ロシア国防省が公開した、ウクライナの標的に向かって発射されるロシア軍の巡航ミサイルの画像(2022年10月31日)。
Russian Defense Ministry Press Service/AP
- ポーランドにロシア製ミサイルが着弾し、2人が死亡したと、AP通信などが報じた。
- ポーランドはNATO加盟国だ。加盟国への攻撃は、同盟国による反撃につながる可能性がある。
- アメリカの上院外交委員会のボブ・メネンデス(Bob Menedez)委員長は、今回の攻撃がウクライナにおける戦争の拡大を意味する可能性があるとポリティコ(Politico)に語った。
- その後、アメリカのバイデン大統領は、着弾したミサイルはロシアから発射されたものではなさそうだと語り、ポーランドのドゥダ大統領とNATOのストルテンベルグ事務総長はそれぞれ、ロシアのミサイルから国を守るためのウクライナ軍の迎撃ミサイルだったとの見方を示した。
アメリカの民主党幹部は、報じられているポーランドへのミサイル攻撃がウクライナにおける戦争の拡大を意味する可能性があると語った。ミサイル攻撃にロシアが関与していれば、ポーランドの軍事同盟国は対応せざるを得なくなるという。
上院外交委員会のボブ・メネンデス委員長は、ポーランドへのミサイル攻撃が意図したものでないなら、ロシア政府には早急に明言してもらいたいとポリティコに語った。ポーランドはNATO加盟国であることから、加盟国へのミサイル攻撃はNATOの軍事行動につながる可能性があるからだという。
「ロシアには早急に人命が失われたことを謝罪し、意図したものではなかったと表明してもらいたい。攻撃が意図したものなら、あらゆる結果が伴うだろう」とメネンデス委員長はポリティコに語った。
「それは間違いなく紛争の拡大を意味し、当然ながらNATO条約第5条の議論につながる」
NATO条約第5条は、加盟国1カ国 —— 今回で言えばポーランド —— への攻撃はNATO全体への攻撃とみなすことを定めたものだ。
アメリカの情報機関高官は、ロシア製ミサイルが11月15日(現地時間)にポーランド東部に着弾し、2人が死亡したとAP通信に語った。ポーランドのメディアもミサイル攻撃を報じている。
アメリカ国家安全保障会議(NSC)の広報担当エイドリアン・ワトソン(Adrienne Watson)氏は15日、NSCでは「現時点で報道やその詳細を確認できない」とツイートした。
ロシアの国営タス通信によると、ロシア国防省はミサイル攻撃への関与を否定し、報道はウクライナで続いている紛争を「拡大させようとする意図的な挑発行為」だとコメントした。
※その後の報道を踏まえて追記、更新しました(2022年11月17日9時50分)。
(翻訳、編集:山口佳美)