経営幹部の離脱が相次ぐ米セールスフォース(Salesforce)。共同最高経営責任者(CEO)の退任に続いて……。
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米顧客管理ソフトウェア大手セールスフォース(Salesforce)傘下のデータ分析プラットフォーム、タブロー・ソフトウェア(Tableau Software)のマーク・ネルソン最高経営責任者(CEO)が退任することが判明した。
セールスフォースのマーク・ベニオフ会長兼共同CEOが、最重要のパートナーであるブレット・テイラー共同CEOの退任を発表した翌日に判明した衝撃のニュースだ。
ネルソンは12月1日、ツイッターに投稿して同僚たちへの感謝を伝えた。
「素晴らしい4年半を過ごしたタブローでの仕事も、今日が最後になります。データを可視化して理解を促すというミッションを共有する皆さんと一緒に働けたことを光栄に思います」
衝撃はそれにとどまらない。
セールスフォースのスティーブン・タム最高技術責任者(CTO)も同日、18年在籍した同社を離れるとツイートした。
「これからどうするかはまだ決めていないけれども、おそらく同僚たちやオフィスのコーヒー、(セールスフォース)タワーからの眺めが恋しくなるだろうなあ」
テイラー共同CEOの退任発表後、Insiderがセールスフォースの社内組織図を独自に確認したところ、残留する経営幹部の直属の上司はまだテイラーのままになっている。したがって、退任予定日の2023年1月末までには大きな人事異動あるいは組織改編が行われる可能性がある。
テイラーやネルソン、タムの退任に先立って、セールスフォースでは最高売上責任者(CRO)のギャビン・パターソンが去っている。営業チームのレイオフ(一時解雇)が判明した数日後の11月10日、同社から退任が発表された。
Insiderの取材に応じた情報筋は、9月にパターソンの最高戦略責任者(CSO)への配置転換が行われたのは、退社への道筋を示す「予兆」だったと語った。
ただし、パターソン本人はInsiderの取材に対し、自らの退社は営業チームのレイオフとは無関係で、ロンドンに暮らす家族と離れて(セールスフォースが本拠を置く)サンフランシスコでの生活を続けるのが難しくなったことを理由としている。
セールスフォースの広報担当はネルソンの退任について次のようにコメントした。
「マーク(・ネルソン)は2018年にタブローのエグゼクティブバイスプレジデントに就任して以来、多大な貢献を続けてきました。当初はプロダクト開発担当としてグローバルエンジニアリングチームを率い、その後(2021年3月から)20カ月間はCEOの重責を担いました」
過去1年間の「重要経営幹部」退社リスト
- ギャビン・パターソン:最高売上責任者(CRO)、9月まで最高戦略責任者(CSO)
- ヘザー・コンクリン:シニアバイスプレジデント兼トレイルヘッド(Trailhead)ゼネラルマネージャー
- トニー・プロフェット:最高平等・採用責任者(CERO)
- シーン・アルパート:シニアバイスプレジデント(マーケティング担当)
- オズレム・ユクセル:最高執行責任者(COO、マーケティング担当)
- ロブ・ファーガソン:エグゼクティブバイスプレジデント(営業担当)
- ランディ・カーン:エグゼクティブバイスプレジデント兼最高カスタマーテクノロジー責任者
- トニー・ロドニー:エグゼクティブバイスプレジデント(エマージングビジネス担当)
- アンディ・コフォイド:北米プレジデント
- マイケル・コストウ:エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー(マーケティングクラウド担当)
- アディ・クルガンティ:シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー(エクスペリエンスクラウド担当)
- スー・シャナブルック:エグゼクティブバイスプレジデント(インフラサービスエンジニアリング担当)
- アナ・ヒーリー:バイスプレジデント(戦略パートナーシップ担当)
- サイモン・マルケイ:最高イノベーション責任者(CIO)
- アリーン・シュナイデウィンド:セールスフォース・エニウェア(Salesforce Anywhere)最高売上責任者(CRO)
- スティーブ・ピックル:エグゼクティブバイスプレジデント(グローバル人材戦略・オペレーション担当)兼暫定最高人材責任者[CPO]
- ジュリー・リーグル:スラック(Slack)最高マーケティング責任者(CRO)
- シーン・キャトレット:スラック最高セキュリティ責任者(CSO)
- アンジェリーク・デフリース:北欧CEO
- ケビン・ギブス:エグゼクティブバイスプレジデント兼クイップ(Quip)CEO
- エヴァン・ゴールドスタイン:シニアバイスプレジデント(IR担当)