グレート・タングレイ・マナーの外観。
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- イギリスのサリーにある歴史的な荘園が、1100万ユーロ(約16億円)で売り出し中だ。
- 不動産会社のStrutt & Parkerによると、グレート・タングレイ・マナーの歴史は1016年までさかのぼる。
- 堀で囲まれたこの物件の窓には、メアリー女王、国王ジョージ5世とジョージ6世が残したサインがある。
塀に囲まれた1000年の歴史を誇るイギリスの荘園が、1100万ユーロ(1344万ドル)で売り出し中だ。
不動産会社のSavillsとStrutt & Parkerの物件情報で「イギリス最古の居住用物件」とうたわれている「グレート・タングレイ・マナー(Great Tangley Manor)」は、イングランド南東部のサリーにある。
物件情報によると10の寝室と、6つのバスルーム、7つのリビングルームがある。また屋内プール、サウナ、テニスコート、第二次世界大戦時のシェルターもある。
グレート・タングレイ・マナーの寝室。
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Strutt & Parkerによると、敷地面積は9.93エーカー(約4万平方メートル)で、壁に囲まれた庭、牧草地、敷地を取り囲む堀があるのが特徴だ。
グレート・タングレイ・マナーの堀と橋。
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グレート・タングレイ・マナーは歴史に彩られている。Strutt & Parkerによると、その基礎部分は1016年までさかのぼり、12世紀にはジョン王子の狩猟小屋だったという。
ダイニングの木材は、1588年にイギリス沿岸で敗れたスペイン艦隊のもので、英西戦争の時に王へ貢献したことで、所有者が贈られたという。
グレート・タングレイ・マナーの内部。
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過去1000年以上にわたって、王室や数多くの歴史上の人物が訪れたとStrutt & ParkerはInsider宛のメールで述べている。
メアリー女王、ジョージ5世、ジョージ6世もここを訪れ、窓にサインを残した。Stutt & Parkerによると、ダイニングと主寝室のドレッシングルームの窓に今でもそのサインが見られるという。
グレート・タングレイ・マナーの窓に残されたジョージ5世のサイン。
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Stutt & Parkerによると、小説家のヴァージニア・ウルフ(Virginia Woolf)は子どものころに、ここを一度訪れたという。1913年には、一時的にアメリカの女性相続人が住んでいた。グラディス・ムーア・ヴァンダービルト(Gladys Moore Vanderbilt)として知られるセーチェーニ伯爵夫人も、夏にここに滞在して2人目の子どもを出産したという。
この物件は、電気自動車の充電ポイントや冷暖房の追加、ガラス張りのスペースの増設などを行い、長年にわたって改築されてきたと、物件情報に記載されている。
グレート・タングレイ・マナーに増設されたモダンなガラス張りのスペース。
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「グレート・タングレイ・マナーのような家はめったに売りに出ないし、今回の販売もこの建物の長い歴史の1ページになるだろう」とStrutt & Parkerのカントリー部門長を務めるオリバー・カスタンス・べーカー(Oliver Custance Baker)はプレスリリースで述べている。
「2016年に100周年を祝ったこの物件にとって、この国の遺産の次なる管理者を見つけるプロセスに加わることはとても特別なことだ」
カスタンス・ベーカーは「既存の建物に共感できる形で利用した素晴らしい事例だ」と述べ、この物件は家族の住居としても使えるし、建物をわけて休暇の豪華な滞在先として収入を得ることもできると付け加えた。