関東最大級の無印良品を写真ルポ。駅徒歩10分「あえてスーパー隣」にオープン

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11月17日に板橋区にオープンする無印良品。スーパー横という立地に込めた狙いなどを紹介する。

撮影:横山耕太郎

「スーパーマーケットは日常的に使われる頻度が高い。価格で競争するのではなく、売り場の工夫や環境への配慮など、こだわりをしっかりと伝えていきたい

関東最大級となる無印良品の新店舗が2022年11月17日、板橋区にオープンした。

4階建で売り場面積は3924平方メートル。関東の無印良品では、東京有明店、銀座店に次ぐ大型店だが、板橋の新店舗の特徴はそれだけではない。

ポイントはその立地で、駅から徒歩10分という住宅地近くにあり、加えてあえて食品スーパーの横を選んで出店したのだ。

また新店舗では「地元への貢献」を打ち出し、店内では地元で収穫された野菜や、地元の名産品も販売している。

これまでは無印良品は、都市部や駅ビルの中などを中心に出店してきた。しかし良品計画は、無印良品を「日用品ブランド」としてより幅広い層への訴求を目指しており、この新店舗は無印の新たな戦略を象徴する位置付けでもある。

オープン前日のメディア向け内覧会に参加し、実際の店舗を見てきた。

店内の様子などを動画でもチェック。

撮影:渡慶次法子

スーパー・マルエツと隣接

新店舗「無印良品 板橋南町 22」があるのは東京メトロ・要町駅から徒歩約10分。店舗は首都高にも面しており、商業施設が多いという立地ではない。

隣の食品スーパー・マルエツ板橋南町店は2022年9月にオープンしたばかりで、昼前のスーパーは多くの買い物客でにぎわっていた。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

1階にはトイレットペーパー

店内に入るとまず目につくのが、日用品を紹介する大型パネル。あえて低価格の日用品を打ち出すことで、隣のスーパー利用客にもアピールする狙いがある。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

とにかく「地元・板橋推し」

店舗2階には食品などが並ぶ。エスカレーターを昇ってすぐ、最も目立つ場所に板橋区など地元や、都内で生産された野菜や花が並べられている。

板橋区とは2022年9月に包括連携協定を結んでおり、板橋区が認定する地域の人気商品「板橋のいっぴん」も販売している。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

限定ハンバーガーも販売

店内には飲食コーナーもあり、都内の醸造所で造った板橋の店舗限定のクラフトビールなどが販売されている。

店舗内で作ったハンバーグを使った板橋店限定のてりやきバーガー(税込780円)もあり、テラスでも食べられる。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

環境への配慮を全面アピール

板橋店では、洗剤やシャンブーを量り売りでも販売。良品計画は「プラスチック容器の削減につながる」とアピールしている。

お米やナッツなどの食品も量り売りができる。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

米の量り売りを体験してみた。国産もち玄米は45グラムで85円だった。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

無印良品ではペットボトル飲料を全てアルミ缶に切り替えている。

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撮影:横山耕太郎

回収された衣服を再利用した商品も販売されているほか、衣服の回収なども行っている。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

お菓子や収納など定番商品も

無印の人気商品であるお菓子やレトルトカレー、収納用品やシャンプーなども豊富な品揃えだった。

ベビーカーでも通りやすいように設計されているといい、通路はかなり広々としている。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

店舗4階には「くらしなんでも相談所」を設置。家具や収納の選び方や、模様替え、眠りの相談など広く相談に乗るという。

板橋店から一定距離内であれば、スタッフが自宅を訪問し、購入家具の相談に乗るなど、サービス面でも「地元密着」を打ち出している。

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撮影:横山耕太郎

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撮影:横山耕太郎

地元住民も「うまい戦略」

スーパー横の出店について、地元の住人はどう捉えているのだろうか?

新店舗から徒歩10分ほどの近所に住む50歳代のパート女性はこう話す。

「スーパー帰りに無印に寄ったり、無印の帰りにスーパーに寄ったりすると思う。消耗品はスーパーよりもちょっと高いかもしれないけど、デザインやブランドが好きだから無印を買うことも増えると思う」

板橋の新店舗は「地元への貢献」を打ち出しているものの、こうした大型店舗によって地元の商店などに影響を与えることは間違いない。

関係者向けの内覧会に参加した地元に住む別の50代の女性は次のように話した。

「地元の『板橋のいっぴん』を販売するコーナーがあると聞いて、応援したいなと思った。地元のお店を盛り上げようとする姿勢を打ち出すのは、うまい戦略だなと思った」

無印良品の新戦略を体現した店舗は、狙い通り地元住民が「日常的に使う店舗」として成功するのか。これからに注目したい。

(文・横山耕太郎

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