2023年に人気が出そうな室内装飾のトレンドを、インテリア専門家に聞いた。
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- 2023年に人気が出る室内装飾のトレンドについて、専門家に予想してもらった。
- 独特の質感を持つ素材、鮮やかな色調、遊び心を取り入れたタイル使いなどの人気が急上昇しそうだ。
- さらに、「砂漠を思わせる色合い」が人気を集めそうだと専門家は予想している。
質感のある素材に人気の兆し
人気を呼びそうな、質感がある素材。
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アパートメント・セラピー(Apartment Therapy)のエグゼクティブホームディレクター、ダニエル・ブランデル(Danielle Blundell)はInsiderの取材に対し、2023年の室内装飾では、クッションからソファ、壁紙、油はね防止パネルに至るまで、質感がクローズアップされそうだと語った。
「室内空間に温かみや視覚的なアクセントを加える最も手軽な方法だと思う」とブランデル氏は述べた。「2023年には、アクセントウォールやテキスタイル、家具や室内を飾る小物など、あらゆるものに立体感がプラスされるだろう。至るところで、質感のある素材を目にするはずだ」
モース・デザイン(Morse Design)の創業者、アンディ・モース(Andi Morse)も、ブークレ(別名ループヤーン。表面に糸の輪っかが出るように加工された生地)やレザーなど、独特の質感のある素材の人気は、今後も継続するだろうと考えている。
「質感がある素材を用いることで、部屋に高級感が醸し出されるだろう。買い物上手な人なら、予算の額にかかわらず、質感を持つアイテムを見つけられるはずだ」とブランデル氏は付け加えた。「質感を持ち込むことのメリットは、さまざまな要素を重ねることで、室内に洗練された雰囲気を出せる点だ。また、どんな色合いでもマッチする点もうれしいところだ」
脚光を浴びる、カラフルな大理石
新たな魅力が加わった大理石。
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「白地にグレーの筋が入ったカラカッタ大理石は、キッチンやバスルーム、さらにはプロダクトデザインの黄金律だ。だが、まったく反対のカラーリングの大理石も注目を集め始めている」とブランデルは指摘する。
「最近注目を集めているのが、色付きの大理石だ。ピンクや赤、バーガンディ、さらには黒に近い暗色といった色合いだ」とブランデルは説明する。
「白い大理石にグレーの筋が入っているものではなく、色付きの大理石に白の筋が入っているものが人気で、非常にしゃれた見た目になる」
「カラー大理石はマキシマリズム(ミニマリズムの逆、最大主義)との相性も抜群に良い。マキシマリズムはこの1、2年、大いに盛り上がっているトレンドだ」とブランデルは述べている。
ただし、内装に大理石を使うと、費用がかさんでしまうというデメリットもある。予算オーバーの場合は、ブックエンドなど、より手頃な価格の室内の装飾小物に大理石を取り入れるといい、とブランデルはアドバイスしている。
カラフルなインテリアが、引き続き人気。特にジュエリーを思わせる色調がブームに
ジュエリーのようなトーンの人気が上昇中。
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マギー・グリフィン・デザイン(Maggie Griffin Design)のグレイス・ブラックマン(Grace Brackman)や、先述のモースはともに、インテリアをよりカラフルにするトレンドが流行すると予測した。
「グリーンやブラウンを多く使い、アウトドア感を室内に取り入れる趣向が2023年は大きなトレンドになると予測している」とモースは述べた。
ブラックマンは、ジュエリーを思わせる、主張の強い色調も支持を集めるだろうとみている。
「カラフルな色調が人気を集めていることには、少し驚かされている。だが、白で統一されたインテリアには飽きがきていて、もっと刺激的なものが求められているのだろう」
新鮮なインテリアのヒントとして、パリに目を向ける動きもある
インテリアのインスピレーションをパリに求める人も。
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「この傾向が生まれたきっかけは、(Netflixのドラマ)『エミリー、パリへ行く』、そして旅行者の数が回復していることだと思う」と、ブランデルはInsiderに対して述べた。
「今のところまだ誰も飽きてない様子で、すぐにこのブームが終わることはないだろう」
ブランデルはさらに、たとえば、昔ながらの装飾がある白い壁の部屋でも、「遊び心を加えたインテリアを楽しむ」傾向が高まるだろうと言う。
「このスタイルが素晴らしいのは、それほど苦労なく実現できる点だ」と彼女は続けた。
「何しろパリを再現するのだから、このテイストを取り入れるのは難しそうに思えるだろう。だが、シールで壁に貼り付けられるタイプの装飾アイテムを使えば、思ったより簡単に、パリ風に仕上げられるはずだ」
砂漠を思わせるトーンも人気の予感
砂漠を思わせる色合いも要注目だ。
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ジュエリートーンのようなはっきりした色調は好みではないが、白で統一したインテリアとは違ったものを求めている人向けに、砂漠を思わせる色合いが人気になると、ブランデルは予測する。
注目される色についてブランデルは「夕暮れ時の砂漠を思わせるピンクやオレンジといった色合いと、砂のようなベージュのあいだにある、あらゆる色が対象になる」と語る。さらに彼女は、こうしたソフトな色合いは、質感のある素材との相性が良いと付け加えた。
「ある意味シンプルな色使いだが、居心地の良い空間が作れるうえに、旅をした気分が味わえるし、屋外の雰囲気を多少室内に持ち込むこともできる」とブランデルはメリットを説明する。
「少しニュアンスのある、趣味の良い感じが出せるだろう」
家のあちこちで、ひと工夫したタイル使いがブームに
さまざまなパターンで使えるタイル。
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ブランデルはInsiderに、「イリュージョン・タイル」が人気になるだろうとの見方を示した。
「これがタイル?と思うような使われ方が増えるはずだ」と同氏は言い、その例として、壁紙や花、さらには木材に見えるようなものを挙げた。
タイルの新しい使い方が増えている背景には、「耐久性が高く衛生的」である点が評価されているという事情もある。
「ダークカラーの大理石では手入れが大変になるような場所でも、タイルならとても楽だ」と彼女は言う。
キッチンに木の素材を使う
木材は人気の素材だ。
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一方、ブラックマンはInsiderに対し、2023年は木製のキャビネットやアイランドカウンターが、キッチンで人気のアイテムになるとの予測を示した。
住宅空間に使われる木材は、機能的なだけでなく、家に独特の魅力を与えてくれる。
ここ数年続いてきたトレンドが、2023年にはさらに洗練される
姿を変えながら続くトレンドもある。
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ここ数年、楽しく一風変わったスタイルをインテリアに取り込む傾向が出ているとブランデルは指摘する。
彼女は例として「鮮やかな色合いや、少し変わった形、市松模様などの楽しいパターン」などを挙げた。
ブランデルは、2023年にはこうしたトレンドがさらにアップグレードされるとみている。
「こうしたトレンドの人気は、これからも続くだろう。ただし、今後はより洗練された形になると思う」
一例を挙げると、2020年から21年にかけては、波打つようなデザインモチーフをインテリアに取り入れるのが流行した。ブランデルは、これがさらに洗練され、スカラップ模様(連続した半円の波状の縁取りデザイン)になっていくと予想する。
「インテリアに、楽しい要素を入れる動きは健在だ。そこから発展して、誰もがちょっと個性的な趣向を取り入れていくかもしれない」とブランデルは言う。
「しかし、こうした『思わず微笑みたくなる』ような形や色合いの多くは、今までより少しソフトになり、より洗練されたものになりつつある」