家計管理は、日々の積み重ねであり、それ相応の負担を強いる。
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- 結婚相談所「パートナーエージェント」を運営する株式会社タメニーが「いい夫婦の日」に関する調査結果を発表。
- それによると、夫が主に家計を管理するほうが、妻が主に家計を管理するより、その家庭の幸福度が高いことがわかった。
- 共働き世帯が主流になるなか、家計管理という作業のあり方は、夫婦の未来に大きな影響を与えそうだ。
家計管理だって、デスクワークとはいえ、欠かさず続けていくには、それなり以上の努力と労力が必要だ。
夫が主に家計を管理するほうが、妻が主に家計を管理するより、その家庭の幸福度が高いことが、タメニー株式会社のアンケート調査にてわかった。同社は、結婚相談所「パートナーエージェント」を運営する企業で、20〜49歳の既婚男女2300人に対して、「いい夫婦の日」に関するアンケート調査を行っている。
同調査では、昨今のインフレを反映した質問項目などを設定。その結果、72.5%が物価の値上がりを実感しており、75.8%の家庭が何らかの節約をしていることが判明した。節約項目を細分化すると、「食費(外食を含む)」を節約している家庭が49.7%とダントツに多い(次点は「日用品、消耗品」で35.0%)。
そうした調査結果の中でも興味深かったのが、先述した家計管理の担当者に関する項目だ。
いまだに家計管理は「妻」が主体
まず、「家計の管理は夫と妻のどちらがしていますか?」という設問では、「妻が管理」が圧倒的多数で44.9%。それに、「夫が管理」が18.8%、「別々に管理」が17.0%、「2人で管理」が11.3%と続く。
家計を管理しているのは、妻が圧倒的に多い。
タメニー株式会社
家計管理という家事タスクについて、調査元のタメニーは、プレスリリースで次のように説明している。
家計の管理は重要な家事の1つです。収入から予算を配分したり、支出を記録して節約したり、銀行口座の管理、ローンの支払い、貯金や投資を考える必要もあります。日々のタスクは小さくても、常にお金の流れを意識しておくことは負担として決して小さくはありません。
一方、働く女性が増え、いまや専業主婦世帯より、共働き世帯の方が主流派になった。厚生労働省の「共働き等世帯数の年次推移」によると、令和2年で専業主婦世帯は571万世帯、共働き世帯は1240万世帯となっている。割合にすると、約68.5%が共働き世帯だ(専業主婦世帯は約31.5%)。
「夫」が家計管理すれば幸福度は高い
そうした背景を踏まえたのか、この調査では、上記の「家計の管理は夫と妻のどちらがしていますか?」という設問結果と「あなたは結婚して幸せだと思いますか?」という設問結果について、クロス集計を行っている。
「主に夫が家計を管理している」×「結婚して幸せ」が73.9%で1位。
タメニー株式会社
その結果、「主に夫が家計を管理している」×「結婚して幸せ」と答えた割合は73.9%。「主に妻が家計を管理している」×「結婚して幸せ」が71.1%だったので、それを僅差で制していた。
これについて、タメニーのプレスリリースでは、「夫が家事に参加しているほど夫婦の幸福度が高くなる、ということなのかもしれません」と分析している。
実際、共働き世帯が主体になるなか、それなり以上の負担を強いる家計管理は、いまだ女性が主体——。そんななか、男性が率先して、家計管理を担当すれば、円満な雰囲気が醸成されて然るべしといったところだろう。
誰かがリードをとった方がいい
さらに興味深いのが、このクロス集計の結果で、「2人で一緒に管理している」が63.5%、「2人で別々に管理している」が59.6%と続くところだ。
「2人で一緒に管理」すれば、いかにも公平な関係をイメージさせるが、リーダー不在で、なあなあになったり、押し付け合ったりする場面が目立ってくるのだろうか? 「2人で別々に管理」した場合、自由度はかなり高くても、先行きが不透明すぎて、不安が大きくなるのかもしれない。
また、「家計の管理はしていない」だと、圧倒的に幸福度が下がるのも注目だ。その場合、この調査だと「結婚して幸せ」と感じるのはわずが10.9%しかいない。こうした結果からみても、家計管理はいかに重要な家事かということを見て取れる。
まずは、話し合いからでも十分
いずれにしても、カップルに応じて、家計管理のあり方は千差万別。正解はない。だが、やはり話しづらいことだからこそ、しっかりと向き合って、常になにかしらの会話をしていくほうが、建設的な未来を築けそうだ。
(文・長田真)