ギャップの「アークティックフリース・プルオーバー」(左)とパタゴニアの「スナップT ・プルオーバー」(右)。
Patagonia, Gap/Insider
- パタゴニア(Patagonia)の「スナップT・プルオーバー」をギャップ(Gap)が模倣したとして、パタゴニアがギャップを提訴した。
- パタゴニア側は、ギャップの「アークティックフリース・プルオーバー」は消費者にパタゴニアとのコラボ商品だと誤解させる可能性があると主張している。
- ギャップの商品紹介には「わたしたちのアーカイブをたどり、今日にあわせてデザインを改めた」ものだとある。
人気定番商品のデザインが盗用されたとして、パタゴニアがギャップを提訴した。
パタゴニアはギャップのキッズ向け、メンズ向けのアークティックフリース・プルオーバーがパタゴニアのスナップT・プルオーバーに「似た」デザイン要素を使っていると主張している。消費者にパタゴニアとのコラボ商品だと誤解させる可能性もあると、パタゴニアはカリフォルニア州北部の連邦地裁に訴えた。
パタゴニア側は、ギャップが意図的にパタゴニアのフリースのさまざまな要素 —— 首回りや袖口、ウエスト部分のパイピング、フリースの対比色を使った胸元のポケットとそれにマッチした襟元、胸ポケットの上の長方形のロゴなど —— を模倣したと主張している。
このロゴも山脈を描いたパタゴニアのロゴにあまりにも似ていると、パタゴニア側は指摘している。
「店頭でも購入後でも、全ての消費者が『細部まで確認する』わけではないだろう。もし確認したとしても、消費者はこれをギャップのあまたあるコラボ商品の1つだと信じる可能性が高い」とパタゴニアは訴えている。
胸元のポケットとロゴ。左がギャップ、右がパタゴニア。
Gap, Patagonia/Insider
ニューヨーク・タイムズによると、パタゴニアは1985年からスナップT・フリースを販売していて、1990年代後半になるとエルエルビーン(L.L.Bean)やランズエンド(Lands' End)、ギャップといった複数のブランドがフリースを取り入れるようになった。
ギャップのアークティックフリース・プルオーバーの商品紹介には「わたしたちのアーカイブをたどり、今日にあわせてデザインを改めた」ものだとあり、同社のアークティックフリースというラインがいつ立ち上がったかは不明だが、1980年代や1990年代の似たようなギャップ製品はDepopやGrailedといった再販サイトで購入できる。
パタゴニアは訴状の中で、ギャップのデザインがパタゴニアのトレードドレス(製品の見た目や質感)を侵害しているとこれまでも同社に警告していて、「さらに類似性の高いデザインやロゴの採用は偶然に起こることではない」と述べている。
パタゴニアは裁判を要求していて、ギャップに対して損害賠償などを求めている。
Insiderの取材に、ギャップの広報担当者は係争中の訴訟にはコメントしないと答えた。
(翻訳、編集:山口佳美)