ジョージ・ホッツ
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- 自動運転車の開発者兼ハッカーであるジョージ・ホッツは、ツイッターで12週間のインターンをすると申し出た。
- 彼は「極めてハードコア」なカルチャーこそ「優れたものを構築する姿勢」と、イーロン・マスクがツイッターを経営するスタイルを称賛した。
- ホッツはiPhoneの「脱獄」を成功させた人物で、PlayStation 3をハッキングしてソニーに訴えられたこともある。
自動運転車の開発者兼ハッカーのジョージ・ホッツ(George Hotz)は2022年11月17日、ツイッター(Twitter)のイーロン・マスク(Elon Musk)CEOの経営スタイルを称賛するツイートをしたのち、「口先だけでなく、行動で示したい。SF(サンフランシスコ)での生活費を負担してくれるなら、ツイッターで12週間のインターンシップ勤務に就きたい」とツイートした。
ツイッターのイーロン・マスクCEOは、「もちろん。話をしよう」と返事をした。
ホッツは「それはよかった。私の電話番号は変わっていない」と答える一方、マスクが「長期的な安定」を望んでいるなら、自分は「そういうことを求めているわけではない」と付け加えた。さらに「私は複雑なコードベースに潜り込むのが本当に好きだ。12週間で1000のマイクロサービスのいくつかを文書化してきれいにするのを手伝えると思う。リバースエンジニアリングだ!」と続けた。
11月22日には、ホッツは「ツイッターの検索の質はどうだろうか。グーグル(Google)ではなくツイッターで検索するようになるには何が必要だろうか」とツイートし、ユーザーの意見を求めた。
それに対し、BloomTechの共同設立者兼CEOであるオースチン・オルレッド(Austen Allred)は、「本当に最悪。基本的に(検索ワードと)完全に一致するものしかヒットしない」とツイートした。
ホッツは「確かに」と同意し、「これを簡単に改善する方法があるかどうか調べてみる」と返信した。同じ日に、ホッツは別のユーザーへの返信で、インターンシップの提案が実現したことを示唆した。
「それ(検索機能の不具合の修正)が私の仕事だとイーロンは言っていた。それを行うために最大限の努力をする。12週間あるんだ」
さらに、ログインしていない状態でタイムラインをスクロールするとログインを促すポップアップが出てきて「消えない」ので、それも取り除くよう努力すると述べ、「こういうものがインターネットをダメにする」と付け加えた。
ホッツは、そのポップアップを取り除くだけでも「私のインターンシップは成功だと思う」と述べ、自分のノートPCではGoogle Chromeの拡張機能でポップアップをブロックしていると付け加えた。
大量解雇を免れたツイッターの従業員に対し、マスクは深夜にメールを送り、「極めてハードコア」に働くことを求めた。ホッツはそれこそが「優れたものを構築する姿勢」であるとし、「偉大なことを成し遂げたいという欲望のない者は去ればいい」とツイートしていた。
またホッツは、ツイートの返信の中で「リモートワークは好きじゃない。毎日でもオフィスに行きたい」と述べ、ツイッターで生き残れることをアピールしていた。
ホッツは2007年にiPhoneのロック解除に成功し、AT&T以外の通信事業者でも使えるようにしたことで注目を集めるようになった。彼が20歳だった2009年には、PlayStation 3をハッキングしたとしてソニー(Sony)から訴えられたが、示談になった。
マスクとホッツには過去にも接点があった。ホッツの自動運転車技術に関するブルームバーグの2015年の特集記事にそのことが紹介されている。
記事で引用されたマスクからホッツへのメールには「テスラ(Tesla)で働けばいい」と記されていた。当時テスラが提携していたモービルアイ(Mobileye)の運転支援技術よりも優れたものが開発できれば、数百万ドルのボーナスも出すという提案もされていた。
だが、ホッツは「マスクが何度も条件を変えてくる」と感じたため、この契約から手を引いたという。