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2023年、景気後退は100%起こる? その時に冷静さを保ち、不景気のワナを避ける方法

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ほとんどのエコノミストは2023年の景気後退を予想している。

Chuck Savage/Getty Images

  • 2023年に景気が後退する、つまり失業者が増え、収入が減る可能性は極めて高い。
  • 専門家は、人々の多くは不況の警告サインに過度に反応し、その結果、大きく損をすると指摘する。
  • 不況前およびその最中に、個人の財政を正しく把握する方法を紹介する。

景気後退の警鐘はすでに鳴り響いている。つまり、個人的な財政状況をじっくりと、そして厳しく見直す時期が来たということだ。その際、頭は冷静に保たなければならない。

景気が悪いとき、人はおかしなことをしてしまう。たとえば、フードトレンドの専門家によると、ミートローフとアイスクリームを一緒に食べたりするそうだ。また、パーソナルファイナンスの専門家やエコノミストはInsiderに、お金にまつわるミスも増えると指摘する。

デューク大学で行動経済学を研究するダン・アリエリー教授によると、景気後退期には群集心理が作用して、人は「不足のマインドセット」に陥り、物事を実際よりも悪く考えるようになる。

物事が不確かなとき、人は正しく考えられなくなる」と、アリエリー教授は説明する。「そして、景気後退は不確かさと恐れを引き起こす」

恐れ

最近、ブルームバーグ(Bloomberg)のエコノミストが、2023年に100%の確率で景気後退が起こると発表した。ゴールドマン・サックスのCEOであるデヴィッド・ソロモンは、米国経済は「長期的な不景気」に向かっていると10月後半に語った

景気後退が、あるいは景気後退の不安が、経済に対する絶望感を引き起こすと専門家は指摘する。この絶望感が、より広い意味での経済に関する悪いニュースによって、さらに悪化することもある。多くの場合、景気後退に先立って株価が下落するが、これが投資家の不安をあおる。実際、今年もS&P 500企業が価値の5分の1を失った。

投資と金融の教育サイト「I Will Teach You To Be Rich」を立ち上げたラミット・セティ氏によると、セティ氏のクライアントたちは、自分に関係する出来事よりも、一般的な経済のニュースに影響されることが多いそうだ。

「彼らはニュースの見出しを見て、友人の話を聞いて、それらをもとに自分の世界観をつくりあげる。そのため私は、インフレーションについて質問されることが、かつてないほどに多くなった」

セティ氏は、ネガティブな見出しではなく、自分の長期的な財務計画に意識を向けるべきだとアドバイスする。

フォアフロント・ウェルズ・パートナーズ(Forefront Wealth Partners)社のファイナンシャルプランニング主任であるチャド・リクセ氏は、株式市場や経済全般は周期的なものであるにもかかわらず、人々は資産が明らかに減ると感情的に落ち着きをなくし、冷静さを欠いたまま、まだ残っている資産を守ろうとする傾向があるという。

「1年で自分のポートフォリオの資産が20%目減りしたのを見たら、人は感情的に反応するようになる。そのため、全体像を把握するのが難しくなるのだ」と、リクセ氏は語る。

頭の中でさまざまな情報と格闘し、合理的に考えることができなくなると、財産を損なうことなしに冷静な頭で景気後退期を乗り切るのは難しい。

「世界の先行きが不透明なときは、人はコントロールの感覚を必要とする」とアリエリー氏は言う。「そして、お金のコントロールにはたくさんの善意と自制心が欠かせない。そのために、モチベーションが必要だ」

アリエリー氏は、さらにこう付け加えた。「人々に、景気後退にうまく対応してもらいたいと願うのであれば、私たちはは人々に正しい決断を下す力を授けなければならない。彼ら自身が何もコントロールできないと思い込んでしまうと、経済だけでなく、心理的にも甚大な影響が出てしまうだろう」

冷静さを保つ

Personal Finance Club」というファイナンシャルコーチングサイトを立ち上げたジェレミー・シュナイダー氏は、ほとんどの人にとって、景気後退に備えるのはハリケーンに備えるのと同じだと説明する。

「不況のときも、好景気のときと同じように身の丈に合った生活をして、住宅ローン以外の借金を返済して財政状況を安定させ、3カ月から6カ月分の支出をまかなえるだけの生活防衛資金をしておこう」

「景気後退で職を失う恐れがあるなら、6カ月分かそれ以上の貯金をしてから、早い時期に積極的に投資をすべきだ。そして、景気後退の前も、最中も、そのあとも投資を続けるべき。なぜなら、市場は不安定な動きを見せるからだ」

自分の置かれた金銭的な状況が不安なときは、新しい貯金・支出計画を立てて、生活防衛資金の構築を始めるべきだと専門家はアドバイスする。そうした計画を立てることは、経済状況に関係なくお勧めできる。

ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの金融学教授であるニコライ・ルサノフ氏は、不況が始まる前に貯金をし損なうことが、最大のミスだと指摘する。「不況は、人々が抱えている、好況時にはあまり注意を払ってこなかった問題点を暴き出す」とルサノフ氏は語る。同氏によると、好況のときは金利が低く、クレジットを得やすいため、視点が曖昧になって問題の存在に気づきにくいそうだ。

計画を守る

セティ氏の考えでは、不況を効果的に乗り切る計画は、適切な子育てに似ている。「親は、自らの成功を通じて自信を強めていく」と、セティ氏は説明する。「彼らは学び、実践し、信頼する人にアドバイスを求め、そのうえで、計画を守り続ける。同じことがお金にも言える」

インデックスファンドなどへの投資を、生活防衛資金を増やす目的で換金するのはやめたほうがいいと、専門家は指摘する。

ルサノフ氏によると、市場が下落すると、投資家の多くは投資を引き上げてしまい、そのため景気が回復したときに利益を得られなくなるそうだ。リクセ氏は、不況時の投資コストを減らすために、ドル・コスト平均法を勧める

女性の経済状況の改善を目的にしたウェブサイトである「Vestpod」の設立者エミリー・ベレット氏は、自分のお金について深く考え、なぜ使うのかを問いかける態度が役に立つと語る。

「自分にとってお金が何を意味しているのか、自分の価値観はどこにあるのか、将来どこへ向かいたいのかを考えるのだ。他人が持っているものを欲しがるのはやめて、自分に正直になるべき。ついつい自分を他人と比べたくなるが、それには意味がない」

[原文:Recessions make us do dumb things with our money. Here's how to keep a cool head and avoid the bear traps.

(翻訳・長谷川圭/LIBER、編集・長田真)

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