銃乱射が起きた米バージニア州チェサピーク市のウォルマートには、花やバルーンが飾られていた。
Alex Brandon/AP
- アメリカでは2022年、11月24日までに609件の銃乱射事件が起きていることをガン・バイオレンス・アーカイブが発表した。
- 600件以上になったのは、3年連続だ。
- このデータは、過去8年間で銃乱射事件が増加しているという不穏な実態を表している。
銃乱射事件が相次ぐアメリカが11月初旬、恐ろしい記録を打ち立てた。複数の犠牲者を出す銃乱射事件が3年連続で600件を突破したというのだ。
アメリカ国内の銃撃や銃による暴力について追跡を行う非営利団体、ガン・バイオレンス・アーカイブ(The Gun Violence Archive)によると、11月19日にコロラドスプリングスの「クラブQ」で5人が死亡し17人が負傷した事件が、2022年における601件目の銃乱射事件となった。
同団体は、銃乱射について「アメリカの現象」と呼び、加害者をのぞいて少なくとも4人が銃で撃たれて、負傷あるいは死亡した場合と定義している。
クラブQでの銃乱射事件のわずか2日後、バージニア州チェサピークのウォルマート(Walmart)のマネージャーが発砲し、再び悲劇が起きた。当局によると、6人の従業員が死亡し、2022年の607件目の銃乱射事件となった。
感謝祭(11月24日)時点で、2022年に起きた銃乱射事件は609件だ。
ガン・バイオレンス・アーカイブによると、2022年は残り1カ月以上があり、これは年末までに675件まで達するペースで、同団体が2013年に追跡を始めて以来、2番目に多い数値になると見られている。
銃乱射事件がピークとなったのは、新型コロナウイルスのパンデミックが収まった2021年の690件で、2020年には610件起きている。
ガン・バイオレンス・アーカイブはクラブQの銃乱射事件の後、「2020年以前はひと月に60件以上の銃乱射事件を記録したことはない」とツイッターに投稿した。
「しかし、2020年には5回、2021年には6回、そして2022年も6回起きている」
このデータは、過去8年間で銃乱射事件が増加しているという不穏な事実を表している。
同団体の記録によると、2014年には273件あった。その後、今から5年前の2017年に348件まで増加した。さらに、417件の銃乱射事件が起きた2019年から610件となった2020年まで、大きく増加している。
ガン・バイオレンス・アーカイブは、2022年のデータで1日あたり平均1.86件の銃乱射事件が起きていることになると述べた。
コロラドの事件後、ジョー・バイデン大統領は「無分別な行為」と非難し、あらゆる形の銃暴力という公衆衛生上の流行に対応するよう求めた。そして、「2022年初め、私は他の歴史的な事柄に加えて、過去30年近くの間で最も重要な銃の安全性に関する法律に署名した。だが、我々はさらなる行動を起こさなければならない。アメリカの路上から武器を排除するため、アサルトウェポンについて規制する必要がある」と述べた。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)