老後資金の作り方は、世代によって異なる。
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- 老後資金作りの開始年齢は、Z世代が19歳、ミレニアル世代が25歳、X世代が30歳、ベビーブーマー世代が35歳。
- このデータは、Z世代が老後資金作りについて正しい考えを持っていることを示している。
- 退職後の貯蓄を元手にお金を増やせる期間が長いほど、最後に手にする金額は大きくなる。
どの世代に属しているにせよ、あなたはきっと老後資金作りに取り組んでいることだろう。
調査機関であるトランスアメリカ・リタイアメント・スタディーズ・センター(Transamerica Center for Retirement Studies)は、老後資金に関する21回目の年次調査で、アメリカの人々が老後資金作りを始めた年齢(中央値)を4つの世代別に集計した。その結果を見ると、資金作りを始める年齢は世代を追うごとに早くなっていることがわかる。
若い世代にとっては良い傾向だ。
Z世代は19歳で老後資金作りを始める。ベビーブーマー世代は35歳だった
調査対象のなかで最も若い世代であるZ世代は、老後資金作りを始める年齢(中央値)も19歳と最も若い。
これに対し、ミレニアル世代は25歳、X世代は30歳、ベビーブーマー世代は35歳となっており、その差は歴然だ。
調査対象となったZ世代は、18歳から23歳の仕事をしている人に限られるが、その大部分がすでに資金作りを始めているという。Z世代の約70%は、勤務先の確定拠出年金(401K)か、IRA(個人退職基金口座)のような他の退職金制度を利用している。それに対し、退職金口座を持つ人の割合は、ミレニアル世代では82%、X世代とベビーブーマー世代(若い世代に比べ、勤務先から年金やその他の退職金オプションを提供されている割合が高いと思われる世代)では84%だ。
Z世代が退職するのはまだまだ先のことだが、この調査結果からは、若い世代が将来をしっかり見据えていることがうかがえる。これが後々、大きな効果を発揮する可能性がある。
後回しにせず早く始めることが、若い世代にとって大きなアドバンテージに
Z世代は、老後資金作りを早めに始めることで、後に大きな恩恵を受けられるだろう。
退職に備え、貯蓄を始める時期が早ければ早いほど、多くの金額が貯まり、その貯蓄額をさらに増やすこともできる。退職貯蓄は時間とともに雪だるま式に増える。始めは少額でも、複利効果で次第にどんどん膨らんでいくからだ。
複利が重なると、積み立てた金額だけでなく、時間とともに生じる利子も元手となり、貯蓄が増えていく。複利を重ねる期間が長くなるほど、口座は膨らみ、手元に残る金額は大きくなる。
この原理を活用する最善の道は、とにかく早く始めることだ。Z世代はすでにわかっているようだが。