過去4回レイオフされたエンジニアのジャネット・アン・パネン(33)は、解雇されたらまずやるべきことがあるという。
Janet Anne Panen
残念なことだが、レイオフはいつでも起こり得る。特にテック企業で人事、採用、マーケティングなどの仕事をしている者であれば、レイオフされた経験はさほど珍しくもない。私も技術者としてのこれまでのキャリアで、4回連続で解雇を経験している。
私が初めて解雇されたのはレディット(Reddit)で、ソーシャルメディアのアシスタントとして2カ月働いたところでチームごと解散させられた。その後ウーバー(Uber)の人事部門で2年働いた後、やはりレイオフされている。それから、ドロップボックス (Dropbox)のサポートエンジニアも約2年で解雇され、2022年11月には不動産テック企業スナップドックス(Snapdocs)のソフトウェアエンジニアの仕事を解雇された。
どの解雇も、いろいろな意味でトラウマになったり、つらい思いをしたりもした。一番ショックだったのは最初の解雇だったが、3回目の時も、自分が所属していたチームが大好きだったのですごくつらかった。直近のレイオフは、特に今の経済状況を考えると恐怖すら感じている。
私は数年の社会人経験と短期集中トレーニング(コーディングのブートキャンプ)の卒業資格しか持っていない。そんな「経験が少ない私」が、百戦錬磨の経験を持つツイッター(Twitter)の元エンジニアたちと競わなければならないのでは、というのが目下の懸念になっている。
特に、安定していると思われていたメタ(Meta)やマイクロソフト(Microsoft)など大企業までもがレイオフを始めたのは気がかりだ。まだ一度も解雇を経験したことがない人も大勢いて、トラウマになってしまったり、孤立することもあり得る。そこで、解雇に関してはベテランの私が、解雇されたらまず最初にやるべき4つのことを紹介したい。
1. レイオフは自分の責任ではないことを自覚する
解雇は自分自身や自分の失敗のせいではないと言われるものの、私がそれを受け入れるのには時間がかかった。どうして4回も続けてこんなことが起こるのか、と思うこともある。しかし、そうした考え方に陥ると、精神的に立ち直れなくなってしまうのだ。
私の父親も技術系の仕事をしているが、「会社の幹部にとって従業員は数字に過ぎない」といつも警告してくれていた。父なら、君は誰かの表計算ソフトの数字に過ぎず、削除するべきコストとみなされるようになったに過ぎない、と言うだろう。
2. 時間を有効に使う
私と同じく解雇されたマネジャーと話していたら、「中間層の人は、時間かお金のどちらかはあるもの」と言われた。今、私はお金はないけれど、時間はある。それをチャンスと思うようにした。
解雇された後の数日間は、実際に自由な時間が持てるという稀有な状況を有効活用することが重要だと考えている。40年以上のキャリアの中で、二度と訪れないかもしれないことだから。
だから、混雑していない昼間にスーパーに買い物に行ったり、スーパーに買い物に行ったり、午後のトレーニング教室に通ったりしている。また、役所に行くような用事もすべて済ませるようにしている。
就職という長い道のりに備えるためにも、この時間はとても重要だ。
3. ネットワークへの働きかけ
初めての解雇だと、恥ずかしくて周りに言いにくいかもしれない。でも、周りの人はみんなあなたに協力や支援をしてくれるはずだ。ただ、そのためには周囲に自分の状況を伝える必要がある。
月並みな表現だが、自分のネットワークは財産である。私が解雇後にありついた仕事は、すべて同僚や知人の紹介によるものだった。
SlackのグループやFacebookのグループに入っていると、とても助かる。私は、Slack内のグループ、テックレディース(Tech Ladies)とブートキャンプの卒業生グループを使っている。こうしたグループに名を連ねているだけでは不十分で、自ら積極的に参加し、アドバイスをすることが必要になってくる。
2度目の解雇の後、ブートキャンプの卒業生たちに求人について連絡を取った。その時点で面接を受けまくっていたのだが、内定をもらえそうな手応えがなかったのだ。その後ブートキャンプ時代の友人が職場に招待してくれたので、彼女に就職難について嘆いていたところ、たまたま通りかかった彼女の同僚が求人を紹介してくれたことでドロップボックスに就職することができた。
誰かに助けてもらうためには、解雇されたことを恥ずかしがっている場合ではない。あなたの再起を助けたいと思ってくれる人はたくさんいるのだ。
4. 夢の仕事を見つける
解雇後の時間を使って、自分が本当に仕事に求めるものは何かを考えてみよう。
私は、前職で何が自分の活力になり、何が活力にならなかったかを書き出してみた。例えば、私は技術的な問題を解決するのがとても好きだ。しかし、ハッピーアワーのコーディネートやイベントの企画は苦手だ。
その後、できるだけ多くの人に仕事内容を聞いてみて、その人のポジションの好きなところ、嫌いなところを考えてみたりした。こうすることで、自分にとっての夢の仕事とは何かを考えることができた。
この作業は、自分がどこに向かえばいいのか分からなくなったときに、方向性を見つけるのに役立った。また、本当に迷ったときは、ビル・バーネットとデイブ・エヴァンス)の『Designing Your Life(邦訳:スタンフォード式 人生デザイン講座)』を読むことを強くお勧めする。
今は解雇されたら難しい時期だ。雇用市場は異常な状態で多くの企業が今年の雇用人数は満たしている。私は幸い、今就職活動で必死にならなければならないほどではない。その代わり、次の行動を考え、エンジニアとして面接の準備をし、何度もまずは問い合わせの電話をかけて、2022年1月、2月に向けて成功するための準備をすることを優先している。
(編集・大門小百合)