ファミマがオリジナルダウンを発売した。「自信作」との声を受けて、アリかナシか、早速買って試してみた。
撮影:小林優多郎
ファミリーマートがオリジナルダウンジャケットを発売した。その名も「コンビニエンスダウン」。「約7000円(税込6990円)」というコンビニ商品としては強気の価格だが、担当者は「自信がある」と断言する。
早速、商品を購入して試してみた。
ファミマの「コンビニエンスダウン」を動画でもチェック。
撮影:渡慶次法子
ラスト1着をゲット。初日から高い注目度
店舗に並ぶ「コンビニエンスダウン」。コンビニでダウンジャケットが買えることに改めて驚いた。
撮影:小林優多郎
ダウンジャケットはファミリーマートのオリジナル衣料品ブランド「コンビニエンスウェア 」の新商品だ。同シリーズはコーポレートカラーの青と緑のラインをあしらった靴下が累計販売700万足を突破するなど、人気を集めている。
見本が掛けられているはずのハンガー。この店舗はラスト1着だった。
撮影:小林優多郎
取り扱いは東京都内の約90店舗のみ。発売初日の11月22日に都内の店舗をのぞいたところ、1軒目は見本品までも売れており、ラスト1着という状況。2軒目はMサイズLサイズそれぞれ1着ずつあった。
「ジェンダーレス」で2サイズを展開
編集部の記者が着用。
撮影:小林優多郎
今回はLサイズを購入してみた。身長150cmの筆者(女性)と身長175cmの男性記者が着用すると写真のようなサイズ感に。ダウンは男女兼用でサイズはM・Lの2サイズ展開で、カラーは黒のみだ。
撮影:小林優多郎
すぐに着ることができるようタグは無く、商品情報は本体にプリントされている。
動物・環境保護に配慮した「ダウン」をうたう
撮影:小林優多郎
商品を手に取ってまず驚いたのは、その軽さだ。商品名は「ダウン」だが、動物や環境負荷への配慮から中綿は再生ポリエステル100%で、水鳥の羽毛は使っていない。羽毛を研究して作られた特殊な素材でできており、羽毛の品質・かさ高さを表すフィルパワーは730を誇る。生地はナイロン100%で撥水性は良さそうだ。
撮影:小林優多郎
こだわりはデザイン、実はファミマカラーも
撮影:竹下郁子
コンビニエンスウェアを担当するファミリーマート日用品・雑誌部の須貝健彦さんは、
「何よりこだわったのが『1枚でキマる』デザインです。襟がリブ素材になっていて、ブルゾンのようにも着れます」(須貝さん)
と言う。今回もファッションデザイナー落合宏理氏との共同開発だ。
左ポケットにはこっそりと「ファミマカラー」が。
撮影:小林優多郎
全体を左ポケットに折りたたんでコンパクトに持ち運びできる(パッカブル)こともポイントだという。袋に入れて収納するダウンジャケットは多いが、「袋に入れるタイプだと袋自体をなくす人もいますが、その心配もありません」(須貝さん)
ユニクロや無印良品などライバルは多い
ユニクロには今年も多種多様なダウン商品が並ぶ。
撮影:小林優多郎
今回のダウンはコンビニエンスウェアの中では最も高額な商品だ。そもそもコンビニで約7000円の商品自体、異例だろう。
ちなみにコンビニエンスダウンと同じように軽くて持ち運び可能がウリのユニクロの「ウルトラライトダウンジャケット」は5990円(税込、期間限定価格)、無印良品の「再生ナイロン軽量スタンドカラーダウンジャケット」も5990円(税込)と、1000円ほど安い。
コンビニエンスダウンは機能性は良いが、暖かさには不安も。
撮影:小林優多郎
暖かさの指標の1つになるフィルパワー自体はユニクロの「ウルトラライトダウン」(640フィルパワー)より高い表記だが、厚み自体はユニクロより薄く感じる。本格的な寒さが到来してみないとわからないが、冬をしっかりしのげるかはやや心配な印象がある。
実際、ファミマとユニクロのダウンを着比べてみると、デザインも包まれ感も、やはり長年改良を続けてきた後者に軍配が上がるというのが正直な感想だ。
ファミマはなぜダウンを販売することに踏み切ったのか。きっかけは9月に発売した「はっ水パーカー」だという。
「はっ水パーカーも3289円(税込)と高単価でチャレンジングな商品でしたが、想像以上にお客様に受け入れられました。急な雨などの緊急需要ではなく、商品を目当てに来店する『目的買い』してもらえているのではないかと思います。
コンビニで衣料品を購入する文化が少しずつ定着してきたと考え、今回コンビニエンスダウンを発売しました。商品にはかなり自信を持っています」(須貝さん)
機能性インナーなど冬向け商品も充実のラインナップだ。
撮影:小林優多郎
コンビニエンスウェアのラインナップは拡大し続けており、長袖Tシャツ、発熱・保温効果のある機能性インナーから手袋まである。ファミマ商品でトータルコーディネートできる日も、そう遠くないかもしれない。
下着にとどまらないコンビニ衣料が本当に求められているのか、今回のダウンはいい試金石になるだろう。
(文・竹下郁子)