カナダのオンタリオ州を拠点にフルタイムのユーチューバーとして活動するレニ・オデトインボ。
Reni Odetoyinbo.
レニ・オデトインボ(Reni Odetoyinbo)が、2020年5月に23歳で初めて家を購入したことをインスタグラム(Instagram)のストーリーで投稿したところ、彼女へのダイレクトメッセージ(DM)は爆発的に増加した。当時、彼女には2000人のフォロワーがいたが、大学卒業後2年足らずでどうやって不動産を買う余裕ができたのかという質問を含む、30通ほどのメッセージが寄せられたのだ。
当時、オデトインボはカナダのモントリオール銀行(The Bank of Montreal:BMO)でフルタイムで働きながら、自身のインスタグラムで友人や家族に金融に関するヒントを時折投稿していた。彼女の家に関する投稿の後、フォロワーから富の構築に関する専用のプラットフォームを作るよう求められた。
そこで彼女はインスタグラムを通じて、ポッドキャストやYouTubeのチャンネルを作るべきか、それともひきつづきインスタグラムでストーリーを投稿するべきかについてアンケートを取った。大多数がYouTubeに投票したため、2020年5月18日に彼女のYouTubeチャンネル「xoReni」が誕生することになった。
現在、オデトインボはカナダのオンタリオ州を拠点に、1万9300人のチャンネル登録者を持つフルタイムのユーチューバーとして活動している。彼女のコンテンツはパーソナルファイナンスとキャリアアドバイスが中心で、23歳で初めて家を購入した方法、リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールを刷新する方法、金銭的虐待(Financial abuse)などの概念を説明する動画などを投稿している。また、今では彼女が使っているスキンケア製品など、ライフスタイルに関するコンテンツにも展開を拡げている。
「金融は白人男性が支配する分野でした」と彼女はInsiderに語る。「私のフォロワーの多くは、自分と同じような人がいないから、まさか自分も富を築けるなんて思わなかったと言っています。だからこそ、私の事業が今のように成長したのだと思います」
26歳の彼女は、現在1万4000人のフォロワーを持つインスタグラムと、2万3800人のフォロワーを持つティックトック(TikTok)でも、パーソナルファイナンスやライフスタイルのコンテンツを投稿している。Insiderが確認した資料によると、1月以降、彼女は7つの収入源から10万5654カナダドル(約1067万円:1カナダドル=101円換算)を得ている。
彼女の収入の内訳は以下の通り。
- グーグルのアドセンス(AdSense)プログラム:オデトインボの最初の収入源は、クリエイターが広告を掲載することで自身のYouTubeチャンネルを収益化することができるこのプログラムを通じたものだった。彼女は2020年9月に最初の100カナダドル(約1万100円)をこのプログラムで得ている。
- ブランドとのパートナーシップ :これはオデトインボの主な収入源の1つで、保険会社のレモネード(Lemonade)やカナダの投資会社ウェルスシンプル(Wealthsimple)などの企業から報酬を受け取って、ソーシャルメディア上でコンテンツを作成している。
- アフィリエイト・マーケティング:これは彼女のもう1つの主要な収入源で、イーキューバンク(EQ Bank)のような企業が、彼女のフォロワーがサービスにサインアップするごとに対価を支払うものだ。オデトインボが自身のソーシャルメディアのプロフィール欄にアフィリエイトリンクを掲載し、フォロワーがサインアップすると収益の一部を受け取る。例えば、イーキューバンクは彼女の専用リンクを使用してサインアップしたユーザー1人につき80カナダドル(約8080円)を彼女に支払う。
- 講演活動:彼女は母校であるヨーク大学やトロント公立図書館などの組織から定額の講演料をもらい、ライブまたはオンラインの講演会を通じて投資などのトピックについて話している。
- 専門的なコンサルティング:顧客のリンクトインのプロフィールを修正したり、中小企業にソーシャルメディア・プロフィールを最適化する方法を提案したりすることで、最低350カナダドル(約3万8500円)を獲得している。
- 投げ銭アプリの「Buy Me A Coffee」:彼女がSNSなどで提供したアドバイスに対し、このアプリを通じてフォワーが彼女にチップを支払うことがある。例えば、フォロワーがアドバイスのおかげで、2万5000カナダドル(約252万5000円)の昇給があったときなどだ。
- 助成金:6月に#YouTubeBlack Voicesから得た3万2263カナダドル(約325万8563円)のような、クリエイター支援プログラムからの助成金がオデトインボのプラットフォームが成長するために役立っている。特にこれらの資金は非課税であることが多い。
オデトインボは、その収入を生活資金や資産形成に充てるだけでなく、IHSメディカル社(IHS Medical Inc)とコラボレーションしてナイジェリアにいる彼女の祖父母が医療を受けられるようにするための支援も行っている。今月初めには彼女のYouTube動画にその広告が掲載された。
「経済的に故郷の家族を助けることができるのは、私にとってとても大切なこと」と彼女は述べている。
4歳で資産形成をスタート
オデトインボの資産形成の経験は、4歳の時に両親がTD銀行に投資口座を開設し、「贈り物でもらったお金の50%はそこに貯蓄しなさい」とアドバイスしたことから始まる。彼女は子どもの頃に両親と、予算を管理することや住宅ローンなどの話題について話し合っておりYouTube動画でも両親に教わったことをよく紹介している。
「ほとんどの人は幼い頃からそのような金融の話は聞いていないでしょうから、私がどんなに恵まれていたかは、自分でも分かっています」と彼女は述べ、こう加えた。「フォロワーにも、私が自分ですべてを学んだとは思ってほしくないんです」
また、BMOでの仕事からも富を築くことについて学び、最近では戦略的マーケティングマネジャーとして、投資可能資産が100万米ドル(約1億3700万円、1米ドル=137円換算)以上ある人を引きつけるマーケティングプランを作成していた。しかし、彼女は自身のYouTubeチャンネルでターゲットにしている「平均的な」人向けに金融の概念を説明したいと考えている。
「お金持ちがさらにお金持ちになるのを手伝っているだけでは、実際には自分は何の価値ももたらしていないように感じた」と彼女は話している。
オデトインボは 2021年10月に銀行を退職しているが、その前月にはアドセンスと1つのブランドとの契約、パフォーマンスマーケティングプラットフォームのフィンテルコネクト(Fintel Connect)からのアフィリエイト収入で3000カナダドル(約30万3000円)を得ている。
月別の収入内訳は?
以下は、オデトインボが2022年の各月にいくら稼いだかの内訳だ。Insiderは彼女が提供した書類でこれらの収入を確認した。
1月:6790カナダドル(約68万5790円)
2月:2502カナダドル(約25万2702円)
3月:9550カナダドル(約96万4550円)
4月:4459カナダドル(約45万359円)
5月:1万6087カナダドル(約162万4787円)
6月:3万4352カナダドル(約346万9552円)
7月:3891カナダドル(約39万2991円)
8月:1万5753カナダドル(約159万1053円)
9月:6138カナダドル(約61万9938円)
10月:2718カナダドル(約27万4518円)
11月:3414カナダドル(約34万4814円)