インドネシアの自然保護区が競売に…リゾート開発と動植物保護の両立を目指す

ウィディ保護区

バリ近くのウィディ保護区が12月8日、競売にかけられる。

Provided by Sotheby's Concierge Auctions

  • ウィディ保護区は、インドネシアの100以上の島から成る自然保護区で、近く競売にかけられる。
  • この自然保護区は無人で、白い砂浜のビーチ、熱帯雨林、海洋生物で知られている。
  • 保護区を豪華リゾートへと開発する計画も、この競売には含まれている。

インドネシアのウィディ(Widi)保護区はバリの北東にある自然保護区で、近く競売にかけられる

ウィディ保護区

バリの北東に位置する。

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インドネシアのバリ島近くの自然保護区で、100以上の熱帯の島々から成るウィディ保護区が近くオークションにかけられる。。サザビーズ(Sotheby's)のオンラインのリストによると、入札は2022年12月8日(現地時間)に開始される。

この自然保護区は無人で、白い砂浜のビーチ、熱帯雨林や、無数の海洋生物など、素晴らしい自然の風景で知られている。

入札開始予定価格は記載されていないが、入札にするには、10万ドル(約1400万円)の手付金が必要だという。 


この保護区は、現在は無人だ

プライベートビーチ

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ここは住民のいない無人の群島だが、近くの村から、2つの小さなコミュニティーの人々や漁師が訪れることもあるとサザビーズの広報担当者はInsiderに語っている。

購入者は将来作られる予定の滑走路を使ってアクセスできるようになるという。フライトの所要時間はバリから2時間半程度、シンガポールからで3時間45分、香港からなら4時間半、とリストには記載されている。


数百にのぼる希少種や絶滅危惧種が生息している

絶滅危惧種

多くの絶滅危惧種が生息している。

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この保護区は太平洋の西側に位置し、サンゴ礁と海洋生物で知られる海域、コーラル・トライアングル(Coral Triangle)の中にある。造礁サンゴだけでも600種以上が生息すると自然保護団体のワールド・ワイルドライフ(World Wildlife)は伝えている。

ここにはシロナガスクジラ、ジンベイザメ、オサガメ、ダイオウイカなど、数百にのぼる希少種や絶滅危惧種が生息していることから、「地球上に残る最も生物が多様で生態学的に重要な場所の1つ」と考えられるとサザビーズの広報担当者はInsiderに語った。

一方、熱帯雨林にはオウム、カワセミ、ハヤブサの群れがおり、公式には記録されたことがないような珍しい植物も生息していると広報ん担当者は付け加えた。


購入者には、リゾート開発の権利が与えられる

プライベートビーチ

Provided by Sotheby's Concierge Auctions

ウィディ保護区は2020年、海洋保護区(Marine Protected Area)として設立され、熱帯雨林は高保護領域に指定された、とサザビーズはInsiderに語った。

国家の資産であると見なされ、厳密にはインドネシアの人々の所有地であると広報担当者は述べている。現在は、投資会社のPTリーダーシップ・アイランズ・インドネシア(PT. Leadership Islands Indonesia:PT. LII)が開発および管理の権利を独占しているという。

同組織は数年をかけ、いくつかの島の高級リゾートおよび住宅の開発権を得ており、今回の競売にはこの権利も含まれている。インドネシアの法律では通常、島の個人所有は許可されていないが、開発権を持つ事業会社の株式は販売可能だという。


リゾートになれば、50棟近くのエコな住宅が建つかもしれない

ウィディ保護区

Sotheby's Concierge Auctions

それぞれのエコ住宅は、1~8の寝室があり、17島に合計500部屋のさらなる持続可能な開発の機会が得られるかもしれないとリストには記されている。

開発計画によって保護区に新たなビジネスも生まれるため、住民も雇用の機会に恵まれる可能性が期待されているという。


開発計画は自然の保護に重点を置いているとサザビーズの広報担当者はInsiderに語った

ウィディ保護区

白い砂浜のビーチ。

Provided by Sotheby's Concierge Auctions

サザビーズによると、PT. LIIは豪華なリゾートを開発しつつ、自然を守る計画だという。広報担当者はInsiderに、森林伐採や絶滅危惧種の密猟などを厳重なパトロール・システムで防ぐために予算150万ドル(約2億1000万円)で海軍および海上警察がサポートすると語った。

「開発対象として選ばれた島は、その素晴らしい景観やユニークな特色だけでなく、危険にさらされている生息地を乱さずに開発することが可能だからこそ選ばれた」と広報担当者は述べ、観光客立ち入り禁止の区域も確保されると付け加えた。  

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