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牛丼チェーン店「すき家」(ゼンショーホールディングス)の店員が深夜、配膳の練習をする動画がTwitterに投稿され、注目を集めている。「なんの意味があるのか」「パワハラ」「ブラック企業」など批判的な意見が多いが、すき家に真相をたずねると意外な答えが返ってきた。
深夜に雪が降る中の練習動画が物議
「すき家」の店員が深夜に接客練習をする動画が物議を醸しています。広報に真相をたずねました。
出典:すき家ホームページ
発端となった投稿では、すき家の店員らが並んで配膳トレーを持ち、練習をする動画を投稿。「深夜に熱心すぎだろ。接客大会とかあるのかな、こんな深夜に雪降ってんのに上着も着ないで感動する」とツイートしていた。
動画には「なんの意味があるのか」「パワハラ」「ブラック企業」などの批判的な意見が寄せられている。一体これは何の様子なのか。
ゼンショー広報「社内コンテストの自主練習」と回答
出典:すき家ホームページ
すき家の広報担当者にたずねたところ、これは日頃から行っている研修ではなく、年1回の「KOSS-1」という社内コンテストに向けた自主練習だという。「KOSS」は「きれいなお店で・おいしい牛丼を・スマイルで・素早く(提供する)」の頭文字を取ったもので、日本を含む各国のすき家の従業員(アルバイト中心)が、接客のスキルアップを目指して参加するコンテストだ。
今回の動画は北海道・札幌市内の店舗での練習風景だという。
「当該従業員の勤務時間が深夜であるため、その時間に合わせて練習を行っています。練習のほとんどは店内で行っていましたが、お客様への配慮から、10分~20分程度店外にて練習したとのことです。
本人の申し出によるものですので、パワハラにあたるものではなく、逆にすき家の広報担当としては、大変高いモチベ―ションで取り組まれていることに本当に頭が下がる思いです。一方で、短時間とはいえ、従業員の健康面と店外のその他のお客様への配慮から、服装と場所を考える余地はあったと思います」(すき家・広報担当者)
大会は地区予選を経て決勝戦へ進む。当該従業員はコンテストに応募した後、地区予選を勝ち抜き、次は北日本単位の予選に出場する予定になっている。
「本人の申し出」とのことだが、それを強いる空気がなかったか、そして何より健康には気をつけて欲しいものだ。
(文・竹下郁子)