling: A Year in the Life』でローリングは、シリーズ完結後にそれぞれのキャラクターがどのような人生を歩んでいるのか、詳しく語っている。
ルーナはロルフ・スキャマンダーと結婚した後、双子のローカンとライサンダーの母親になったと明かしている。
ネビルとルーナはもう少しで結ばれそうだった
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『ハリー・ポッター』ファンは折に触れて特定の出来事の展開、中でもシリーズを通しての恋愛関係について、異議を唱えることがある。
ハーマイオニーはロンとハリーのどちらと結ばれるべきだったのかというテーマは議論が尽きず、ローリング自身も同様だ。
ネビルとルーナも、シリーズのファンが結ばれるべきだったと考えているカップルのようで、Wizarding Worldによると、ローリングも2人の間に「ちょっとした結び付きを感じ」始めたとUSAトゥデイに語っていた。
ただ、最終的にローリングはネビルとルーナの組み合わせは「すっきりし過ぎている」と判断した。そして、2人は親友になったものの、「ネビルは常にルーナの荒唐無稽な空想癖を憂慮すべきものと考えていたでしょう」とローリングは話した。
[原文:10 little-known facts about Luna Lovegood even die-hard 'Harry Potter' fans may have missed]
(翻訳、編集:山口佳美)