副業で手っ取り早く追加収入を得られても、長期的な視点では意味がない場合もある。
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- 財テクの専門家の多くは、貯金を殖やして借金を返済する方法として、副業を推奨する。
- しかし、リクルーターのニアニ・トルバート氏は、副業は必ずしも最善の選択ではないと語る。
- トルバート氏は、副業に費やす時間とエネルギーを、支出を抑え、自分のスキルを磨くことに使うべきだと主張する。
財テクの専門家の多くは、副業を緊急時のための貯金方法、あるいは借金の返済方法とみなして推奨している。嫌いな仕事を辞めるための貯金手段として、副業をしている人もいる。
しかし、黒人女性の雇用促進コミュニティ「#HIREBLACK」のファウンダー兼リクルーターであるニアニ・トルバート氏(29歳)は、副業が長期的には、貯蓄などの財務目標の妨げになる可能性があると指摘する。トルバート氏は自身のクライアントに、さまざまなスキルを用いて手っ取り早く収入を得ることをやめるようアドバイスする。そのようなスキルは長期的なキャリア目標の達成に必ずしも貢献しないからだ。
以下、トルバート氏が指摘する、副業探しをやめるべき理由を3つ紹介しよう。
1. 副業がエネルギーと時間を奪う
トルバート氏には、本業とまったく性質が異なり、将来のキャリア目標からもかけ離れた副業を複数抱えたクライアントが数人いた。そのような副業は消耗につながる。本来、休息および充電すべき時間に仕事がある場合は特にそうだ。
トルバート氏はこう付け加えた。「互いに補い合うスキルを使うなら話は別だが、そうでない場合は、すべての副業をそれぞれバラバラに行う必要があるかもしれない。たとえば、受動的でない収入源が4つもある人は、休息しながら自分に投資する時間が持てないだろう」
2. 副業探しのストレスで、本来のキャリア目標を見失ってしまう
スキルを用いて副業から手っ取り早く収入を得る代わりに、長期的に収入を増やすためのキャリア戦略を立てるべきだと、トルバート氏は助言する。さらに、複数の副業を渡り歩くストレスで休息や充電をする時間がとれないようでは、長期的なキャリア目標を明確に立てることはできないと指摘したうえで、こう続ける。
「多くの人は、もっとお金があれば問題が減ると考えるようだが、逆に、一歩下がって副業文化から離れ、自分のキャリアづくりにエネルギーを向けたほうがいいだろう」
3. ストレスが増えると衝動的な支出をしやすくなる
副業を通じて手早く収入を増やす時間があるのなら、その時間を使って節約する方法を探すこともできるはずだと、トルバート氏は言う。
たとえば、忙しい副業のスケジュールをこなすためにファストフードで食事を済ませている人は、その時間を自炊に回すことで現金を節約できるだろう。「おそらく、支出の一部を減らすことができるはずだ。これはある意味、自らのエゴを追い払う、金銭的な決断でもある」
最後に、トルバート氏はこう付け加えた。「キャリア構築につながらない副業を行っている人は、短期的に現金を得るために自分を薄く広く延ばしていると言える。それでは、馬車馬のように、ただこき使われるだけの存在となってしまう」
[原文:3 reasons you shouldn't get a side hustle, according to a recruiter]
(翻訳・長谷川圭/LIBER、編集・長田真)