11月18日、イーロン・マスクはソフトウェアエンジニアに、過去6カ月間に書いたコードの箇条書きを電子メールで送信するように要求した。
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- ツイッターのエンジニアであったイハラ・イクヒロさんは、感謝祭の前夜に解雇された。
- イーロン・マスクが掲げる「ハードコア」な業務姿勢という「ツイッター2.0」を支持していたイハラさんにとって、解雇は衝撃的だった。
- イハラさんは、恨みはしないが、現在ビザの問題を抱えている元同僚に同情すると語った。
以下は、ツイッター社に勤務していた機械学習エンジニアであり、感謝祭の前夜に解雇された日本人、イハラ・イクヒロさんからの聞き語りを文書化したものだ。
私を解雇するというメールが届いたのは、感謝祭の前夜でした。
私は翌日に有給休暇を取っており、そのメールが届いた時には、翌朝の飛行機に乗るための準備をしていました。
解雇される前、私はツイッター(Twitter)のホーム・タイムライン・モデリング部門のテックリードを務めていました。私のチームはツイートやレコメンドの重要度を決める機械学習モデルの実装から運用までを担当する部署でした。
副次的プロジェクトとして、ツイートの文字数制限を280文字に増やすための部門にも加わっていました。
突然の解雇を予期する理由はありませんでした。私は、自分自身が新しいツイッター2.0のビジョンによく合致していると思っていました。
マスク氏がツイッターを買収した時、私は喜んでいた
私は、ツイッターはゆっくりと行き止まりへの道を歩んでいると考えていました。今もそうかもしれません。ツイッターの歩みはとても遅かった。私はいつも、何週間もかかる終わりのない四半期ごとの計画作成に囚われていました。ツイッターには変革が必要であり、イーロン・マスク氏は最良の選択肢だと思っていました。
職場への復帰命令は必要だったのです。廊下での何気ない会話や通路越しに知識を共有し合うことができないのは苦痛でした。
私はどちらかと言うとワーカホリック気味だったから、「ハードコア」を求める最後通牒に動揺することはありませんでした。そのメールでマスク氏が伝えた内容は、とても理に適っていると思いました。
メールには、コードが不十分であるため解雇すると記されていた
メールの内容は次のとおりでした。
直近のコードレビューの結果、貴殿のコードは満足のいくものではないと判断されました。残念ながら、ツイッターにおける貴殿の雇用は直ちに終了することをお知らせします。
このメールが言及する「コードレビュー」が何を指しているのか、私は未だに理解できていません。マスク氏が各エンジニアと1対1でコードレビューを行うと言ったのを覚えています。私はこれを喜んでいたですが、結局、実現されることはありませんでした。
エンジニア一人一人に会う時間はありませんでした。最終的に、「レビュー」は、各部門全体で、その部門が行っていることをプレゼンテーションする形になりました。マスク氏が私のチームに辿り着く頃には深夜になっていました。
他にどうすることができたのか、私には分からない
遅かれ早かれ解雇される可能性が高かったのだろうと思います。少なくとも、同僚の多くは皆そう考えています。
さまざまな状況下で解雇された他の人々と話をして、マスク氏が率いるツイッターはまるで血液を入れ替えるように、既存の社員をより給料が安く小規模なチームに置き換えようとしているという印象を持っています。
ビザの問題を抱える同僚には気の毒だと思います。私はグリーンカードを持っているので幸運でした。いくらかの貯えもあるし、解雇についてツイートした後には、素晴らしい仕事のチャンスや招待が殺到しています。
ツイッターやマスク氏への恨みはありません。
私は、マスク氏がこれからのツイッターをどのように運営するのか、どうやってツイッター2.0を作っていくのかを目の当たりにすることを本当に楽しみにしていた。しかし、私は一介の従業員に過ぎません。オーナーが私の力を必要としないのであれば、それは仕方のないことです。