無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


巨大稲妻「メガフラッシュ」の世界記録を認定…アメリカ南部の3州にわたる全長約760km

※本記事は、2022年2月3日に公開した記事の再掲です。

61f98807ef63e10018100d58

衛星画像は、稲妻の最長記録を達成した雷雨を示している。2020年4月29日。

NOAA via AP

  • 3つの州にまたがって477マイルも伸びた「メガフラッシュ」は、世界新記録だった。
  • 衛星による画像は、テキサス州からミシシッピ州まで伸びたモンスター級稲妻を計測するのに役立った。
  • 一方、南米では、17.1秒続いた稲妻が最長時間の記録を更新した。

アメリカ南部の3つの州にまたがる、驚異的な稲妻「メガフラッシュ」が世界記録を更新した。

メガフラッシュは、通常の雲から地面へ到達する稲妻ではない。電気を帯びた雲から雲へ、瞬時に移動する巨大な雷だ。十分な大きさの雷雨があれば、メガフラッシュは数百キロ、10秒以上にわたって空を照らすことができる。

2020年4月29日、アメリカ南部で起きたのがそれだ。巨大な稲妻がテキサス州ヒューストンの南からミシシッピ州南東部にかけて雷雲の中を蛇行しながら走った。その長さは477マイル(約760km)で、ニューヨーク市とオハイオ州コロンバス間の距離に相当する。

2022年2月1日、世界気象機関(WMO)は、このメガフラッシュを、最も遠くまで移動したものと認定した。これまでの記録だった、2018年10月にブラジル南部を横切ったものよりも約37マイル(約60km)長いという。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の衛星、GOES-Eastは、南部一帯の空を照らした稲妻を捉えていた。

WMOはもう一つ、2020年6月にウルグアイとアルゼンチン北部で発生したメガフラッシュを史上最長の閃光時間として認定した。持続時間は17.1秒で、これまで記録を保持していた2019年のアルゼンチンでのメガフラッシュ(16.73秒)をわずかに上回った。

これらの新しい記録が認証されたことは、2月1日にアメリカ気象学会の会報に掲載された。

61f98458ef63e10018100c93

World Meteorological Organization

その認証分析の主執筆者で、ロスアラモス国立研究所の大気科学者であるマイケル J. ピーターソン(Michael J. Peterson)は「雷は、我々の日常生活に大きな影響を与える割には、驚くほど捉えどころがなく、複雑な自然現象だ」と声明で述べている。

「我々は今、その多くの側面を測定する手段を持っている。これによって、その現象の驚くべき側面を見ることができる」

雷があるところには稲妻がある。そしてそれはとても危険だ

61f988a64faa730018ff4b3f

2003年9月2日、激しい雷雨の最中に、ネバダ州ラスベガスのマッカラン国際空港の管制塔のすぐ近くで落雷が発生した。

Ethan Miller/Reuters

2つのメガフラッシュが発生したアメリカのグレートプレーンズと南米のラプラタ盆地は、しばしばこのような極端に大きな雷が発生する場所だ。

今回のメガフラッシュを評価したWMO気象気候極限委員会の雷の専門家、ロン・ホレ(Ron Holle)は「雷が鳴ったときは、すぐに安全な場所に避難するべきだ」と声明で述べている。

61f987364faa730018ff4ab3

2014年7月27日、カリフォルニア州ベニスで落雷が発生した後、治療を受ける男性。

Jonathan Alcorn/Reuters

ホレによると、最も安全なのは密閉された建物の中だという。ビーチパラソルやバス停ではなく、配管があるような建物を探すとよいという。近くに建物がない場合は、完全に密閉され、金属製の屋根を持つ車両が2番目に安全な場所だという。

「これらの極端なケースが示すように、雷は非常に長い距離を数秒以内で移動する可能性がある。そしてそれらはより大きな雷雨の中にあるので、注意が必要だ」とホレは述べている。

人間への落雷はまれだが、アメリカ国立気象局(NWS)によると、アメリカでは年間約49人が雷によって死亡し、数百人が負傷している。WMOによると、1975年にジンバブエで、小屋に避難していた21人が1回の落雷で死亡したという。

宇宙技術が「モンスター」の解明に貢献する

61f97cd14faa730018ff47bd

アメリカ南部の記録的な稲妻(白色)を示す衛星画像。閃光の終点は金色のX印で示されている。

NOAA GOES-East/Geostationary Lightning Mapper via WMO

これまで気象学者は、雷光のマッピングを地上の監視技術に頼っていた。しかし、上空にある人工衛星は、地上の広い範囲をカバーできるため、1枚の画像でメガフラッシュの全容を把握することができる。

NOAAのGOESに搭載された新しい観測装置は、稲妻の閃光をマッピングするために特別に設計されている。中国やヨーロッパでも、同様の観測装置を気象衛星に搭載している。現在はこれらの機器によって、ほぼ全球の落雷をカバーすることができている。

「今、我々はこれらのモンスター稲妻の詳細なデータを手に入れたので、それらがどのように発生するかを理解し、その影響を評価することができるようになった」とピーターソンは言う。

「これらのモンスターについて、我々が知らないことがまだたくさんある」

[原文:Space images show 477-mile lightning 'megaflash' that crossed 3 states and broke a world record

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み